風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

五輪の裏で:二人の羽生

2018-03-09 00:52:59 | スポーツ・芸能好き
 これまた旧聞に属する話で、今となってはどうでもいいのだが・・・平昌五輪で羽生結弦が勝った時間帯に、将棋で羽生善治竜王が藤井聡太五段に負けた。二人の「羽生」と言っても読み方は違うわけで、「ハニュウ」と「ハブ」が入り乱れてちょっと混乱があったらしい(笑)。国民栄誉賞を受賞したばかりの実力者が、弱冠とまでも言えない(通常、弱冠は男子の数え年二十歳のことを言うので)僅か15歳6ヶ月の若者に負けた衝撃は半端ではない。
 藤井聡太五段はそのまま朝日杯オープン戦に優勝し、史上最年少、最速で六段に昇段した。
 それにしても、驕らず、臆せず、昂ぶらず、その老成した落ち着きぶりは、どうしたものだろう。ひふみん(加藤一二三九段)は言う。「並大抵ではない重圧を軽やかに力へと換え、新たな将棋界の歴史を日々創造するお姿を、心から頼もしく思います」 そう、軽やかに、しなやかに、淡々と。周囲はつい暖かく見守ってしまう。しかし谷川浩司九段は、その若武者の台頭を許す棋界に敢えて苦言を呈する。「私たちの予想をはるかに上回るスピードで、強くなっているようです。名人と竜王を破っての優勝は見事ですが、ただし、20代、30代の棋士に対しては、『君たち、悔しくないのか』と言いたい気持ちもあります」 
 なお、羽生善治竜王の奥様は元女優の畠田理恵さんで、熱狂的な羽生結弦ファンらしい。漢字だと紛らわしいが、ハブさんの奥様は、ハニュウくんのファンらしいのだ。この日も朝から「羽生・羽生勝負日」と気合十分だったという。漢字だと紛らわしいが、「ハニュウ・ハブ勝負日」ということかな。そして羽生結弦が金メダルを獲得すると「連覇!連覇!連覇!おめでとうございます この瞬間に立ち会えて、ありがとうございます」と興奮気味にツイートし、羽生善治竜王が藤井聡太五段との対局に敗れると、「悲しい涙とうれしい涙で忙しい」とも。こういうシチュエーション、なんとも言えず微笑ましい。
コメント
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