保健福祉の現場から

感じるままに

療養費不正対策の行方

2017年01月20日 | Weblog
M3「柔整側と保険者側で激しく対立、厚労検討会 柔整療養費、2011年度から減少傾向」(https://www.m3.com/news/iryoishin/495115)。<以下引用>
<厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養費検討専門委員会は、1月18日の第9回会合で、柔道整復師に対する審査を強化するための方法などについて議論した。不正請求の温床になっているとされる療養費支給申請書の白紙委任制度や、負傷原因の記載の仕組みについて、柔整側と保険者側で対立。有識者として議論に参加する相原忠彦氏(愛知県医師会理事、相原整形外科院長)が問題視する「亜急性の外傷」という概念についても、相原氏と柔整側で激しく対立した。15年度監査26件、「少なすぎる」との声も この日の会合では、2015年度の柔道整復師に対する指導監査の実施状況が報告された。735件の情報提供に対し、89件の個別指導、26件の監査、25件の受療委任の取り扱い中止となった。委員からは監査件数が少なすぎるという意見が出され、事務局は「問題意識は同じで、優先的に処理する仕組みを構築する」と答えた。療養費の推移では、2014年度は3825億円で、2011年度の4085億円から年々減少傾向にあることも報告された。「次回こそ実例を」、亜急性の外傷 これまでの議論を基に、昨年11月の第8回会合で柔道整復療養費のあり方について検討すべき課題が17項目挙げられており、この日は(1)審査・指導監督関係、(2)施術管理者の新規登録時の研修・実務経験、(3)「亜急性」の文言の見直し、(4)その他(広告規制や負傷部位記載について)――の4つのテーマで、厚労省が作成した検討事項について議論した。柔整療養費の対象となる負傷である「亜急性の外傷」については、相原氏が医学的な概念ではなく、不正請求の原因になっているとして見直しを求めている。相原氏はこの日も事務局に対して「実例を出してくれと何度も言っているが、出てこない。次回は必ず出してほしい」と要望。それに対して、全国柔道整復師連合会会長の田中威勢夫氏は「(「亜急性の外傷」がないというのは)あくまで医学の論であって、柔道整復学では定例になっている」、日本柔道整復師会理事・保険部長の三橋裕之氏は「これが解明されたから何になるのか」などと反発した。健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は「保険者としては、保険者、施術者が判断に迷う、「準ずる」「亜」などの曖昧な表現は削除してほしい」と指摘。事務局は「事務局で検討したい」と答えた。白紙委任や負傷原因記載、「必ず結論を」 療養費支給申請書の白紙委任制度(月初に署名を求めることで、その月の施術内容についてあらかじめ包括的に確認を得る仕組み)についても、相原氏や保険者側は、施術ごとに署名をもらうべきだという意見を出している。三橋氏は「一番の問題は反社会勢力。(白紙委任をやめても)施術者と患者が“ぐる”になっていたら防げない。受療委任は患者ファーストの制度。手が悪い人に毎回署名をさせるなどこれ以上、負担をかけていいのか」と反発。柔整療養費を保険申請する際には、3部位以上では負傷原因が必要となる。これを1部位目から記載させるべきでは、という論点については、相原氏は健康保険法施行規則で、申請には「傷病名及びその原因、発病または負傷の年月日並びに負傷の経過」を記載しなくてはならない」と定められていることを確認した上で、「原則通り全て負傷原因を記載させるべきだ」と指摘。一方で、日本柔道整復師会理事の伊藤宣人氏は「法律が決まった大正15年と現在は書類が増えるなど大きく違っている。今回の見直しは(暴力団が関連した一連の)不正請求の問題から起きているので、わざわざ一部の請求者のために1部位目から記載する必要はない」と述べた。幸野氏はこの2点について、「必ず結論を出すべき。不正の温床になっており、原理原則に戻すのは当然の考え方」と強く主張した。>
 
