安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅~

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0212安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅Vol.6~つづき2

2013-05-17 11:49:32 | 日記
0212安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅Vol.6~つづき2




166.ディエゴ・ディ・アルマグロ グラン・レゼルヴァ・デ・ファミリア2001
DIEGO DE ALMAGRO Gran Reserva de Familia



・生産者:?
・生産国:スペイン 
・輸入者:株式会社スマイル
・Alc度数:13%
・格付け:DO
・価格:2500円

アルマグロシリーズの最高級品。
数量限定品。
6cmのロングコルクを引き抜くと、もうあの、メドック格付けクラスの「カシスやしっとりした完熟チェリーの香り」がした。

澄んではいるが、艶のない、しっとり感のある赤黒色。
赤黒いのだが、光を通す。
なのに、黒が強い。
熟成が進んでいるな。

ハッキリと主張しないが、しっとりした強い香り。
バナナ、プルーン、レッドカラント。
ヴァニラ。
奥の方に、腐葉土、マッシュルーム、なめし革。
そして、あれだ、あの、そう、「甘く煮た椎茸」。

味わい。
穏やかなアタック。
主張しない。
やや酸味が強かったので、20分待つ。
すると。
おお、厚みのあるボディ。
ヴァニラアイスのような味わい。
渋みはほとんどない。
アルコールも感じない。
甘いが主張せず、余韻がすごく長い。
「ハーゲンダッツに紹興酒をかけて食べた後」のような感じだ。

樽熟2年、瓶熟3年を経て出荷されるアルマグロシリーズ。
それは、一般的なスペインワインとは一線を画している。
すなわち、「情熱」「インパクト」が、外に向かわないで内に向かうというものだ。
奥行、複雑さ、内包世界が、もの凄く濃密で広い。
それがアルマグロだ。

ディエゴ・ディ・アルマグロ グラン・レゼルヴァ2001(1500円)と、今回のディエゴ・ディ・アルマグロ グラン・レゼルヴァ・デ・ファミリア2001(2500円)の違いは何か?
それは、ナパ・セラーズカベルネ(1480円)とナパ・セラーズ・ステージコーチヴィンヤードカベルネ(3980円)と同じだった。
「時は、味方か敵か」ということだ。

「時は敵」とは。
初めのインパクトと主張は素晴らしいが、時と共に、急速に失われて行く。
まるで、時が力を吸い取っていくかのように。

「時は味方」とは。
第一印象は穏やかで地味。
なれど、時と共に魅力の発揮量が増えて行くのだ。
まるで、時が背中を押してくれているかのようだ。

アルマグロ グラン・レゼルヴァ・デ・ファミリア2001。
このワインは、時を味方にした側のワインである。
グラスに注いで0~30分時の味わいよりも。
30分経過後の味の方が良くなるのだ。

ここに、人生の一つの真理を見た。
「インパクト絶大のものは、短命。一代で終わる」
「静かで穏やかなるものは、長命。何代にも続く」

どちらが優れているというわけでもない。
どちらも、地球歴史の必然の結果であり、歴史の流れには必要な要素なのだからだ。
言わば「赤筋肉(持久力型)」と「白筋肉(瞬発力型)」だ。
ワインも人も、時代も王朝も、一人の人の精神の中にも、赤筋肉と白筋肉が存在するのだ。

http://www.budouya.jp/products/detail.php?product_id=1147



167.アンリ・ラ・ブラン クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット NV



・生産者:?
・生産国:フランス ブルゴーニュ地方 
・輸入者:株式会社CGCジャパン
・Alc度数:12%
・格付け:AOCクレマン・ド・ブルゴーニュ
・価格:900~1380円

