My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

MBA生が夏のインターンを獲得するには

2009-08-05 09:12:51 | MBA: アメリカでの就職

そういえば、そもそも何で今、西海岸でインターンをやってるのか、何も経緯を書いてなかった。

このインターンが決まったのは2月の半ば。
周りに比べてかなり早い時期だった。
MBA生は、アメリカ人なんかまだ誰もインターンなんか決まっていない状況だった。
(一番早い投資銀行とコンサルですらまだだった)

そんな時期に、インターンが決まったとか書くのはかなり気が引けたので、書かないでいたら、そのままズルズルと6月になって、インターンに突入してしまったというわけ。
(実は2月半ばにヴァージン・アメリカでカリフォルニアに行き、帰りにサンタナ・ロウに寄ったのは、この会社の最終面接に呼ばれたときだった。)

MBAといえば、3ヶ月以上ある長い夏休みにインターンで働くのはつきもの。
昔は日本人といえば、社費で来て夏は旅行三昧という人が多かったかもしれないが、時代は変わってきている。
最近は、商社からの社費の人はもちろんのこと、金融機関から社費で来てる人ですら、自行の米国支店で働くという働き者もいる。

以下、日本人MBA生がインターンを獲得する方法、4パターンについてご説明。

1)日本人に圧倒的に多いのが、外資系企業の日本支社でのインターン

9割近くのMBA生がこのパターンじゃなかろうか。
コンサル、PEやファンド、投資銀行、それからGEやマイクロソフトといった事業会社。
こういうところは、日本に2~3ヶ月帰って、日本語で仕事をすることになる。
MBAでやってきたことを生かしつつ、自分のホームグラウンドの日本語で仕事が出来る、というのがメリット。

アプリケーションの時期は最も早く、10月くらいから動き始める必要があり、だいたい年末には内定が出る。
「ボストンキャリアフォーラム」などで面接をするケースもあれば、個別に主要な大学がある都市で面接が行われる事もある。
履歴書やエントリーシートは日本語でOKな場合も多く、日本人の採用担当者による、きわめて日本的なやり方で採用が進む。
米国企業とちがって、オンキャンパスでの面接は少ない。
そもそも学校のJobサイトなどに掲載されていないこともあるので、他の日本人MBA生とも連絡を取り合って、日程などを確認するのが良い。

2)それから、日本企業の海外支社で働く、というパターン。

一番多いのは、自社のコネクションなどを生かして、というパターンのようだ。
社費の人にとって、MBA留学の目的には、将来的に自社の海外支店で働くため、というのもあるだろうから、願ったり叶ったり、というところなんだろう。
他でインターン出来ない条件付の人も、これなら働けるしね。
MIT Sloanの私の同期は、この夏休み、9人中2人がこのパターンでインターンをしているみたい。

アプリケーションは、基本的に自社内のさまざまなコネクションを使って、社内就職活動をする、という形のようだ。
海外支店にいる先輩や人事部に掛け合って、会社にもよるが、メジャーな人事異動が終わった4月以降に確定、という感じらしい。

日本企業の海外支店で、日本語が話せる人を求めているケースもある。
ただ、数はかなり限られ、コネがないと見つからないほど。
まだ進出したばかり、などで、人手が足りないのでインターンを雇う、という特殊なケースと思ってよい。
私の知り合いで、一人だけ、このケースで雇われた人を知っているが、その人が勤めていた企業出身の人が始めた企業での仕事だった。

普通、日本から米国に進出してる企業は、日本人が必要なら、駐在で日本から派遣すればよいので、日本人を直接米国で雇うことは少ない。
米国採用は、米国市場・英語の環境で仕事できる人を探しているので、日本人であることは生かせないというわけ。

3)もうひとつは、完全に米国の会社で、日本に投資しているとか、日本進出を考えているので、日本人を雇いたい会社
数はかなり少ないので、このパターンで獲得したいなら、注意深く動く必要がある。

私のインターンはこのパターンに入る。
MITの先輩だと昨年は二人ほど、こういうパターンで米国のベンチャーキャピタルや投資会社で働いていた人がいた。
メリットは、日本市場を知っているという強みを生かしながら、完全な英語環境で働く経験が出来ること。

アプリケーションは、普通の米国企業と同じ形式で行われる。
レジュメ提出、インタビュー、当然全て英語となる。
相手は、英語が通じない、自分が良く知らない、日本市場において、判断を委ねられる人を求めているわけで、単に日本市場の知識をアピールするだけではダメ。
自分が仕事や判断を完全に任せられるに足る人間であることを、過去の事例などを用いて論理的に説明する必要がある。

