幼い頃の事
父は本当に真面目な人間で、天職だと思える銀行員だった
夏の暑い日も必ず、糊の効いた長袖のカッターシャツに、きちんとネクタイを締めて、背広を着て出勤していた
冬の寒い時期は、帽子をかぶり、厚地の丈の長いウールのコート着て出勤していた
多分その頃の父は、30歳前後だったように思う
髭の濃いい人で、夜酔っ払って帰宅すると頬ずりをしてくれていた
が、チクチク痛いので、私は嫌で仕方なかった
そんな遠い昔の情景を、ふっと思い出した
若かった父は、がっしりした体格の人だった
もうすでに亡くなっているが闘病生活をしながらの弱った姿は、目に焼き付いていて忘れられない
母も亡くなり寂しくなった
両親には感謝しかない





