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二回目の旅立ち

2007-08-27 14:51:40 | FFCC小説
「いくら私がスリル好きでも、こんなスリルは求めていないよ?」
 必死で走り、農家の家の扉を開けたプリアは、この言葉で出迎えられた。
 プリアに声をかけたエマリは、静かに優しく笑っていた。


「ったく、どれもこれもイーリアスが・・」
「ごめんごめん。だから許してください」
 肩を落としたイーリアスに愚痴っているリリスは、そのままミルクをぐいっと飲む。美しい一気のみに、隣で飲んでいるギ・ルタも負けじと飲み干す。
「けんかとかしなかったよね?」
 エマリの質問に、四人は同時に視線をずらす。その様子にしばらく絶句した後、ため息をついた。
「まあいいや。全員の表情みていたら答えはわかっちゃったし。二年目は、そうならないように気をつけよう?」
「そういやおまえ、農家なんだろ?」
 ふと思い出したように訪ねるギ・ルタ。エマリはしっかりとうなずく。
「そうだけど・・。どうしたの。いきなり」
「今回は何を品種改良したんだ? おまえの父ちゃん、なんかそういう系にも力を入れてたじゃねえか」
「今回は水玉リンゴができたよ」
「水玉・・?」
 しましまリンゴではなく水玉リンゴ。ふと浮かんだ想像に、軽く幻滅する。
「効果はいつもの甘み。ただし酸味は水玉のところに入ってるんだって。ほら」
 どこから出したのか、エマリの手のひらには、黄色のしましまが水玉になっていた。あながちきれいともいえないが、しましまリンゴを見続けていた身としては、なんか妙な感じが否めない。
「まあ、一応ティパの新たな名産品になるかもって、ル・ジェさんの家に引き取ってもらったみたい」
「ルジェの?」
「今年から家業に力を入れ始めたんだって。偉いよね」
「いや、まだ家業始めてないやつもやばいんじゃ・・」
 ぼそぼそとつぶやくギ・ルタ。その様子みて、
「さーて、ル・ジェにでもあってこようかなー。そしてギルタがか弱き私にしでかしたすべてを、ばらしてやるぅ~」
「!」
 ギ・ルタの目の色が変わった。
「わっ。やめろそれだけは! 女王のあいつにばれたら俺は」
「ちょっ。冗談に決まってるでしょ!! 本気にすんじゃないわよ」
「あはは・・」
 プリアが苦笑気味に、リリスとギ・ルタの会話を見つめる。イーリアスは、リリスの愚痴からやっと解放されたらしく、今度こそ一息ついていた。
 さっきしずくを捧げたクリスタルは、静かな光の粒を放っている。風に揺られるように、クリスタルを中心に回り続けていた。


「じゃあ、いってらっしゃい。これ、アリオンさんからのおみやげ」
 といって手渡されたのは、例の品種改良された水玉リンゴと、ふつうのしましまリンゴだった。
「あ、ありがと。こんなにいらないんだけど・・」
 半端じゃない量に、どちらかというと旅の荷物よりリンゴの入った袋の方が重い。
「なんか、ル・ジェさんとこの商人が、売れないから半分分けるって、返してきたんだって」
「なんなのよぉ」
 薄手の袋なので、持ち上げると破れそうな雰囲気だから引きずっていく。馬車までは、エマリも手伝ってくれる。
「遅かったわね。はい、荷物ちょうだ・・重っ。なによこれ、何入ってんの!」
「・・」
 すっと目をそらしたプリアを尻目に、リリスは袋あけて悲鳴を上げた。リリスはリルティの典型通り、果物が嫌いなのだ。おまけにしましまリンゴが。たとえそれが水玉になっても、変わることはあるまい。
「今日からリンゴづくし。カレーでしか食べられないよう・・」
「ごごごごめん」
 くすくすと笑うエマリ。何の騒ぎだと出てきたギ・ルタは、リリスの泣き顔をみて笑ったが、ル・ジェに言うぞという脅しにはかなわないらしい。そのままリリスに平謝りしていた。
 旅荷物は手伝ってくれる雰囲気がなかったが、やはりイーリアスとエマリに手伝ってもらった。
「いってらっしゃい」
 一年前より早く旅立つ計画を立てていたため、荷物を積み終えた後に村人がやってきた。
 ギ・ルタはその中の幼なじみを見つけて、縮こまる。手を一段と振り、周りに当たることも気にしていない、セルキー体型の少女がいた。
「ギルター!」
「点つけろ。点をっ」
「がんばるのよぉー」
「・・・」
 初めて言われた言葉に、ギ・ルタは呆然とする。がたりと馬車が動き出すまで、ギ・ルタは呆然とし、プリアたちは手を振り続けていた。
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