4)最後は、完全に米国の会社で、日本とは関係ない仕事でのインターン
MBAに来ている日本人は、上記3)までのように、何らかの形で自分が日本人である強みを生かしてインターンを獲得するケースが殆ど。
しかし、中にはMKさんみたいに、帰国でも海外勤務でもないのに、自分の専門分野を生かして、日本とは全く関係ない分野でインターンを獲得する強者もいる。

このような完全米国の仕事を獲得するには、やっぱり専門知識が重要。
米国人と同じ土俵で、英語というハンディキャップがある中で戦うわけだから、それらの米国人よりも、その分野に精通していることを示す必要がある。

獲得するコツは、きっとMKさんがコメント欄で解説してくれるんじゃないか?と勝手に期待。

以上、この4パターンがMBAならではのインターン。
その次のエントリでは、じゃあどうやって面接その他、を突破するか、という具体的な記事を書こうと思います。→次のエントリへ(アメリカ就職面接を突破する-<WBR>MBA面接のコツも含めて

米国就活シリーズ

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6 Comments

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4)完全に米国の会社で、日本とは関係ない仕事 (MK)
2009-08-06 12:28:09
期待に添えますかどうかわかりませんが、4)につきコメントします。
私の場合、コツ的なものは見つかりません。気合と根性でようやく見つけたというのが本音です。アメリカ人でも就職先に苦労するこのご時勢、私のようにまともにコミュニケーションできない(笑)外国人は採用されません。実際、Lilacさんが過去の記事で書いていますが、米国市民権のある人間のみ採用と明言するケースが半数以上です(あくまで今年の状況です)。私はこの無茶なところにこだわったので、心が折れそうになりました。受けた企業の数は50社近くあると思いますがほとんど門前払いで、最終まで行って落ちた会社も何社かあります。自分でいうのも変ですが、履歴書的にはちょっとアメリカ人でもなかなかいないだろうというキャリアを持っていますから正直にいうと就職関連の事項でこんなに苦労するとは夢にも思っていませんでした。彼女がいうように、他のアプリカントと十分に差別化できるような専門性やキャリアが逆境を押しのけるキーになります。それから彼女がこれから説明するかもしれませんが、人脈(こちらではNetworkingといってます)も非常に重要です。これという会社が頭にあれば、早くから関係を作っておくことが情報収集やインタビュー等すべての観点で重要です。Lilacさんのいう3)のパターンが多いのも、まさになんらかのコネがものをいっているからです。
さて、3)4)はそれぞれPros&Consがあると思います。3)はおっしゃるように自分の土俵で戦うので責任と権限が持てる仕事だと思います。ただ、日本の市場開拓みたいにスペシフィックな仕事はSummer intern向きでフルタイムでそのようなニーズが恒久的にあるとは考えがたいです。したがって、ここで実力を示して他の業務にシフトするのが現実的でしょう。Lilacさんの場合は、卒業後は恐らく元の仕事に戻るのでそういう意味で利害の一致したケースだと思います。4)は、典型的なSummer internになるので正直私のようなMid careerにはもてあますような仕事内容です。どういうことかというと、アメリカ人のMBA学生は普通25歳過ぎくらいの数年働いたくらいの若手がSummer internをするので、仕事内容もそれ相応の難易度です。私はさらに10歳ほどおぢさんなので責任と権限が目指していたものにあっているかというと?ではあります。ただ、アメリカで第一線で働けるという経験は何物にも代えがたいので、それなりに満足してやっていますし、これはフルタイムでの採用を目指す人にはダイレクトに通じる道だといえます。
人によってMBAのSummer internは目的が違うので正解はありませんが、経験として得たいものを十分に吟味し、かなり早い時期からそれを戦略立案および実行というフェーズに落とし込むことが重要かと思います。
そうですよねえ (Lilac)
2009-08-07 09:04:55
>MK様

さっそく有難うございます。
やはり語学の壁は高いですね。
それと、今年はやはり就職環境が厳しかったので、それはやっぱり苦労しましたよね。
結局サマーインターンをやっていないアメリカ人や給与なしで働いている人もMBAには結構いますからね。
そゆ意味でも、結局なんだかんだと2社もやってるMKさんはすごいと思いますけど。

