河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/28(土)13時30分 NHK文化センター京都「マズルカ⑪」Op.63、バラード第1番他 

本番報告④「アマデウスへの手紙」2-11

2007-06-24 22:09:30 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

ピアノトリオ本番のアンコールで弾いた
「K.496ト長調トリオ」の第2楽章ハ長調について
今日は書きます。

実は、この第2楽章Andante 8分の6拍子、
アンコールで弾くには、時間的に長すぎるのですね。

でも、練習のときに音を出してみて
あまりに素晴らしい曲なので、
迷わずこれを選びました。

この曲、案外本番で演奏されることが少ないかも。

というのも、ト長調トリオ全体が
時間的にちょっとバランスが良くなくて
長いのですね。

第1楽章は、まあ一般的な長さですが、
さきほどいったように第2楽章が長い。

フィナーレも変奏曲になっていて
繰り返しを全部やるのでたいへん長い。

だから、演奏会の2時間弱のプログラムに入れるのが
けっこう難しい。

でも、やっぱりこの第2楽章、
特に上に楽譜をアップした部分(82小節~)、
本当に白眉、とでもいうんでしょうね。

30小節目も、同じ場面があります(調は異なる)が、
モーツァルトさん、ここは
「音楽を知っている人達」に
自慢したいところだったでしょうね。

直前の81小節目は、ハ長調の属七和音。

82小節目に入ったとたん
バスが半音上って、
減七和音になったかと思うと、
そのまま今度は
変ニ長調(♭5つ!)の属七が3小節間も。

そして86小節目でやっと
ハ長調の和音にもどり
はらはらとメロディラインが舞い降りてくる。

今、楽譜をもう一度調べて気づいたのですが、
この第2楽章全体(ちょうど100小節間)で、
なんと15の調に転調してるのですね?!
(24調のうちの半分以上です!)

す、すご~~い!!

モーツァルトさんは
晩年と呼ばれる時期、
さまざまな調に移行すること(転調)に興味を持っていた、
ということは、
去年11月の私の演奏会「モーツァルトに会いたい」の時に
うすうす気づき始めたのですが、
その後、何度か同じことに気づき
今日、また。

オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」で
誰か学者さんが
「12音技法の先取りだ!」と書いていたのを
見たことありますが、
やっぱり?

モーツァルトさん、
「やっと気づいたの?」
って、今、言いました?



コメント
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