みさと歯科 コラム

宮城県遠田郡美里町 みさと歯科のメンバーが綴るブログです

治療期間について

2010-10-25 | みさと歯科の考え
みさと歯科の久保です


歯の治療の際、多くの患者さんにとって
「なるべく回数を少なく、短期間で」
というご希望があるかと思います


そのご希望にお応えできる処置方法のひとつとして、
コンポジットレジン充填」という処置があります

簡単に言ってしまえば
「虫歯を削って、その部分に白いつめものをつめる」
という内容のものです





以前にお話した「かぶせもの」とは違って型採りも不要なので、
削ったその日にはもう虫歯の穴はふさがってしまいます

しかも金属を使うこともないので、銀歯のように目立ちません

さらに保険もききますので、治療費も比較的安く済みます



こうしてみると、いいことづくめのように聞こえますね
虫歯はすべてこの方法で治してしまえば、
「早く」「きれいに」しかも「安く」すみそうです


ですが、この治療法には制約があります

「比較的軽度の虫歯が適応」ということです


ですから、かなり進行した虫歯が多くある状態では
このレジン充填だけで治療を行うことはほとんど不可能なことが多いのです



「なるべく少ない来院回数で、治療を終わらせてあげたい」
私共としても、当然そういうふうに思っています

しかし、きちんと治すために回数の必要な病状に対しては
お時間をいただいて治療を続けさせてもらうようにしています

無理やり回数を少なく切り上げて、治療を終わらせたとしても
本質的に治っていなければ意味が無いと思っていますので…


ありきたりな言い方になってしまいますが、
治療を簡単に・短期間で終わらせるためには
こまめに定期健診を受けて、病変が早期のうちに
治療を済ませることが最も確実で効果的だと思います



「痛いところがないと、どうも通院がおっくうで…」という方は多いと思います。


ですが歯に痛みが出てから治療を始めると、1回の処置では終わらないケースが大半だと思います。
麻酔がなかなか効きづらいことも多く、治療を先延ばしにした結果
かえって治療内容が辛いものになってしまう場合が非常に多いと思います


「まだ痛くないからいい」という考えはなるべくせずに、
軽度のうちに「サッ」と治療を終わらせてしまうのがいいかと思います


子どもの治療について (2)

2010-10-23 | みさと歯科の考え
みさと歯科の歯科衛生士 大友です


前回に引き続き、お子さんの治療についてのお話です
今回は、具体的な進め方についてご説明を・・・



まず診療室に入ってみると、見たことのない大きな椅子にびっくりすると思います



基本的には1人で座ってもらいますが、
小さなお子さんはお母さんと一緒に座ることもできます

椅子がベッドのように横になり、最初にお口の中を見るときには
歯を見るための小さな鏡(デンタルミラー)を使います。
このとき、虫歯があるかどうかだけでなく、
大きいお口を開いてもらえるかどうかもこちらで確認しています。



虫歯を確認するために歯を乾燥させたり、お口の中を水で洗い流すときに
このような器材も使います。(スリーウェイシリンジ)







鏡や風さんにちょっと慣れてきたら、次は歯磨きをしてみましょう
歯磨きとは言っても普通の歯ブラシとはちょっと違います・・・



こんなふうに、椅子に備え付けてある器械(コントラ)に小さな歯ブラシをつけて使います
(ピカピカになる歯医者さんの歯ブラシ、や、くるくるブラシ・・・などと言ったりしています^^)

低速で回転するのでほとんど痛みは感じません。
やる前にブラシの先を実際に触ってもらってみたり、
磨いているところを手鏡で一緒に見てもらいながら行います。

こうすることで今やっていることに興味をもってもらい恐怖感をやわらげていきます。

なぜわざわざこんな器械を使うのかというと・・・
虫歯の治療で使う、歯を削るための器械(タービン)にちょっと似ているからです。



お口の中で器械を使うことに慣れてもらうために、
まずは比較的安全なものから試していきます



実際歯を削るときはタービンから水を出し洗い流しながら削っていきます。
この時欠かせないのが水を吸うバキュームです。

もちろんお口の中で水をだすことや、その水をバキュームで吸う練習も必要になってきます。
ですが水が出ること、吸う時の音、これが苦手なお子さんも多いようです。
バキュームは「掃除機さんだよ」と言って、いきなり口の中に入れずに
お子さんの手やほっぺたに当てて吸ってみると、興味を持ってくれて嫌がらなくなったりしてくれます





