ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

愛媛県美術館で開催されたセミナーのレポートをお届けします!!

2016-02-08 19:54:08 | 対話型鑑賞


こんにちは、みるみるの金谷です。
2016年1月23日に、愛媛県美術館で開催されました公開セミナーの様子を、レポートします。

文化庁 平成27年度 地域の核となる美術館・博物館事業 公開セミナー「ともにみる、ともに学ぶ ~アクティブ・ラーニングのススメ~」

朝の会:愛媛県美の鈴木さんから、今日のめあての確認。「ともにみる、ともに学ぶ」“聴く”を大切に!(このセミナーは、チャイムではじまりチャイムで終わる、学校の時間割スタイルで進みます)

1時間目:基調講演『みる・考える・話す・聴く』担任:福のり子(京都造形芸術大学教授)
「みる」:意識をもってみる→単に「みえているもの」を意識的に「みている」ものにする。私たちはみたいものを、みたいようにしかみない。誤解と妄想だらけ(ポジティブに言うと創造的解釈)。だからこそ、意識をもってみる。
「考える」:まずは、直感でいい。根拠を作品の中にもとめていく。
「話す」:コミュニケーションにも、芸術にも一つの正解はない。コミュニケーションの主役は、私。失敗するからこそ、訂正の道が開かれる。美的価価値は一つじゃない。「今の子どもたちは、極端に失敗を恐れている。解釈は一つじゃない、人の数だけある。いつでも訂正の道が開かれている。」
「聴く」:意識をもって聴く→きこえてないこと、ききとれてないことがあると意識して聴く。みるという体験が、経験となるためには、言葉が必要→他者の意見を取り入れて、自分の意見が深まる。
 福先生のお話をきくと、もっと前を向いてやっていこう!という気持ちになります。「失敗するからこそ、訂正の道が開かれる」の言葉に、勇気をもらいました。
そして、忘れてはいけない言葉、
“Education is not pouring, but lightning the fire.”
子どもたちに、火をつけていける教師でありたいと思います。

給食:給食と言っても、各自でランチタイムです。

2時間目:小学校での試み『やってみませんか?“対話型鑑賞”』担任:吉文子(伊予市立郡中小学校教諭)
 小学校1年生での実践を中心に発表された。10回の対話型鑑賞(1回につき2作品を鑑賞)を通して、子どもたちの鑑賞の能力が向上したことや、意欲的に楽しく絵をみることができたことを成果としてあげられた。ナビゲーター(教員)も、鑑賞の回数が増えるにしたがい、問いかけの言葉を増やすなど、ステップを踏みながら鑑賞者を育てていた。
吉先生の発表から、一足飛びに、満点を目指すのではなく、子どもたちと作品をみることを楽しみながら、学びを積み重ねていくことの大切さを感じました。
 また、時数をどう確保するかという課題から、朝の会での実施も提案されました。私も、自学級で朝学習の時間を使い実践しようと思います。

3時間目:中学校での試み『みる・考える・話す・聴く~中学校の現場から~』担任:春日美由紀(出雲市立大社中学校主幹教諭)
昨年度の光中学校での実践を発表された。発表の最後に、昨年度鑑賞の授業を受けた現役高校生からのビデオメッセージが印象的でした。ビデオの中で彼女は、対話型鑑賞をしたことで、話している人のことを考えるようになった。「なんでそう思うの?」と感じながらも、相手の気持ちを想像できるようになった。また、他人の意見をもっと聞きたい思ったり、自分も簡潔に分かりやすく伝えたいと思うようになった。そして、このような変化は、対話型鑑賞をして、頭と心を働かせて考えられたから、と結んでいます。
まさに、対話型鑑賞はアクティブ・ラーニングであり、“lightning the fire”だと思いました。

4時間目:教育心理学の立場から『学び発達するとは-他者視点を取り入れるということ』担任:鈴木忠(白百合女子大学教授)
 はじめに紹介された、描画刺激のない環境で育った大人の絵が、衝撃的でした。20代の方が描いた人は、頭足人でした。そこから、鈴木先生のお話に、惹きつけられていきました。そして、これはまさに対話型鑑賞をするなかで起こっていることだ!とうなずきながら、お話をききました。
・絵への関心が低いと、正しい表現が身につかない。主体的なかかわりの重要性。
・他者の意図を通して学ぶ。人が媒介することも必要→リフレクションが大切。自分の中に他者を取り入れる(一人で考えるときも○○さんなら、と考えてみる)。他者視点と、自己視点をつきあわせる。
・「ゆらぎ(個人内多様性)」を保障する。学びや発達が進むためには、異なる表象の中での「ゆれながら」が大切。的確な言葉にするためには、時間がかかる。
・教育的な達成とは、ファミリアなものをストレンジに思えるようにすること。
 対話型鑑賞をした後、知っているつもりだった作品が、まったく別のいきいきしたものに思えたりすることがあります。これがきっと、「ファミリアがストレンジに」ということなのかもしれません。

終わりの会:ふり返り&質疑・応答をして、本日の全日程が終了。もちろん、最後も、チャイムがなって下校の時間となりました。

登壇された先生方、関係者のみなさん、ありがとうございました。
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