保健福祉の現場から

感じるままに

HER-SYS呪縛からの脱却を

2020年09月26日 | Weblog
9.28NHK「新型コロナ 国の新システム 医療機関のデータ入力は約4割 」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200928/k10012637511000.html?utm_int=news_contents_news-main_002)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染者情報を集約する国の新しいシステムで、実際にデータを入力している医療機関が、およそ4割にとどまっていることが厚生労働省の調査で分かりました。「HER-SYS(はーしす)」は、国がことし5月以降導入を進めてきた新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステムで、全国の保健所や検査などを行う医療機関に導入されています。以前は保健所が、診断をした医療機関からファックスで届け出を受けてデータを入力していましたが、「HER-SYS」では保健所の負担を軽減するため、医療機関が直接データを入力するよう国が求めてきました。ところが、厚生労働省が先月24日から今月2日にかけてアンケートを行った結果、回答した318の医療機関のうち、データを入力していたのは41%にとどまっていたことが分かりました。入力していない理由については「紙での届け出に不便を感じない」という声が多く、入力項目の多さや煩雑さを指摘する意見もあったということです。また、保健所がある自治体へのアンケートでは、回答した113の自治体の60%が「ほぼすべてのデータを医療機関の代わりに入力している」と回答し、多くの保健所で負担が減っていない実態が明らかになりました。厚生労働省は、アンケートの結果を基に28日専門家の会合を開いて、改善策を検討することにしています。>

9.21朝日新聞「感染データ共有システム広がらず 保健所「逆に負担増」」(https://www.asahi.com/articles/ASN9N5T0NN9NULBJ001.html?iref=com_apitop)で「関東地方のある保健所の担当者はこぼす。「ハーシスは国がデータを吸い取るための便利グッズでしかない。保健所の業務量は増えるだけだ」。」とあった。9.15「令和2年度インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金(インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業)の交付について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000672635.pdf)p4「診療・検査医療機関(仮称)として都道府県に指定されている期間中は、新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)及び新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)に必要な情報の入力を行うこと。」の条件が気になる。9.24日本医師会「第17回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会」(http://www.med.or.jp/nichiionline/article/009597.html)では「「『診療・検査医療機関(仮称)』の指定期間においては『G‐MIS』及び『HER-SYS』に必要な情報を入力する」とされていることに関しては群馬県医師会などからその見直しを、また、「発熱等の症状のある方の相談・受診の流れ」については大阪府医師会が保健所の役割が明記されていないことを問題視し、その改善を求める意見がそれぞれ出され、厚労省事務局からは見直す意向が示された。」とある。5.4「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針  令和2年3月28日(令和2年5月4日変更) 新型コロナウイルス感染症対策本部決定 」(https://corona.go.jp/)p12「感染症法第12 条に基づく医師の届出により疑似症患者を把握し、医師が必要と認める検査を実施する。」とあり、「疑似症サーベイランス」(https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/PDF/gijisyo-gildeline-200110.pdf)(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/09/osirase_iryoukikan_gizisyousa-beiransu.pdf)に固執しすぎたように感じる方が少なくないかもしれない。PCR検査はHER-SYS(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html)とのリンクも絶対ではないようにも感じる。日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)と日本環境感染学会(http://www.kankyokansen.org/)の連名発出の4.2「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するためにー」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_rinsho_200402.pdf)(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_rinshotaio.pdf)p1「PCR検査の原則適応は、「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とする。軽症例には基本的にPCR 検査を推奨しない。時間の経過とともに重症化傾向がみられた場合にはPCR法の実施も考慮する。」とあった。9.24「新型コロナウイルス感染症の感染症法の運用の見直しについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000675228.pdf)p3「次の季節性インフルエンザの流行期も見据え、疑似症患者の届出については、入院症例に限ることとしてはどうか。」とあるならば、HER-SYS(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html)は、無症状者を含めて保険診療・行政検査のすべてとリンクする必要があるのか、気になる方が少なくないかもしれない。9.9NHK「ハーシスの入力項目 大幅削減へ」(https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200909/1000053674.html)の「厚生労働省は「内部での分析には使用できているが、対外的に示すにはデータの精度に課題がある。分析結果を公表できる見通しは示せない」としています。」と報じられているが、HER-SYS(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html)は、例えば、検査陽性者や入院患者に限定し、確実な情報分析ができるようにした方が良いように感じる。それ以前に、かかりつけ医療機関に負担をかけるのはどうなのであろうか。インフルエンザと同様に、かかりつけ医療機関で制約なく迅速検査できる体制を推進すべきであろう。この際、行政検査と保険診療検査の複雑な絡み合い(https://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/144bd775a99a5d5406cace900509b46a)を解消しても良いように感じる。8.5日本医師会「新型コロナウイルス感染症の今後の感染拡大を見据えたPCR 等検査体制の更なる拡大・充実のための緊急提言」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20200805_1.pdf)p2「地域・外来検査センターや医療機関等が保険診療としてPCR等検査を⾏う場合であっても、都道府県等との間で⾏政検査に係る委託契約(個別契約、集合契約)が前提となっている。この⾏政検査の委託契約の締結により、医療機関等はPCR等検査の実施料や検体検査判断料について、公費による⽀払いを受けることができる。この運⽤に対し、各地域からは様々な問題が挙げられており、現在のPCR等検査の⾏政検査の枠組みを維持しながら、検査能⼒を向上させることは、限界に達している。」とあるが、「PCR検査の立ち遅れ」(https://books.j-cast.com/2020/07/31012509.html)(https://hbol.jp/226488?cx_clicks_art_mdl=2_title)の要因には、HER-SYS(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html)とのリンクも小さくないかもしれない。
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