スパークリングワインの開け方(右利きの方版)。
①キャップシールをはがす。
②左手の親指でコルクの頭を押さえて、金具のねじりを「のの字の反対(反時計回り)」に回して緩める。
③金具を取り外す。
④右手でコルクをしっかりと覆い、左手で「ボトルを回転させる」。
⑤コルクが盛り上がってくる。
⑥コルクが抜ける瞬間は、ボトルをやや斜めに傾けて、コルクもやや斜めにしてゆっくりと抜く。
(垂直に勢いよく抜くと、コルクが吹っ飛び、中身も吹きこぼれるハメになる)
⑦抜けたコルクが「マッシュルーム」や「チェスのポーン」によく似ているので、「はい、マッシュルーム」とか、「チェックメイト!」とか、「これで鼻に栓しときなよ、花粉症対策。」といって渡す。
⑧右手でボトルのラベルの位置あたりを持ち、水平にして注ぐ(泡立たせるように注ぐ)。


ブルゴーニュ産の発泡ワイン。
「クレマン」とは、3~4気圧のこと。
「クリームのような」の意味。
(ちなみにシャンパーニュは5~6気圧)
品種は、ピノノワール、シャルドネ、ガメイ、アリゴデ。
造り方はシャンパーニュと同じ、瓶内二次発酵方式。
NVとは、ノンヴィンテージ(無年号=収穫年の記載なし)のこと。

発泡ワインはとかく「シャンパン=シャンパーニュ」が突出して有名。
だが、発泡ワインは、実はフランスのほとんど全域で造られている。
ボルドー、ブルゴーニュ、アルザス、ロワール、ローヌ、ラングドック、プロヴァンス、ジュラ、サヴォワなどだ。
AOC(法律による取り決め)も、様々にある。
AOCクレマン・ド・ロワール
AOCソーミュール・ムスー
AOCヴーヴレー・ムスー
AOCクレマン・ド・ブルゴーニュ
AOCクレマン・ド・リムー
AOCクレマン・ダルザス
AOCコート・ジュラ・ムスー
などなど。
品種はブレンドが多く、辛口から甘口までいろいろある。
白、ロゼ、赤と、色も多様。

「クレマン・ムスー(3~4気圧の発泡ワイン)ワールド」は実に多種多様なのだ。
言うなれば。
「「ムスー(発泡ワイン)」の世界は「無数」にあって」。
「AOCを知り始めたら、「AOC」(ああもういいや、多過ぎるよ、こんちくしょう)」なのである。
(笑)

さて、アンリ・ラ・ブラン。
ブルゴーニュの発泡ワイン大手である「ウーヴ・アンバル社」製とあったが、ボトルやラベルやコルクに社名の表記が見当たらなかった。
それで不可思議に思いつつも開栓してフルートグラスに注ぐ。

元気がよいが柔らかく弾ける、泡立ち。
穏やかな香り。
澄んだ白金色。

味わいは、非常にきめ細かくて、穏やかでうっすら。
スミレ、ハーブ、トマト、サニーレタスのニュアンス。
程よくシャープネス。
キリッとしている。
余韻は長くない、5~10秒。
後味に若干の栗、麦、ドングリ、ヒマワリの種を感じる。
最後の余韻にイチゴを感じる。

何と複雑なんだろう。
さすがは、ピノ他4種のブレンドだけはある。
山形高畠ワイン「穣」の複雑さに比べると、シンプルでのっぺりとした感じだ。
が、このきめの細かさ、これが本当に素晴らしい。
泡立ちや味わいや余韻よりも、この、きめ細かさが本当に素晴らしいのだ。
さすがは「瓶内二次発酵方式」だ。

http://ameblo.jp/obachiron/entry-11472892182.html?frm_src=thumb_module



168.キュベ・デ・ガレ2011



・生産者:エステザルク協同組合
・生産国:フランス コート・デュ・ローヌ地方 
・輸入者:株式会社稲葉
・Alc度数:14.5%
・格付け:ヴァン・ド・ペイ
・価格:900~1180円


自然を愛してやまないエステザルクが手がける「史上最強のヴァン・ド・ペイ」。

サンタ・デュックの「エリタージュ」が「史上最強のテーブルワイン」ならば。
こちらのキュベ・デ・ガレは、「史上最強のヴァン・ド・ペイ」だ。
品種はグルナッシュ、カリニャン、シラー。
エステザルク協同組合が手がける、こだわりの逸品。

