このエントリは、このブログで最多の写真を使うことになるかも。
ヤシュチラン遺跡に行けたのは本当に素晴らしい経験で、写真を選ぶのに相当苦労した。
今回のメキシコ旅行で一番、心が躍る旅だったと思う。
Palenqueの町から、Yaxchilan(ヤシュチラン)遺跡とBonanpac(ボナンパック)遺跡へのツアーが出ているが、町を出るのは何と朝6時と早い。
どちらもグアテマラとの国境近くにあり、国境近くの川に着くまで車で4時間。
更にYaxchilanに行くにはボートで1時間近く河をさかのぼる必要があるのだ。
今回のツアー参加者は、アメリカはワシントン州で農場を経営しているというおじいさん、メキシコ出身で一人旅が大好きなおばちゃん、フランス人のインターセクシャルのカップル、30代後半と思われる日本人の男の人一人と私。
加えて、グアテマラのフローレスに行くという人たちが乗っていて、小さなマイクロバスがひしめき合っている。
アメリカ人のおじいさんとメキシコのおばちゃんとは一緒に遺跡も見て回ったうえ、いろんな情報交換をして、とても仲良くなった。
早朝の車からの風景。
なんとなく、ケニアとかタンザニアっぽい。
こうやって見ると、低木が多く、確かにこの地域がサバナ気候(Aw)なんだっていうのがわかる。
ただ場所によっては熱帯雨林がうっそうと茂っているところもあるので、マイクロに気候が違うんだろうね。
8時半くらいだろうか、朝食を食べる場所、というのに到着。
ブッフェ形式なので、絞りたてのオレンジジュース、炒めご飯に黒豆の煮たものをかけたものを頂く。
メキシコに来て発見したことの一つが、この地域で出てくる黒豆って本当に美味しい、ということ。
どんな料理にも付け合せで出てくる、この豆が、とても旨みがあって、いくらでも食べられるのだ。
10時過ぎに、バスは川岸に到着。
ここからボートに乗って川上り。
ついにYaxchilan遺跡。
ちなみに、今まさに船に乗り込まんとしている黄色い服の人がメキシコ人のおばちゃん。
おばちゃんはとってもチャレンジャーで、常にいろんなことに最初に挑戦するのである。
右側にいるのが、アメリカ人のおじいさんとフランス人のカップル。
船だけ見ると、ベトナムやタイの光景を思い出す。
チャオプラヤ川を下る船のツアーみたいな感じ。
ところが実際に河を登り始めてみると、景色が東南アジアのそれとはまったく違ってきた。
またマニアックな話になるけど。
東南アジアはモンスーン気候(Am)で、生えている木々がもっとこんもりとしたものが多く、濃い緑色なのに対し、ここはやっぱりサバナ気候(Aw)なんだとおもう。
木の形を見ても、逆三角形で枝が上側に広がっているものが多いし、色も濃い緑から薄い若草色まで多種多様だ。
このあたりのカラフルさがサバナ気候っぽいと思う。
次々に変わる美しい景色に興奮して、船がどんなに揺れても船酔いなどまったく感じないほどだった。
ボートに乗っていた45分がいつの間にか経っていた。
ボートがヤシュチランに到着。
ここもまた、水の青、木の緑が多種多様で美しい光景。
ほんと、絵を描きたくなってくる。
じゃーん、ヤシュチランの地図です。
自由時間2時間のうち行けたのは、写真の黄色いエリアのところだけ。
本当はグラン・プラザからしばらく歩いたところに衛星のようにぽつんと存在する遺跡にも行きたかったんだけど、時間切れでだめだった。
また来よう。(っていつ?)