M3「マッサージ不正9・5億円 36府県で療養費水増し 75歳以上、はり・きゅうも 厚労省調査、対策強化へ」(https://www.m3.com/news/general/495117)。<以下引用>
<厚生労働省は18日、健康保険を使ったマッサージやはり・きゅうで、事業者が75歳以上の患者への療養費(治療費)を水増しするなどして不正に受け取ったケースが2008年度以降、36府県で約5万5千件、約9億5千万円に上ると明らかにした。同日開かれた社会保障審議会の検討委員会で報告した。対策を強化する方針。マッサージなどの療養費を巡っては昨年、共同通信の全国調査で不正が表面化。これを受け、厚労省が後期高齢者医療制度(75歳以上対象)の発足時にまでさかのぼって調べた。高齢化で患者が増え、出張料を稼ぎやすい訪問施術を狙って参入する事業者が相次いだことが背景にある。厚労省は「不正は(金額、件数とも)請求全体の0・3%」としているが、施術師の全国団体幹部は「発覚しているのは氷山の一角」と指摘している。事業者が患者の代わりに療養費を請求することが多く、不正が発覚しにくい構造やチェック態勢の不備も大きな原因で、厚労省は患者が請求内容を確認する仕組みづくりなどを検討している。厚労省の調査は、後期高齢者医療制度を運営する47都道府県の広域連合を対象に実施。08年度から昨年11月までの不正請求などをまとめた。延べ271事業者が5万4561件で療養費約9億4900万円を不正に受け取り、広域連合は全額返還を求めたが、実際に返されたのは半分程度とみられる。都道府県別の不正受給は、和歌山が約1億6千万円と最多で、大阪が約1億3800万円、神奈川が約1億200万円と続いた。北海道、千葉、東京など11都道県は「該当なし」と回答したが、不正への調査が不十分な可能性もある。主な手口は(1)高めに設定された訪問施術の出張料(往療料)を狙い、距離を水増し(2)施術回数を実際より多くして請求(3)保険適用に必要な医師の同意書の偽造・改ざん―などで、件数ははり・きゅうよりもマッサージの方が多かった。※療養費 国家資格のあん摩マッサージ指圧師、はり師やきゅう師の施術については、脳出血後のまひ、神経痛など一定の疾患を対象に健康保険から療養費が支給される。ただし、医師の同意が必要。患者負担は医療費と同じで1~3割だが、本来は患者がいったん全額を施術者に支払った後、自己負担を除いた分を健康保険から受け取る「償還払い」が原則。事業者が患者負担分を受け取り、代わりに療養費を請求する「代理受領」のケースが多い。>
 
柔道整復療養費検討専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126707)とあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126708)で療養費について協議されている。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000148860.pdf)p4~5で25件の「柔道整復の施術に係る受領委任の取扱いの中止等事例一覧(平成27年度)」が出ているが、地域的な偏りがあるようにみえる。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000148860.pdf)p3「柔道整復師に対する指導・監査等の実施状況(年度別全国)」では個別指導件数は平成25年度158件⇒平成26年度122件⇒平成27年度81件と減少しているが、理由が知りたいところかもしれない。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000148861.pdf)p3「特に、不正が複数あるもの、不正の証明度が高いものを優先して個別指導、監査を実施」「証拠がそろっているものは個別指導を省略⇒監査」、p4~7「「部位転がし」等の重点的な審査の実施に向けた審査基準の作成」、p8~13「柔整審査会の権限を強化し、不正請求の疑いが強い施術所に資料の提出や説明を求める仕組み」、p14~17「地方厚生(支)局における個別指導・監査の迅速化、「受領委任の取扱の中止」を確実に運用する仕組み」、p18~21「保険者や柔整審査会が施術所に対して領収書の発行履歴その他通院の履歴がわかる資料の提示を求めることができる仕組み」、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000148862.pdf)「施術管理者について研修受講や実務経験を要件とする仕組みの導入」、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000148863.pdf)「「亜急性」の文言の見直し」「判断に迷う事例の収集及び公表」、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000148864.pdf)「事業者等に金品を提供し、患者の紹介を受け、その結果なされた施術を療養費支給の対象外とする」「支給申請書様式の統一」「電子請求に係る「モデル事業」の実施」「初検時相談支援料について、一定の要件を満たす施術管理者に限って算定可能とする仕組みへの変更」「不適正な広告の是正」「原因疾患毎の長期・頻回事例に関するデータの収集」「柔道整復療養費とあはき療養費の併給の実態把握」「支給申請書における負傷原因の記載を1部位目から記載」「問題ある患者に対し、保険者において受領委任払いではなく、償還払いしか認めない権限」などの対策が示されている。なぜ、これらが取り組まれてこなかったのか、不思議に感じる方が少なくないかもしれない。「一番の問題は反社会勢力。(白紙委任をやめても)施術者と患者が“ぐる”になっていたら防げない。」と報道されているが、やはり改善が必要であろう。公的保険が使われる施設には、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)、薬局機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/index.html)、介護サービス情報公表システム(http://www.kaigokensaku.jp/)のような情報公開制度の導入も積極的に検討されるべきと感じる。資料p5(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000148864.pdf)「電子請求に係る「モデル事業」の実施」では「~29年度具体的な実施方法の検討、情報セキュリティ対策や必要な規定の改定 ・できるだけ早期にモデル事業の実施」とあるが、医療機関と同様に、一定請求件数以上の施術所には電子請求を義務付けるべきであろう。
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1 コメント

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Unknown (佐藤)
2017-03-22 18:14:52
とにかく慢性に保険適用して
部位転がしばっかりです。
早く規制強化してほしいです。

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