・農薬や除草剤を一切使わない「自然栽培」。
・発酵に使われている酵母は「自然酵母」のみ。
・収穫果実の良品のみ(全体の約25%)を使用。
・毎年売り切れっぱなしで入手困難。
・そして「リーファーコンテナ(低温コンテナ)」輸入。
・極めつけは、「エステザルク協同組合のメンバーは、10人しかいない」、という超少数精鋭。
・とどめはこの、「幼子が描いたようなラベル」(笑)

紫色を帯びた、深い赤色。
ジャンプ(グラスをつたう液足)はたっぷりで強い。
香りは、しっとしとしてフルーティー。
イチゴ、トマト、ブラックチェリー、蜂蜜。

なめらかなアタック。
しっとりした感じ。
非常に濃厚な甘み。
厚みのあるボディ。
2011年にしては、驚くほど落ち着いていて、バランスが取れている。

バニラアイスの味がする。
その点は、カリフォルニアの「ステファン・ヴィンセント クリムゾン」や山形高畠ワイン「高畠ジャパネスク ベリーズブレンド」とよく似ている。
が、はっきりした酸味がある。
その点で言えば。
タルタルソース。
マヨネーズ。
のようだ。
が、酸味は若々しいが、全体のバランスは落ち着いている、不思議な味わいだ。

「元気いっぱいの幼子」のようだが自制心があり、「目を離せない危うさ」は全然ない。
「こなれた熟年層」のようだが、「保湿力とカラフラビリティ(派手な色を着こなす力)」は満ち満ちている。
ヴィンテージが2011年ということから、自制心ある子供の方を特筆すべきか。

突出する主張はない。
誘惑する妖艶さもない。
だが、引っかかりが全然ない。
自然体。
それでいて、美味しい。
甘い。
甘ーい。
大満足だ。

芸術性はない。
権謀術数性ともかけ離れている。
知ったかぶって(to pretend to know)もいない。
どこまでもナチュラリィ。
甘く、優しく、穏やかで、淑やか(elegant)。

人は、生きながらえて年を重ねれば、大人になる。
そして、後輩が出てくれば、先輩・上司となる。
子供を設ければ、親となる。
つまり、「大人になる」ことと「先輩・上司になる」ことは自然だが。
「親になる」ことは意図的なのだ。

だが。
意図的に子供を設けて親になったはずなのに。
生まれ出でたその子供が、最も「自然」を具有している。
という、世界の不思議さ。
そんな世界の面白さを教えてくれるワインだ。

そして、自分の中の「子供」が再活性化される。
未来に向けてワクワクドキドキしてくる。
とともに、ノスタルジィに浸りたくなる。
例えば、今持っているCDを全部PCのHDDに取り込みつつ聴きたくなるような。
古いCDほど良い。

このワイン、気に入った!
もう一本買おう。
あ、そうか、こんな気持ちになれるから。
毎年毎度、売り切れ続出で入手困難という結果になるのだろう。
時の果てるまで、ずっと飲んでいたい。

本当に、素晴らしいワインだ。
値段以上の美味さ。
このワインは「大当たり!」だ。

http://item.rakuten.co.jp/sake-aoihonten/inb-212915/


169.ジュヴレ・シャンベルタン2009 V.V. ドメーヌ・フーリエ
GEVREY CHAMBERTIN V.V./DOMAINE FOURRIER



・生産者:ドメーヌ・フーリエ
・生産国:フランス ブルゴーニュ地方コート・ド・ニュイ地区ジュヴレ・シャンベルタン村 
・輸入者:豊通食料株式会社
・Alc度数:13%
・格付け:AOCジュヴレ・シャンベルタン
・価格:7000円以上。


「安くて美味しいワイン特集」の定義(1000円~3000円)から外れてしまうが。
「たまには、ふんぱつして良いワインを飲もう!」ということで紹介する。

造り手は、フーリエ。
出荷本数が少ないのに評価が非常に高く、その結果入手困難な逸品である。
そのため、AOCジュヴレ・シャンベルタンの相場5000円台を超える価格がついている。
キャップシールがロウなのが特徴。

