保健福祉の現場から

感じるままに

がん検診の精度管理と情報公開

2018年07月17日 | Weblog
NHK「肺がん検査で見落とし 40代女性が死亡 ほかの44人も要検査 東京」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180717/k10011536311000.html?utm_int=news_contents_news-main_001)。<以下引用>
<東京・杉並区にある医療機関が、40代女性について、過去複数回の検査で肺がんの疑いを見落とし、この女性は、ことしになって肺がんと診断され、先月死亡したことがわかりました。医療機関側は、見落としの事実を認めて謝罪するとともに、他にも過去に肺がん検診を受けた44人について、精密検査が必要だとして、受診を呼びかけています。これは、医療機関を運営する「河北医療財団」などが17日、記者会見を開いて明らかにしました。それによりますと、杉並区高円寺南にある「河北健診クリニック」では、平成26年と27年に区内に住む40代女性が、会社の健康診断で胸のエックス線検査を受けた際、肺がんの疑いを示す陰があったにもかかわらず「異常なし」と判定したということです。さらに、ことしに入ってから、肺がん検診で行った胸のエックス線検査でも再び「異常なし」と判定していました。ことし4月、女性が呼吸困難で別の医療機関に救急搬送された際に検査でしこりがみつかったため、過去の画像を確認したところ見落としがわかったということです。女性はその後、肺がんと診断されて治療を続けていましたが先月、死亡しました。医療法人側は検査画像の見落としを認め、遺族に謝罪しています。17日の記者会見で、「河北医療財団」の河北博文理事長は「肺がんを早期に発見する機会があったにもかかわらず、発見に至らなかったうえ、検査結果の見落としも判明した。発見の機会を奪ってしまい申し訳なく心よりおわび申し上げる」と述べて、遺族や関係者に謝罪しました。また、この医療機関では、平成26年以降に、肺がん検診を受けた人たちの検査結果を調べたところ、亡くなった女性のほかにも44人について改めて精密検査が必要だとして、受診を呼びかけています。杉並区長「心よりおわび」 女性が肺がんで死亡したことについて、杉並区の田中良区長は「区民の健康を守るべき区の肺がん検診においてあってはならない事故が発生し無念で言葉もありません。ご遺族の皆様に心よりおわび申し上げます。今後、区民が安心して受診できる健診体制を築いて参ります」とコメントを出しました。>

朝日新聞「がん検診で3度見落とし、40代女性が死亡 杉並」(https://www.asahi.com/articles/ASL7K3CGTL7KUTIL00M.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<東京都杉並区の肺がん検診でがんを見落とされた40代の女性が、6月に肺がんで死亡していたと17日、区が発表した。区などは同日午後、記者会見し、詳細を明らかにする。区によると、女性は河北健診クリニック(杉並区高円寺南4丁目)で今年1月に検診を受け、「異常なし」と判定されたが、4月に呼吸困難などで他院に救急搬送された際、胸部X線などで異常が指摘され、見落としが判明。その後、肺がんと診断されて治療を続けたが、6月に死亡した。女性は、14、15年にも同クリニックで職場の成人健診を受け、X線画像に影が出ていたが、これを乳首と誤って認識、「異常なし」と判定されていたという。>

保健指導リソースガイド「健診・検診/保健指導機関リスト」(http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/kenshin/list/)には杉並区の当該健診施設も出ているようである(http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/kenshin/list/13/15/)。さて、がん情報サービス(http://ganjoho.jp/reg_stat/news/index.html)の「全国がん検診実施状況データブック」(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/scr_databook.html)では、市町村別にもプロセス指標値データが出ている(http://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/Cancer_Screening_Performance_Measures_2016.pdf)ことは知っておきたい。小規模市町村では単年評価は厳しい(がん発見率、陽性反応的中度等)ため、保健医療福祉計画データウエアハウス(http://www.jmedicine.com/)では、地域保健・健康増進事業報告による「がん検診の精度管理」が容易になっており、普及させたいものである。なお、がん検診のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の「平成29年度 市区町村におけるがん検診の実施状況調査 集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000208400.pdf)p10「⑩-2 平均的な受診時の費用負担(個人負担)額」では、自治体間のバラツキが大きいが、がん検診の精度を保つには、機器、マンパワー、情報管理などのそれなりのコストがかかるものである。この際、診療報酬のような公定価格が設定されても良いように感じる。「市町村別 がん検診に関するお問い合わせ先」(https://www.gankenshin50.go.jp/campaign_27/screening/contact.php)で、市町村が実施しているがん検診の種類、自己負担単価、検診日程・実施場所等を公表してもよいであろう。また、総務省「全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議」(http://www.pref.okayama.jp/page/557062.html)の資料(http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/557062_4463955_misc.pdf)p8「子育てワンストップサービス(マイナポータルの「ぴったりサービス」)」(https://app.oss.myna.go.jp/Application/search)(https://jidouteate.com/mynumber/onestop.html)の「サービスの地域比較」(https://app.oss.myna.go.jp/Application/search/exec?comparisons)のような検索サービスがあっても良いかもしれない。
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