岩達 讓
今年も三島緑の会第15次隊のメンバーとして恩格貝に行ってきました。
ここ数年は参加者が少なく、他の隊と合同で植林していますが、今回も沙漠
協会第223次隊や鳥取隊の学生さん達、大連の日本語学校の先生方と共に緑
化作業を行い、とても有意義でした。旅の出逢いは本当にいいものです。
五里明沙の【三島の森】にもポプラの生育状況を確認に行ってきました。
昨年の第14次隊の時に他隊の皆さんにも手伝っていただき、枝打ちと剪定を
やったので、樹形も良くなり真っ直ぐ天に向かって伸びていました。この事
からも、植林した後の水やりも含め管理が大切なのだと改めて感じました。
樹を植える事は勿論重要ですが、植えれば勝手に育って森が出来る訳ではあ
りません。
恩格貝に植えた500万本近くのポプラは、手入れが間に合わず荒れている
場所もあります。これからは、森を育てる【育林】作業への協力が必要だと思
いました。
滞在3日目に東城憲治さんにお逢いしました。東城さんは中国西安の陝西大
学の特別研究員でNHKプロジェクトXにも出演された方。恩格貝で席麻壕
(しまほ)地区の森の手入れを続けられています。
午後、東城さんにお願いして席麻壕の森を案内してもらいました。席麻壕は
沙湖の西側、25年前に植えたポプラの森で、今年5月に沙漠協会の用務で
訪れた時に子狐を見掛けた場所です。
枝打ちも剪定も適切に続けると、これだけ立派な森になるのかと感嘆しました。恩格貝の森づくりのお手本になります。
席麻壕の森 キノコ発見
恩格貝に訪れた前の週に大雨が降ったそうで、朝晩涼しくなったからか、地
面には苔や茸が生えていました。森に良い土が出来ている証拠です。
不思議なのは、地表に適度な日差しが届いているのに下草がほとんど生えて
いない事、放牧の山羊や羊が来ている形跡もなく、植林して25年経っている
のに、この風景は日本では考えられません。
東城さんの許可を頂き、シャベルを使って土壌の状態を調べさせてもらい
ました。
土壌調査 腐葉土
地表には5センチ程の落葉が覆い、その下に2センチ少しの腐葉土が出来て
いて、湿り気のある腐葉土にポプラの細根が絡みつき、自ら生長に必要な栄養
をとれる環境になっていました。
日本の環境なら2~3年でこれだけの腐葉土になるものが、この地では1年
で1ミリしか土が出来ません。環境破壊はあっという間で、それを復元するに
はとても長い時間が掛かるということが良くわかりました。
勤めを辞めて自由業になり、好き勝手なことやっているのに、気持ちよく送
り出してくれる家族に心から感謝です。また、三島緑の会事務局の皆様には、
毎回緑の協力隊を企画し派遣させて頂き、本当にありがとうございました。