いろはにほへと

ちりぬるを

あなたに伝えなければならない 遠い 私達のこと

2020-02-18 02:31:34 | 日記

旅日記31

 

梅林

 

整然と植えられた

梅の樹に小雪が舞うと

膨らんだ蕾たちは 一斉に

目覚める

 

枝を触れ合わせ

震えながら 白い

花を咲かせて

散っていく

 

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あなたに伝えなければならない 遠い 私達のこと

2020-02-17 03:52:32 | 日記

旅日記30

 

一枚の絵画

 

待っていた言葉に

出会う

 

としたら 既に

終わっている

ということに

ならないか

 

それとも

描き終えていない

ということか

 

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あなたに伝えなければならない 遠い 私達のこと

2020-02-16 03:19:15 | 日記

旅日記29

 

 

 

一箇所

 

抜けられない

 

道がある

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あなたに伝えなければならない 遠い 私達のこと

2020-02-14 05:58:47 | 日記

旅日記28

 

シュールな

草木を想う   夢も

翳りぬ

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あなたに伝えなければならない 遠い 私達のこと

2020-02-12 04:35:27 | 日記

 旅日記27

 

  柿の実

 

  柿の実をどう説明すればいいのかわからないから、ある話のことを話すことにしました。

 

  ある夜更け、家の軒先を眺めていたとき、転げ落ちていく円いものを見たのです。

  窓から手を差し伸べて、それを取ろうしたとき、重心が前に掛かって一緒に落ちたのです。

 

  気がつくと、広場には色々な時代の人達が集まり、何やら騒々しいことになっていました。

「柿の実を落としたのはお前だろう?」と、その中の一人が詰め寄ってきたのを覚えています。

「違います」と、言いたいのですが、言葉が出てきません。

「そうか、黙っているということは、やはり、お前の仕業だ」と、決めつけてしまいました。

   長い沈黙の末に、退屈な人たちの中から、「それ、ボールにして野球をやろうじゃないか、ちょうどの大きさだし、色もいい」と、言いながら柿の実を手にして小高いところへ歩きました。

 

 広場の雰囲気は、一気に、野球場一色です。色々な時代の人達の顔はもう野球の色でした。

   各ポジションへ散った人達以外の人達は、興奮気味に観戦の陣取りを済ませて、「投げろ、打て」と、騒ぎが膨れ上がっていきました。

 

 マウンドで、投げたい柿の実を握り締めた男は、もう待てない、というような顔でキャッチャーに向かって視線をもう投げています。

「プレイボール」

 その声が広場に響き渡ると、待ちかねたピッチャー気取りの男が柿の実を握り締め、ホームベースに向かって思い切り投げました。

 

「ガシン」、という音と「ギャ」、という音が悲鳴になって、柿の実は皆の上を飛んでいったのです。

    静まり返った広場に深い沈黙が張り詰め、何かが皆の中から消えてしまいました。

「探さなきゃいかん、探さなきゃ夜が明けん」薄明りの中で、誰からともなくそんな声が漏れはじめました。

 

 柿の実探しが始まったのはそんな事があってからです。

 随分と長い時間が流れたか、否か、もう誰もわかりません。

 

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