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mirubaのカクテル小説辞典「Vのカクテル」

2019-02-07 | Weblog



mirubaのカクテル小説辞典「Vのカクテル」

【VERMOUTH&CASSIS ヴェルモット&カシス】

若い頃西ヨーロッパを一人旅したことがある。
3か月有効のユーレイルパス(鉄道乗り放題の外国人旅行者用パス)を日本で購入し、
赤い表紙のトーマスクックの時刻表を片手に、あちこちを旅した。

乗り遅れて途方にくれたり、簡単に間引きされて予約していた列車がいなかったり、
駅が大きすぎて、ほかの出口から出て、全く場所がわからず右往左往したり、スペインではシェスタの時間帯に到着して、町全体がゴーストタウンのように静かで不安になって駅に戻ったこともある。本当にたくさんの失敗をしてきた。
だが、その失敗がむしろ良い思い出になっている。

一人旅だったので、誰に頼るわけにもいかなかったが、行く先々で知り合ったバックパックの日本人の若者たちが
親切にあれこれとアドバイスをしてくれた。

それでも彼らのようにユースホステルに泊まる勇気もなく(あの国のユースホステルにはのみがいた、とか、南京虫に食われた、とか教えてくれたから)

だが、ずっとホテル暮らしも飽きるもの。
また、時にはご飯が食べたいのが日本人ではあるし。
そこで当時は日本食が簡単に食べられるフランスのパリにアパートを借りてそこを拠点に動くことにした。


3日間ベルギーを旅して、パリのアパートへ戻ってくる。
次のオランダへは、ベルギーから直接行けばいいものを、わざわざパリに戻ってパリからオランダ行の高速列車に乗り、ゴッホ美術館を一日見てまたパリに戻る。
5日間イタリアを旅行し、パリのアパートへ帰って来てからスイスの登山鉄道に行く、という具合だ。
そう、まさに自宅に帰るがごとく、戻る拠点、自分の居場所のアパートがあることで、安心してスペイン旅やアフリカのモロッコにも
足を延ばせたと思う。


パリに戻ってくるたびに必ず寄るカフェがあった。
当時はフランス語は全く話せなかったので、片言の英単語を並べたものだ。

初めてそのカフェに入ったとき、筋肉隆々のマッチョなお兄さんたちがカウンターでコーヒーを飲んでいた。
当時はまだ東洋の女が珍しかったのだろう、ニコニコと何か話しかけているが、「ごめんなさい、私フランス語話せない」と
こっちもあいまいな笑顔になる。

一人のマッチョさんが、「自分はポンピエだ」という。
「ああ、この人は、ポンピエさんなんだ」と思ったら、隣のお兄さんも、「自分もポンピエ」という。
え?こりゃ苗字じゃないな。ポンピエって・・・辞書辞書・・・ああ消防士の事か~
と、なんとも危なっかしい旅行客の私だった。
どうやらすぐ隣にある消防署の隊員だと言っているらしい。


ネットより



カフェの2,3軒隣に、消防署があった。今もある^^
アパートの一階部分が消防署になっている。パリには余分な土地がないからなのだ。
消防署には3台の消防車が停めてある。

その車の前でつまり道路に面したスペースで、体力強化の体操やストレッチ、火事の時の初動動作や、訓練を日々行っているようだ。

歩道からも丸見えで、しばし訓練を眺めたりする人もいる。消防士さんたちの大きな体が印象的だ。

休憩時間や夜勤明けでカフェに寄るのだろう。

私が初めてカフェでカクテルを頼んだのは、ヴェルモット&カシス。
パリに来る前に日本で買った、パリの旅の手引きのような雑誌に、
「パリの人たちはヴェルモット&カシスを好んで飲む」という記事があったのだ。

「ヴェルモット・アンド・カシス・・・プリーズ」_フランス語のシルブプレ、がよかったかしら_なんて思いながら


すると、カウンターでコーヒーを飲んでいた消防署の集団が、私に言った。

「セ ポンピエ!」

カクテルを指さし「ポンピエ」そして自分を指さして「ポンピエ」と教えてくれたので、カクテルの名前がポンピエだという事が分かった。



昨今の法律で、カフェの中は全面禁煙になったので、道路に面したテラスは、今では喫煙者の座る場所になっている。
だから近くに煙草を吸う人がいると困ってしまうが、外の利点で煙は風に流れていくので、吸っている人に気づかれないように
そっと席替えをしたりすれば、問題ない。


今でも、時々カフェのテラスで「POMPIER、S.V.P」(ポンピエください)と注文をする。
パリの街に溶け込んだ気がするのだ。






ーーーーーーー



Vのカクテル
【VERMOUTH&CASSIS ヴェルモット&カシス】
ワインベース 8度 甘口

ヴェルモットもカシスもフランスを代表するお酒ですから、このカクテルも超有名です。
フランスでは「ポンピエ」と呼ばれます。ポンピエの意味は消防士さんです。
大酒飲みという意味もあるようですが、このカクテル自体は甘口で飲みやすいほうですから大酒飲みの好むものではないかも。

消防士さんはいつも待機していますから、強いお酒を飲んで酔ってはいられません。
でもそこはフランスですから、待機中ちょっと一杯隣のカフェで、何てことがあったようで(今は禁止ですよ、もちろん^^)
カシスの赤い色も手伝って、消防士さんという名前が付いたとかいないとか(諸説あります)

テラスで飲むにふさわしいカクテルと言えますから、パリのテラスで是非飲んでみてほしいカクテルです。

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