My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

日本でイノベーションを加速する- 15.360 Silicon Valley Trek (4)

2009-01-12 21:07:31 | MBA: MBA授業

月曜の夜は、シリコンバレーでインキュベーターをやっている企業を訪問し、ディナーもいただいた。
この企業は、起業家にオフィススペースを貸し、起業家同士をつなぐイベントやアドバイザリーを提供し、家賃をもらう、というビジネスをやっている。
この手のシステムは日本でもたくさん聞いたことがあるけど、この企業が面白いのは、起業家をサポートしたり、起業家の生態系を作ったり、だけじゃないこと。
Googleやマイクロソフトなど、シリコンバレーの大企業と協力して、大企業と起業家の協業のプロデュースもしているのだ。

私がMITにいる間のテーマは、イノベーションを生み続けられるような組織をどうやって作ったらよいのか、ということ。
その結果、日本がもう一度世界のイノベーターとして生まれ変わるためにはどうすれば良いか、について、ある程度実行可能な結論を出すのが目的だ。

ところで、アメリカでは、50年代~60年代にかけては、IBMやXerox、AT&Tなどの企業研究所がイノベーションの多くを生み出していたといわれている。
その後、70年代~80年代にかけて、ほとんどイノベーションが生まれない停滞の時代があった。
そしてシリコンバレーのスタートアップが、90年代以降のアメリカのイノベーションの多くを生み出した。
(要ソース。ボストンに帰ってから元になった本を探します)

日本はどうだろうか?
イノベーションの指標によると、60年代~70年代にかけて、大企業を中心にイノベーションが生み出されていた。
それが徐々に小さくなり、90年代から全く停滞している、という状況。
かつてイノベーションが生み出され、経済を牽引していた大企業から、それらしい経済規模に見合うイノベーションが生まれなくなっているのだ。

これを復活させることを考えた場合、単純にシリコンバレーをまねて、起業家を支援して、イノベーションを生んでもらう、というモデルがうまく行くのか?
日本にこのシリコンバレー・モデルを埋め込むべく、色んな人たちがインキュベーションをやっていることは知っている。
でもそれが本当にうまく行くか?

コンサルタント的に問題を解くなら、まずは何で大企業でイノベーションが起こらなくなったのか、真の原因を見極め、その課題に答えられる解を導くべきだろうね。
そのあたりは、今日は端折る。

結論だけ書くと、製造業などの大企業を最終的な受け皿(投資家)とし、スタートアップと大企業の多段階の協業をサポートする仕組みを作ること。
そして、大企業における企業内起業(Corporate entrepreneurship)やCVC(Corporate Venture Capital)を推し進めることが鍵じゃないかと私は思っている。
そもそも日本では、今停滞していると言っても、イノベーションにおける大企業の役割が無視できない。
単なる起業家支援だけでは、イノベーションは起こらないと私は思っている。

近年のシリコンバレーでは、IntelやCisco、Googleなどがシリコンバレーのスタートアップと協業、場合によってはCVCを使って吸収し、さまざまな新しい製品やサービスを生んでいる。
日本でうまく行くのはこういうモデルだと思う。

ただ、大企業がやるのを待っているだけでは何もおこらない。
例えば、アメリカのベンチャーキャピタルは、起業家の卵に金を出し、育て、関係構築をやってあげて、一人前にし、場合によっては大企業とのコラボの面倒も見る、という全てをやってくれる。
こういう
仕組みが、日本には未だ無い。
かといって、アメリカのようなベンチャーキャピタルを作る必要は無いと考えている。
既にあるパーツを上手く組み合わせ、足りないところを補って仕組みを作る、というやり方が合っているんじゃないか、と思う。

イノベーションのシーズは大学やベンチャーから得る。ただし日本だけじゃなくてシリコンバレーのベンチャーとも積極的に協業。
ベンチャーキャピタルや投資家ではなく、最終的にイノベーションを製品化したい製造業が、金を出す。
ベンチャーキャピタルではなく、商社のような企業が、投資家や専門家を橋渡しする役割を担う。

これなら、今の日本のシステムを大きく変革とかせず、今のシステムの良いところを促進し、パズルのように組み合わせるだけで、イノベーションを産むポンプのような仕組みができる、と思っている。

更に、日本の大企業も最近は近視眼的で、本当に小さいベンチャーには興味が無くなっている。
今、本当に小さいベンチャーを支援できるのは中くらいの企業だろう。
こういう異なる利害を持つ複数のステークホルダーを巻き込んだ、多段階で育成していく仕組みを作る必要がある。

ちょっとがんがん書いちゃったけど、まだこなれてない仮説で、検証もしてないので、これから進化させていく必要がある。

ともかくそういう議論を、ここの企業でビジネスパートナーシップマネージャーをやっている人とした。
アジア地域で、インキュベーションの仕組みが全く違う、という話は同感だ、ということで盛り上がった。
月曜から、これは!と思える企業に出会えて幸せだー!

後日談。
その時した話が面白かったみたいで、ちょっと話して一緒に何かやってみないか、と昨日連絡が来た。
何と、CEOに会わせてくれるという。
せっかくのチャンスなので、ものにすべく頑張って来ようかと思います。

次エントリ→ モバイル・ペイメントを普及させる- Silicon Valley Trek (5)

← 応援よろしくです!


Comment   この記事についてブログを書く
« シリコンバレートレックも佳... | TOP | モバイル・ペイメントを普及... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | MBA: MBA授業