・・・まだこれはほんの一部ですが、常日頃行っている方法をお話させていただきました。



ですが、これをやったからといってみんながみんなできるとは言い切れません

子供達は一人ひとり、それぞれ性格もペースも違っています


どうしても治療に慣れられず、保護者の方のご理解やご協力があれば
抑制法(押さえつける方法)という手立てもありますが、
お子さんのためにもできるだけやらないでいきたいものです



お子さんに合った進め方で行い、歯医者での経験がトラウマにならないようフォローすることも大事にしています。

もちろんきちんとできたときのごほうびもいろいろ用意しています^^
たとえその時はできなかったとしても、「次は頑張ろう」とか
また来てくれることを約束してくれたりするだけでもだいぶ違ってくると思います

治療を円滑に行っていくためにも、子ども、保護者、先生・スタッフの信頼関係がとても大切です
これは子どもの治療に限らず誰のときでもそうですね
このことを常に念頭において仕事をしていきたいと思います



それではだいぶ長くなってしまいましたが;;今回はこの辺で失礼します・・・

子どもの治療について (1)

2010-10-18 | みさと歯科の考え
みさと歯科の歯科衛生士 大友です
 

みさと歯科には大人の患者さんに限らず、
歯医者さん自体がはじめての小さなお子さんもたくさん来院されます


そこで今回はお子さんの歯科治療についてお話していきたいと思います




初めての歯医者さんで緊張しているお子さんが多いと思いますが、
まずは待合室で名前を呼ばれるのを待つ間、少しでも不安や緊張感をやわらげられるように
待合室の一角にキッズコーナーを設けています。

保護者の方と一緒に絵本を読んだり、
おもちゃや子どもハウスで遊んだり・・・
それぞれ診療までの時間を楽しんでいただいています。

数ヶ月前に設けたばかりなのですがお子さんたちにとても好評のようです(^^)





ところが診療が始まる時間になり、名前を呼んで診療室に誘導しようとすると
初めてのお子さんの中にはおびえてしまう子もいます。

はじめて来た歯医者さんで“歯医者=怖い・痛い”というイメージを持ってしまうと、
大きくなってからもなかなか通うことができなくなってしまいます。
ですのではじめはできるだけ診療室の雰囲気や、先生・スタッフに慣れてもらえるように
子どもたちだけでなく、保護者の方々への接し方にも十分配慮しています。



子どもの治療の進め方は、年齢や虫歯の程度、性格によってもそれぞれ違ってきます。
ですが虫歯があったとしても、慣れていないのにいきなり歯を削ったり、
押さえつけたりしての治療は基本的には当院ではしていません

治療に使う器具は子どもにとってはじめて見る物ですし、
それをいきなり口に入れられたらびっくりしてしまいますよね(+_+)

(ただし重度の虫歯や外傷など、緊急を要する場合は例外ですが…)

治療に入る前に、まずは使う器具を見せたり実際に触れさせたりすることで
器具や歯医者さん独特の音に慣れてもらえるよう、少しずつ練習していきます


次回は、具体的な練習の仕方についてお話したいと思います

インプラント治療について (1)

2010-10-09 | 歯科治療
みさと歯科の久保です

今回は、インプラント治療について書いてみようと思います



インプラント治療は、歯が失われた部分の顎骨に土台を埋め込み、
その上にかぶせもの(場合によっては入れ歯)を入れる治療法で、
最近ではすっかり世間一般に浸透しつつあります

インターネットでも 「インプラント 歯科」 などと検索すれば
膨大な量の情報がすぐに飛び込んでくるかと思います

このコラムではインプラント治療の術式や費用など、
他のサイトでもよく見受けられる内容だけではなく、
語られることの少ない内容についても書いていければと思っています




それでは、第1回目の内容です


当院ではインプラント治療に着手する前に、常に考えるようにしていることがあります


インプラント治療が必要になるということは、必ずそこに
「欠損部位」(歯の無い部分)があるということですが
なぜその歯が無くなったのか?ということを探るようにしています

歯が無くなったということは何らかの危険因子があるわけで、
それに対して何の対策もせずに、同じ場所にインプラントを植立しても
良い結果が得られる可能性はあまり高くないでしょう