V.V.とは、「ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vieille Vignes )」の略。
意味は、「樹齢の高いぶどうの樹」という意味だ。
一般的には、樹齢30~40年以上がヴィエイユ・ヴィーニュとされている。

淡い色合い。
透き通るルビー色。
滑らかな液感。

爽やかで、シンプルな香り。
イチゴの香りだ。

なめらかなアタック。
酸味や渋みは少なめで、全体的に優しい甘みに包まれている。
イチゴの味わい。
ボディはさほど厚くない。

だが、飲み込んでからがすごいのだ。
余韻が、長い、長い、長ーーい!!
おお、おおお…おおお…。
60秒間ずっと「お」しか言わなくなるほどだ。

鼠先輩の歌「六本木(ギロッポン)」では1か月分の「ポ」を消費するが、このワインは1か月分の「お」を消費する(笑)。
とにかく、余韻が長い。
長いなんてもんじゃない。
余韻こそが、このワインの本体だ、と言えるほどだ。

ボディというのは、ワインの味が持つコクや膨らみのことだ。
その定義から言えば、このワインはミディアムボディ。
味わいは穏やかで優しい感じだからだ。
が、しかし、余韻の膨らみが、味の膨らみをはるかに上回っているのだ。
幻想ボディ、とでも言おうか。
この、余韻の膨らみをボディに入れるならば、「スーパーボディ(フルボディ以上)」である。

ブルゴーニュワインは、気難しくて難解なものが多い。
その中にあって、このフーリエのワインは、とても分かり易くて、しかも非常に内包世界が大きい。
本当に素晴らしいワインだ。

このワインを一言で言うならば。
「彗星」。
本体の体積よりも、尾(余韻)の体積が大きいのだ。

http://www.enoteca.co.jp/online-shop2/list.php?special=FD



170.シャトー・ルデンヌ2006
CHATEAU LOUDENNE



・生産者:シャトー・ルデンヌ
・生産国:フランス ボルドー地方メドック地区 
・輸入者:アサヒビール株式会社
・Alc度数:12.5%
・格付け:AOCメドック クリュ・ブルジョワ
・価格:1500円(ハーフボトル)。

中庸な色合い。
濃いでもなく、透けるほど薄くもない。
グラスに注いだとたんに、ほんのりと甘い香りがしてきた。
きめの細かい液感。

穏やかな香り。
チェリー、青リンゴ、プラム。
メドックらしい、たくましい良い香りだ。

タンニンはやや主張する。
が、ふくよかな甘さも持っていて、バランスが良い。
内包世界は広大ではないが、矮小でもない。
ハンサムなワインだ。

フレンチディナーに持ち込むには物足りない。
が、家で夕食と合わせて気軽に飲むには、お釣りが来るぐらい美味しい。

ボトルが通常のハーフボトルよりも長いのが特徴。
なるほど、中身も、長身のよう。
長身の、端正なルックスのサラリーマン男性29歳、といったところだ。

http://blogs.yahoo.co.jp/kokotito_honomiya/7549860.html



171.プリウール・ド・メイネイ2003
PRIEUR DE MEYNEY



・生産者:シャトー・メイネイ
・生産国:フランス ボルドー地方メドック地区サン・テステフ村 
・輸入者:サッポロビール株式会社
・Alc度数:12.5%
・格付け:AOCサン・テステフ
・価格:2100円(ハーフボトル)。

あの、2級のコス・デストゥルネルとモンローズの双璧が君臨する、サン・テステフ村。
その村に、シャトー・メイネイがある。
クラスはブルジョワ級(5級の下)であるが、フルボトルが5000円以上もする、非常に評価の高いワインだ。
シャトー・メイネイはグランクリュに匹敵する(1~5級にランクインする)と言われている、言わば「スーパーブルジョワ級」である。
このワイン、プリウール・ド・メイネイは初めて見る。
が、CORDIER社のラベルと値段からしておそらくは、シャトー・メイネイのセカンドだろう。

