河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/28(土)13時30分 NHK文化センター京都「マズルカ⑪」Op.63、バラード第1番他 

〇〇に不滅です。

2010-08-08 20:24:12 | 短歌
先日のNHK「みんなで日本GO!」でのこと。
長嶋が引退するとき言ったコトバ「わが巨人軍は〇〇に不滅です。」についての番組だった。

「〇〇に不滅です。」の「〇〇」に何が入るか、という問題がスタジオで出された。

「永遠に」という意見がやや多目ではあったけど、「永久に」も多く、意見がほぼ半々に分かれた。

結局、答としては「永久に」だったのだが(ご本人の談話として、「なぜと言われても言いようがない・・・」・・・長嶋さんの「直感」だったのでしょうねー)、その理由について。

番組ではいろいろな理屈が述べられていたけど、
日ごろ短歌創作において、コトバのそういったフシギ体験をしている私としては
ぜひ言っておきたいことがある。

それは、
私達ニンゲンの発するコトバは、自分たちが理屈で考えているよりも
ずっとずっと、無意識の領域の、音の響き合いに支配されている、ということ。

・・・
①今回の場合、問題の出し方として
  
  「〇〇に不滅です。」の、「〇〇」に入るのは何でしょう?

という質問の仕方をした場合、答える方としては

  「永遠に」

と言ってしまうことが多いように思う。

なぜなら、「不滅 フメツ」の母音「u e u」の「e」と
「永遠 eien」の二つの「e」の母音とが響きあっている(韻を踏む)から。

でも、実は長嶋さんが、あの高揚する気持ちの中で、事前の準備なしに発したコトバは

 「わが巨人軍は、永久に不滅です。」

だった。

「わが巨人軍は」というコトバが発されたのちに来るコトバは、
「永遠に」ではなく、
「永久に」。

②なぜなら、「キョジングン kyo jin gun」の「キョ kyo」と
「エイキュウ ei kyu」の「キュ kyu」が響き合ってる(韻を踏んでいる)から。

・・・・
この意見に対する反論は、もちろんいろいろ考えられる。

たとえば、①の場合、
「不滅」の「u e u」は、「e」よりも「u」が二つあるので
「u」と響き合う、ということで「永久 ei kyu」の「u」の方が、より響き合う・・・
ゆえに、「永久に不滅です。」となるのではないか、という反論。

これに対しては、以下のように答えます。

「不滅」の母音は 「u e u」で、数としては「u」が2個なので「u」に響く、と思われるかもしれないが、
実際に、声に出して「ふめつ」と発音してみるとよくわかるのだが、
この三つの音の中では「め」(あるいは「e」音)が圧倒的に強い(存在感がある)。

よって、「e」に響き合うのです。

②の場合も、「キョジングン kyo jin gun」というコトバには「ン n」が二度入っているので
「エイエン ei en」の「ン」に響く、とも言えそうだが、
実際に声に出してみると「キョ」という音は、すごく強い。

よって、その「キョ」の音の強さに引っぱられて
長嶋さんは直感的に「エイキュウニ」と言ってしまわれた、ということです。

・・・
番組では、その後
有森裕子さんのコトバ「私は私を〇〇〇〇。」についても。

これについても私の意見ありますが、またあらためて。



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