モーツァルトさん、こんにちは。
「私はランドール」による12の変奏曲K.354 について、今日はおたよりします。
以前に、12曲の変奏曲の順番について、ちょっと疑問を持ったことがありました(プログラムメモ・9月24日参照 http://music.geocities.jp/misakn95/event/20061105/program.html)。
ヘンレ原典版、ウィーン原典版、新モーツァルト全集いずれも、第7変奏曲のあとに Tempo di Menuetto の変奏曲が来ます。そして、1番最後の変奏曲が Molto Adagio Cantabile で、その後に「ランドール」のテーマが回帰して終わる、という形。
でも、何回弾いても、エネルギー一杯の第7変奏曲の後に Menuetto を弾くのはぴったり来ませんでした。
さらに、Molto Adagio の後に、テーマが帰ってくるのも、どうしても変に感じました(最後にテーマが回帰する変奏曲はまったく一般的なのですが、なぜかこの曲に限っては変)。
調べてみると、変奏曲の順番に別ヴァージョンがあり、それは、メヌエットが最後に来る、という形。
テーマの回帰なしに、メヌエットの最後のカデンツァで曲を終わる、というものです。
弾いてみると、こっちの方がずっと良い。
ぴったりはまります。
第7変奏まで、どんどん派手になり、第8変奏で一転、変ホ短調(♭6個!)。
その後、オクターヴトレモロがソプラノとバスで続く、鏡のような構造の第9、第10変奏曲。
で、第11変奏の Molto Adagio で綿々と歌って、そして最後、メヌエットの大団円……オペラみたい!!
しかも、そのメヌエット、つまり全変奏曲のシメはカデンツァ。
ここは、楽譜には、減七和音のアルペッジョとスケールのみでメモ程度にしか書かれていませんが、実際にモーツァルトさんが人前で弾いた時は、きっと即興的にものすごく自由に弾いたことでしょう。
モーツァルトさんの当時の手紙には、その様子が生き生きと書かれています。
「…ぼくがこの曲を公開演奏すると、いつも最高の喝采を受けてきました。―というのは、それぞれの変奏にいろいろと巧いコントラストがあって、しかも誰もが楽しめるようになっているからです。…」(1781年3月24日・レオポルト宛)
新モーツァルト全集の解説(ドイツ語)によると、初版のエーナ版(1778年)は、メヌエットが第8番目という形でした。
つまり新モーツァルト全集はこの初版をモトに編集されているのですが、その後、Offenbach(1792年)が、別ヴァージョン(メヌエットを最後にした版)を出版、その後はこちらの方が普及していたそうです。
が、コンスタンツェが、モーツァルトが死んだのち(たぶん1799年)、出版社に「その順番はオリジナルではない」と手紙で抗議したらしく、また20世紀後半のオリジナル重視の気運もあって、現在は初版のものを「オリジナル」としているわけですね。
でも、私は、断然、メヌエットを最後に弾きます。
だって、その方が、「音楽」としてずっと素敵ですから。
モーツァルトさんだって、このご自慢の曲を、悪口言われてるのは心外でしょう?
先日も、「名曲解説辞典」をたまたま見たら、ヒドイこと書いてありました。
でもそれは、一部の学者さん、あるいは、良くない演奏を聞いた人たちが誤解してるにすぎません。
わたし、今度の演奏会で、この曲の名誉回復のため、ずごく気合いれて日々さらっています。
できれば、最後のメヌエットのカデンツァも、私ヴァージョンのものを作って弾きたいのですが…?
ともかく、モーツァルトさん、ちょっと待っててね。
7日を、ぜひお楽しみに。♪
「私はランドール」による12の変奏曲K.354 について、今日はおたよりします。
以前に、12曲の変奏曲の順番について、ちょっと疑問を持ったことがありました(プログラムメモ・9月24日参照 http://music.geocities.jp/misakn95/event/20061105/program.html)。
ヘンレ原典版、ウィーン原典版、新モーツァルト全集いずれも、第7変奏曲のあとに Tempo di Menuetto の変奏曲が来ます。そして、1番最後の変奏曲が Molto Adagio Cantabile で、その後に「ランドール」のテーマが回帰して終わる、という形。
でも、何回弾いても、エネルギー一杯の第7変奏曲の後に Menuetto を弾くのはぴったり来ませんでした。
さらに、Molto Adagio の後に、テーマが帰ってくるのも、どうしても変に感じました(最後にテーマが回帰する変奏曲はまったく一般的なのですが、なぜかこの曲に限っては変)。
調べてみると、変奏曲の順番に別ヴァージョンがあり、それは、メヌエットが最後に来る、という形。
テーマの回帰なしに、メヌエットの最後のカデンツァで曲を終わる、というものです。
弾いてみると、こっちの方がずっと良い。
ぴったりはまります。
第7変奏まで、どんどん派手になり、第8変奏で一転、変ホ短調(♭6個!)。
その後、オクターヴトレモロがソプラノとバスで続く、鏡のような構造の第9、第10変奏曲。
で、第11変奏の Molto Adagio で綿々と歌って、そして最後、メヌエットの大団円……オペラみたい!!
しかも、そのメヌエット、つまり全変奏曲のシメはカデンツァ。
ここは、楽譜には、減七和音のアルペッジョとスケールのみでメモ程度にしか書かれていませんが、実際にモーツァルトさんが人前で弾いた時は、きっと即興的にものすごく自由に弾いたことでしょう。
モーツァルトさんの当時の手紙には、その様子が生き生きと書かれています。
「…ぼくがこの曲を公開演奏すると、いつも最高の喝采を受けてきました。―というのは、それぞれの変奏にいろいろと巧いコントラストがあって、しかも誰もが楽しめるようになっているからです。…」(1781年3月24日・レオポルト宛)
新モーツァルト全集の解説(ドイツ語)によると、初版のエーナ版(1778年)は、メヌエットが第8番目という形でした。
つまり新モーツァルト全集はこの初版をモトに編集されているのですが、その後、Offenbach(1792年)が、別ヴァージョン(メヌエットを最後にした版)を出版、その後はこちらの方が普及していたそうです。
が、コンスタンツェが、モーツァルトが死んだのち(たぶん1799年)、出版社に「その順番はオリジナルではない」と手紙で抗議したらしく、また20世紀後半のオリジナル重視の気運もあって、現在は初版のものを「オリジナル」としているわけですね。
でも、私は、断然、メヌエットを最後に弾きます。
だって、その方が、「音楽」としてずっと素敵ですから。
モーツァルトさんだって、このご自慢の曲を、悪口言われてるのは心外でしょう?
先日も、「名曲解説辞典」をたまたま見たら、ヒドイこと書いてありました。
でもそれは、一部の学者さん、あるいは、良くない演奏を聞いた人たちが誤解してるにすぎません。
わたし、今度の演奏会で、この曲の名誉回復のため、ずごく気合いれて日々さらっています。
できれば、最後のメヌエットのカデンツァも、私ヴァージョンのものを作って弾きたいのですが…?
ともかく、モーツァルトさん、ちょっと待っててね。
7日を、ぜひお楽しみに。♪
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