CORDIER社(コーディア社)というのは、ボルドー地方最大級のワイン商(ネゴシアン)のこと。
ネゴシアンとは、日本で言えば卸業者、生産者と小売店の仲介役だ。

グラスに注いでから20分経過させて飲む。
澄んだ、濃い目の色合い。
深みのあるルビーレッド。
エッジに、ごくわずかにブラウンがある。
アルコール分が控えめ(12.5%)なのに、ジャンプ(グラスを伝う液脚)は非常に多くて強い。

香り。
しっとりとしていている。
力強い。
チェリーと言うよりも、トリュフ、腐葉土。
熟成感がある、老化した感じは無い。

味わい。
厚みのあるボディ。
程よく甘く、オイリーな口当たり。
タニック(タンニンが多め)だが、尖ってはいない。
うまくまとまっている。
非常にタンニンが強い割に、主張が無造作全方向ではなく、整っているのだ。
余韻は10秒ほど。
余韻にわずかにオレンジ、ネーブル、グレープフルーツなどの黄色果実のニュアンスがある。

何となく、シャトー・モンローズに似ている。
若干、オリがある。
が、2003(つまりは10年物)にしては、少ない方だ。
10年という時の経過を、ほとんど感じさせない。

広がらないが、真っ直ぐに強く立ち上る印象。
真っ直ぐなのだが、複雑雑多な要素を上手に構造させ、絢爛な様相を露している。
一言で言えば、「オレンジ色のバラの花」。
淡いオレンジ色のバラだ。

実にお見事。
このワイン、とても気に入った。
これで、ハーフボトル2100円なら、十分お買い得だ。
あと10年ぐらい寝かせてもいいかも知れない。

http://item.rakuten.co.jp/hamonika/10003192/



172.ジネステ・ボルドー・ルージュ2008
GINESTET BORDEAUX



・生産者:メゾン・ジネステ
・生産国:フランス ボルドー地方 
・輸入者:アサヒビール株式会社
・Alc度数:13%
・格付け:AOCボルドー
・価格:525円(ハーフボトル)。

安い。
ハーフボトルで525円。
てことは、フルボトルでも1000円しないだろう。

澄んだ、中庸な色合い。
若干紫色を帯びているか。

香りはあまり主張しないが、柔らかい。
穏やかな果実香。
メルロ、カベソー、カベフラのブレンドだけあって、なかなか複雑な香りを持っている。

味わい。
滑らかでおだやかなタンニン。
渋くない。
ほんのり甘い。
果実の味わい。

これって、「フランスNo.1テーブルワイン」の「カステル・ヴューパープ」によく似た味だ。
開けてすぐよりも、1時間後や2日目の方が美味しい。

http://handj101107.web.fc2.com/GINESTETBORDEAUX.html



173.ムエックス・ポムロール2004




・生産者:ジャン・ピエール・ムエックス
・生産国:フランス ボルドー地方ポムロール地区 
・輸入者:日本リカー株式会社
・Alc度数:13%
・格付け:AOCポムロール
・価格:1680円(ハーフボトル)。

あの「シャトー・ペトリュス」の所有者、ジャン・ピエール・ムエックスが手掛けた廉価版ワイン。
品種は主にメルロ。

透き通る、輝きのあるオレンジ色からガーネット色。
かなり熟成が進んでいる感じだ。
ジャンプは穏やか。
こういうワインは、デキャンタージュするか、グラスに注いで30分以上経過させるかしないと、本来の味わいを発揮しないものだ。
と思い、グラスに注いで30分経過させる。
タイマーで計る。

豊かな香り。
複雑だ。
まず、チーズ、食パン、トースト。
次いで、森林、腐葉土、枯れ葉、牛豚レバーのパテ、トリュフ、フォアグラ。
とともに、養命酒、赤スグリ、ジャム、カシス、完熟バナナ、完熟リンゴの香りを感じる。
「森の最奥で見つけた完熟果実」という感じだ。

非常になめらかなアタック。
濃厚な甘みがあるが、熟成していて主張は穏やか。
ボディそのものは薄い。
だが、香りと余韻はふくよかで、広がり続ける。

力強いか、というと、そこまでは、と言える。
だが、成分が凝縮しており、内包する味わいが非常に深い。
おお、余韻が非常に長い。
長いなんてもんじゃない、60秒も続く。