例を挙げてみます


歯が1本抜けて、その部分にインプラントをいれたいという患者さんが来院されたとします
どのような経緯で抜けたか、患者さんにお話をうかがってみると…

「以前からぐらついて出血しており、たまに腫れたりもしていたが
何もしていなければ痛くもないので、そのまま3年くらい放置していた。
ところが先日、その歯で硬いものを噛んだら歯が抜けてしまった」

口の中を見てみると、全体的に歯石が多く付着している



…という、例えばこのような状況があったとします
この場合、歯が抜けた原因はほぼ間違いなく歯周炎であろうと予測されます

全体的に歯石がついているということは、歯の磨き方も十分にはできていないでしょう。
もしかすると毎日歯磨きをする習慣さえ無いかもしれません。

このまま、ただ歯が抜けた部分にインプラントを植立したとしても
その周りが毎日きれいに歯ブラシで磨かれるとは考えられません


そうすると、どのような結果になるでしょうか?


インプラントも、汚れが蓄積すれば歯と同じように炎症を起こし、
周囲の骨が溶けてきて、最終的にはぐらついて抜けてしまいます。
歯周炎と同じようなもので、インプラント周囲炎と呼ばれます。


これは実はインプラント治療に限った話というわけではなく、
ブリッジや入れ歯といった従来からある治療方法にも同じくいえることなのですが
歯が無くなった原因を突き止め、新しく入れる歯で同じ失敗をしないように反映させる
という考え方が、良い結果を得るためには非常に重要なのです


そのため、患者さんにはご自身の歯にまつわるお話を
覚えていらっしゃる限り、なるべく詳しく教えていただけると助かります


かぶせものができるまで (2)

2010-10-06 | 歯科治療
みさと歯科の久保です


かぶせものができるまでの流れについて、
先月は歯を削る際に配慮していることをお話致しました


今回は、削った歯の型を採って
歯の模型を作る作業についてのお話です


下の写真は、作業の流れを表したものです
(写真中段の歯が、治療対象の歯です)



左から順に
・歯を削って形を整えて、
・歯型を採って、
・型に石膏を注入して模型を作る
          …という流れになります



先月もお話した通り、かぶせものがとれない(脱落しない)で機能するためには
歯がきれいに削られていることが大切です。
しかし、歯がどれだけきれいに削られていたとしても
型採りが不適切であれば、そこから作られる模型も不適切なものとなり
当然、その上でつくられたかぶせものもぴったりとは合いません。

型採り、模型作りのいずれかだけでも失敗すると
せっかく歯をきれいに削ったのが無駄になってしまいます。

かぶせものに限らず、他の多くの歯科治療にも共通して言えることですが
治療ステップの中のひとつで失敗してしまうと、その前後の作業が
無駄になってしまうことが非常に多いのです


中でも型採りの良否はその後の作業に及ぼす影響が
比較的大きいため、注意深く行う必要があります


それでは以下に、当院で注意を払っている主な点を挙げてみます

1.水温管理の徹底
型採りをする材料は、水と粉を練り合わせて使用されます。
このとき使われる水の温度によっては、採られる歯型に好ましくない影響が出る場合があります。
水道水の水温は外気温の変化によりかなり変動します。当院ではこの水温を
毎日計測し、必要があれば水道水ではなく予め準備された水を使用しています。

2.硬化時間の遵守
歯型を採る際、口に入れた材料がかたまるまでお待ちいただきます。
この「かたまるまで」というのが、感覚だけにたよるとその都度バラついた時間になってしまいます。
材料がしっかりとかたまる前に口から取り出してしまうと、歯型の変形等の原因になってしまいます。
かといって、時間を長くとりすぎると口を開いている患者さんは大変です。
そこで、歯型を口から取り出すまでの時間は毎回タイマーで計測し、過不足の無いよう注意しています。

3.迅速な石膏注入
歯型は口から取り出されると、徐々に変形し始めます
一般的な保険診療で使用される材料は水分を含んでおり、
乾燥するとひからびてしまい、大幅に変形するので特に注意が必要です。
当院では型を採ってから石膏を注入するまでの時間は基本的に数分以内としており、
型の保管にも保湿箱を用いて乾燥を防いでおります



いろいろと書いてしまいましたが、これらはすべて基本的な事項ばかりです。
細かい点を挙げればまだ他にも配慮している点はあります。

また何か機会があれば、この場をお借りしてお話させていただきます。