まずは最初の目的地、Manuna Acropolisへ。
ジャングルの中、階段を登っていく。
うっそうとした茂み。
屋久島や西表島のジャングルツアーを思い出す。
約5分ほどでAcropolisへ到着。
茂みの司会が開けたと思うと、大きな遺跡が突如現れる。
すごい、まさにジャングルの中に遺跡を発掘したような気分。
まずは階段を登る。
階段も上りやすく修復されている。
一番上まで上がると、Palenqueのときみたいに、天井がなく、壁の跡だけところどころ残っているところがたくさんある。
どんな建物だったのだろう、と想像力が膨らむ。
写真を取りまくる。
建物の中に段差があり、階段のようなものでつながっているところ。
小さく仕切られた部屋の跡。
通路のようなところ。
扉の跡。
載せるときりがないので写真は載せないけど、想像力を掻きたてられるところ、逐一写真を取って楽しむ。
どうやら、ここでちょっと時間を使いすぎてしまったようだ。
山道をまた降りていき、グラン・パレスのほうへ向かう。
このあたりからメキシコ人のおばちゃんと一緒に行動。
おばちゃんはスペイン語しか話せず、私は片言のスペイン語と英語をしゃべれるので、それを使って、残りは手振り身振りで話す。
グラン・パレスに着くと、大きな建物が行く手をさえぎった。
どこから向こうに抜けるのだろう、と思っていると、おばちゃんが、この通路を通っていくんだ、と建物に通じるくらい通路を指差す。
本当か?と思いながらおばちゃんに付いて行く。
途中、真っ暗で何も見えないところを通るが、少し行くと前方に光が見えてくる。
おばちゃん、正解でした。
どうやらこのおばちゃんは(そういえば私は名前も知らずに会話していた)、ヤシュチラン遺跡に来るのは今回で2回目だそうだ。
通路を抜けて、グラン・パレス側から取った建物の写真がこれ。
たくさんの扉で出来た、神殿のようだ。
建物の裏側に回ると、まさに今遺跡の発掘作業をしている人たちがいた。
遺跡の石組の上の草や土を払っているところ。
遺跡の一部が、表面に出始めているのがわかる。
これから、学者が来て、発掘作業を進め、石組みの崩れたところは修復したりして行くのだろう。
Palenqueにせよ、Yaxchilanにせよ、遺跡自体が発見されたのは遠い昔のことなのに、まだ発掘中の建物がたくさんある。
なんて気の遠くなるような作業なんだろう。
私が死ぬまでに、発掘が終了するんだろうか、と思った。
こちらはグラン・パレス側にあって、最近発掘されたばかりの遺跡。
名前はまだない。
グラン・パレスの眺め。
美しい緑と空の青。
おっと、きれいなトカゲを発見。
腹の色が青いのだ。
こんなきれいな色のトカゲ、はじめてみた。
グラン・パレスの中央から、来た道を振り返る。
先ほどの建物が小さく、生い茂る高い木々の中に見える。
さらに振り返る。
この風景も、まるで「天空の城ラピュタ」を思い出す。
美しい緑の木々の中に、残る古代の石組みの遺跡。
おばちゃんと一緒に、グランパレスから南側に上ったところにある、建物に行ってみることにする。
険しい階段をしばらく登る。
おばちゃんは40代くらいに見えるが、結構元気で、わりとひょいひょいと登っていく。
上りきったところにある建物がこれ。
上部のレリーフと、空高くそびえる屋上の格子状の壁に圧倒される。
本当にマヤ遺跡に来たーって感じで、心がどきどきしてくるのがわかる。
実はこの屋上の壁は一部で、当時はこれよりも高く壁が聳え立っていたらしい。
いったいこの格子状の壁は何のためにあったのだろう。
何のためにそんなに高い壁を作ったのだろう。
しばらく建物を見た後、またグラン・パレスに降りていき、パレス周辺の建物やレリーフを見る。
このレリーフはグランパレスに面した小さな建物の中に展示されているもの。
裏側の保存状態が特によく、鏡を使ってみることが出来る。
グランパレス北側の小さな建物。
気がつくと、グランパレス中央部では、なにやら怪しい儀式が始まっていた。
みんな白装束で、ペットボトルの水を使ってなにやら唱えており、大変怪しい。
最初は何かの新興宗教だろうか、と遠巻きに眺めていたが、どうやら観光客に当時のマヤの儀式をついた意見させるためのものとわかり、安心して近づく。
写真を撮っていいか、と聞くと、どうぞ、といわれたので、とりあえず一枚取ってみる。
こんな感じで、緑に埋もれ、想像力をかきたてる石組みの遺跡を見ているうちに、あっという間に2時間が経ってしまった。
本当に美しい景色で、ここに張った写真にも納まりきらないほどだった。
もっと長い時間居たかった。
名残惜しくも、Yaxchilanを去る。
上陸したのと同じ場所から、ボートが出る。
帰りも、行きと同じジャングルの中の川を下りながら、バスが止まった場所へと急ぐ。
次々と移り変わる景色にまったく飽きることがなく、自然の色と表情に感心してはシャッターを押し続ける。
帰りは下りなので、行きよりも早く、30分程度で元の船着場へと到着する。
そこからツアーのおじさんが、車で30分くらいのところにある、レストランへと連れて行ってくれた。
このレストランはおじさんの秘蔵っ子だという。
屋根の作りも、テーブルクロスもしゃれていて、とても田舎のレストランとは思えない。
料理の味もなかなか洗練されていて(もちろん都会の洗練度とは比べ物にならないけど)
美味しかった。
まだYaxchilanの興奮が冷めやらぬまま、バスは次の目的地ボナンパックへと進む
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