引っかかりが全くない。
カベルネほどインパクトは無いが、ものすごく奥深くてふくよかだ。
さすがはポムロールの第一人者、J.P.ムエックスだ。
ポムロールには正式な格付けがないが、このワインは格付けもの、少なくともブルジョワ級以上に値するだろう。

このワインも「大当たり!」だ。
完売する前に、もう1本買っておこう。

http://robert10.blog108.fc2.com/blog-entry-356.html



174.シャトー・モンデジール2009
CHATEAU MONDESIR



・生産者:マルク・パスケ
・生産国:フランス ボルドー地方コート・ド・ブライ地区 
・輸入者:株式会社稲葉
・Alc度数:13.5%
・格付け:AOCコート・ド・ボルドー
・価格:1680円

オーガニック栽培。
メルロ、マルベック、カベソーのブレンド。
メルロが主体で、カベソーが脇役に回っている
お宝ワイン(値段の割に超美味いの意)ゾクゾクの右岸、コート・ド・ブライのワインだ。

澄んだ中庸な色合い。
エッジにガーネット色を持つ。
メルロ比率が高いのだと容易に推測できる。

豊かで複雑な香り。
杏。
ハーブ。
ゼラニウム。
紅茶。
バニラ。
くるみ。
コーヒー。
なめし革。
樽香。
燻香。
ビール。
小豆。
食パンの耳。
トースト。
酵母。
玉ねぎ。
ヨード。
カラメル。
金山時みそ。
もろみみそ。
黒糖かりんとう。

なめらかなアタック。
やや水っぽく、中庸な味わい。
ミディアムなボディ。
若々しい感じはないが、こなれた熟成感までは行かない。
しっとりしているが、張りがある。

余韻はそう長くない。
10秒前後。

が、グラスに注いで20分もすると、本領が出てきた。
おお、サンテミリオンのような香り。
カシスやバナナを思わせる、甘い香りだ。
味わいも良くなった。

中心にぎゅっと詰まった感じではない。
ふわりと広がっていく味わいなのだ。
甘い。
タンニンはあるが、落ち着いている。
美味い。
余韻も長い。

しかも、オリがある。
2009年産で、1680円のワインで、格付け外で、オリがあるなんて、正直初めてだ。
このワインは、すごい。


これは美味いぞ!
先週飲んだムエックス・ポムロール2004に似たものがある。
このワインが左岸だったら、間違いなくブルジョワ級以上に格付けされていただろう。
シャトー・モンペラの味に似ている。
つまりはオーパス・ワンに似ているのだ。
カシスの甘い香りと味わいなのだ。

このワインを一言で言えば。
「29歳のすっぴん美女」だ。

29歳つまりギリギリ「熟」に達しない、スポーティーな体格の黒髪の女性。
ナチュラルメイクで、「雑誌から飛び出したような」着こなしではなく、カジュアルなファッション。
それでいて、グッと魅かれるものがある。
映画「プラダを着た悪魔」に出てきたアン・ハサウェイのようだ。

2日目も、ぜんぜんへこたれておらず、しっとりとした甘い味わいを持っていた。
いやー、右岸(ブライ)のワインはホント、掘り出し物が多い。
味の割に価格が安い。

「安くて美味しいワイン」探求の旅に、「ボルドー右岸」は外せない。
このワインも「大当たり」だった。
自分の独特の感覚で、買うワインを選んでいるからこそ。
買ったワインが大当たりだった時は、いつも思うのだ。
「ありがたい」と。

素晴らしいワインに、ありがとう。
そして、厳しい条件を乗り越えて、美味しいワイン造りを続けている生産者の方々へ。
ありがとう、と言いたい。

ワインワールドの旅。
それは、身に余るほどの感動に出会える旅だ。
そして、身に余るほどの感動はやがて、「感謝」へと結晶化する。
そう、ワインワールドの旅人が遺していけるものは畢竟、「感謝」なのだ。

さあ、まだまだ旅を、続けよう。

http://item.rakuten.co.jp/vin2/mondeziru/



0212安くて美味しいワイン特集~ワインワールドの旅Vol.6~(完)


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