3)について補足ですが、私のように「今後も日本市場開拓を続けてくれないか」と依頼されることもあります。
また、最近はアメリカのファンドやベンチャーキャピタルで、日本投資を積極的に考えているところもあります。
市場開拓ってどの分野でも2,3年はかかる仕事。
日本進出を本当に考えている会社なら、日本サイドの裁量権を任せられるので、数年は働けると思います。
Unknown (MK)
2009-08-08 13:11:34
そうだね、確かに3)はそれなりに継続する話だよね。ただ、極東部長的な感じになっちゃうのかなあ?
語学の壁も心がけ次第でしょうね。自分はちゃんとしゃべれないとシュンとなってしまう性質なので、ある意味アメリカ企業に向いていない人のような気はするけど、利根川先生しかりアメリカで成功している日本人は驚くほど英語が達者ではないよね。やはりアメリカで働いていくということは、図太さとそれを支える何らかの芯が育っているということなんだとは思います。Lilacさんは両方あるから(図太さというか度胸だね)、グローバルプレーヤーとしての力は十分だと思います。亀の歩みですが、自分もそういったものを強化して行こうと思います。
極東部長! (Lilac)
2009-08-08 16:54:14
>MKさま

いいですね、「極東部長」。何かアメリカっぽい(笑)
実際そうなんでしょうね。日本の立ち上げとかオペレーションを一手に任される感じ。
責任も権限も多くて、やりがいは非常にあるでしょうし、米国といったりきたり出来るので、日本に閉じることなく、魅力ですよね。
この前のMBA飲み会で、日本市場に力を入れている米国のVCに行ったKさんにも聞きましたが、やっぱりそういう感じみたいです。
ただ、将来自分は何をしたいのか、よーく考えておかないと、能力を2-3年使われて終わると思うので、そこは気をつけなきゃデスね。

うーん、私は度胸しかない気もしますけどね(笑)
英語が下手なのに、授業中も「オレ様の話を聞け!」って感じで発言する私は、おそらく態度に見合った英語力を早く身につけるべきだと痛感してます。
(じゃないと100Kの時みたいに「出る杭は打たれ」てしまいますから(笑))
3 完全に米国の会社だけど日本人を雇いたい場合 (mamoruk)
2009-09-01 14:34:03
どうも、On Off and Beyond から連れられて来ました。MBA じゃなくて現在日本で大学院生してますが、インターンシップはアメリカでそれぞれしているのでその経験を書いてみようかなと思います。

専門は計算機科学なのですが、博士の1年のときシアトルの Microsoft Research で日本人の学生のインターンシップの募集があったので、3ヶ月行ってきました。上司は日本人です。これは研究室に先に話が来ていたので、電話面接はありましたが、基本的にコネですね。

そして今年は博士の最後の年ですが、シリコンバレーの Apple でインターンシップしています。そろそろ3ヶ月です。同じく上司は日本人です。こちらは研究室経由ではなく、別の知人を介して紹介してもらったものですが、電話面接はあったものの、やはりコネだと思います。

日本ではこれ以外にもインターンシップに行きましたが、コネ以外でインターンシップに行ったことないので(その代わり選抜はかなり緩い)なんとも言えませんが、海外でもコネがあれば行きやすいんじゃないかなぁ、とは思います。

でも今年のアメリカでのサマーインターンシップはけっこう厳しくて、自分も何個か打診してようやく見つかったので応募した、という感じです。来年はもっと雪解けになっていてくれるといいんですけどね……

ではでは!
情報シェアありがとうございます (Lilac)
2009-09-02 06:27:32
>mamoruk様

コメント有り難うございます。
昨日IP数が増えて760まで達していて、何がおこってるかと思えば、千賀さんのブログからリンクが貼られたのですね。

この記事も未だ続きがあるのですが、私事で忙しくなり、途中で止まってました。
折角の機会ですので続き頑張って書きます。

おっしゃるようにこの国ではコネは日本で思っていた以上に大事ですね。
千賀さんがブログで言ってたように、彼らから見れば「言葉もろくにしゃべれない人」なわけですから、雇うそれなりの理由が必要なわけで。
そして、今年の就職環境は厳しい。
でも、日本もですが、米国も今朝の発表では、指数では企業の資本投資や、不動産の売り上げ指数が上がってきているようです。
少しずつ、景気が上向いてきた、と言えるのか。

就職活動、頑張ってくださいませ!

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