いろはにほへと

ちりぬるを

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2019-06-09 11:46:47 | 日記

 

アナタニ ツタエナケレバナラナイ

ワタシタチノ コトバ

 

風景 3

 

広場の石に腰を下ろして見上げると、山の峰が空の奥に聳えている。

事あるごとに見てきた石高山がこれほど直立している姿を目にすることはなかった。

多分、それだけ山の裾野に近づいているのだろう、そう思った。

 

霊峰へ深く入ればその姿を見ることもない。

そして、この山道を抜けなければ延命寺へ辿り着くことも、

正吾さんの手紙を受け取ることも、源夢さんに会うこともないだろう、

そう思って、ミサロは腰を上げ、ネムノキの間の小道をゆっくり上り始めた。

 

やがて川のせせらぎは徐々に遠ざかり、流れが視界から消えた。

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