「なんで、まだピアノを続けるの?」
私はよく自分にそう問いかける。
「やってもやっても、こんなに下手なのに、まだやるの?」
コンサートの後にはこんな風に、自分に聞く。
5年前に、本気で人前で演奏するのをやめようと思った。
次のコンサートの予定を入れずに、決まっていたものだけをこなして、あとはお終い。
ピアノのレッスンだけをして、たまに好きな曲を自分の楽しみとして弾く毎日。
何日も、何週間も練習しなくても、平気!
だって、コンサートないもん。
旅行だって行き放題!
それまでたいした趣味もなかったから、興味をそそることに挑戦したりして・・・
楽しそうなこと、いっぱいやってみた。
でもね・・・
なんだかつまんなかった。。
半年とか、それくらい・・・ぶらぶらと遊んでたら、海外で演奏する話がきた。
フルートとチェロとのトリオ
オペラ歌手の伴奏
へ~。。。おもしろそう♪
ソロじゃないし~
ちょっとおもしろそうなので、やってみることにした。
譜読みしていると、時間を忘れて夢中で弾いていた。
それまでのグレーな毎日が、突然カラフルな時間に変わった!
楽しい!
それまでだって、弾きたいときに弾きたい曲を弾いてたのに…
音楽に真剣に向き合うっていうことは、こんなにも楽しくて、心躍ることだったの?!
海外で合わせものをするのも新鮮で、おもしろかった。
初めて会う・・・英語が話せない相手・・・
もちろん?!私は現地語が話せない。。。
それでも、音楽ってすばらしいもので、言葉じゃなく伝え、分かり合うことができる。
1日目の合わせは、相手がどんな音を出すのか?どんな風に歌わせるのか?どんな癖があるのか?探り探り…やりたい音楽の方向を認識していく感じ。
2日目の合わせは、1日目のことを確認しつつ自分を出していく感じ。
これで、バッチリOK!のこともあるけれど、私の主張が相手の好みでなかったりすることもあるので、時間が許せば3回目、もう一度、すり合わせ、方向性を確認して、音楽を共有する。
たったこれだけの合わせなので、慣れ合いにはなりっこない。
どの瞬間も、相手が何をやってくるのか?スリリングで、私がどう反応し、また、仕掛けるか?自分の中から出てくるものも、おもしろい。
海外では、どうってことのない日常のことも、手間取ったり、煩わしいこともあったりする。
でも、演奏は最高に楽しい!
やっぱり本番は、やめられない。。
ピアノ・・・難しかったり、練習にも時間とられるし、大変だけど
やめられないんだよ。。
これが、いつもの答え