保健福祉の現場から

感じるままに

在宅麻薬管理

2013年09月12日 | Weblog
先日、開業医師から、「麻薬管理は病院内は厳格なのに、在宅はズサンではないか」、といわれてしまった。国立長寿医療研究センター資料(http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/pdf/jinzaiikusei/2012/20121013_14/1013_hirahara.pdf)p6にあるように、訪問診療の基礎疾患として、がんがダントツに多く、在宅で麻薬を使用するケースが多くなっている。平成24年度診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021ele.pdf)p112の医療用麻薬処方日数(14日)制限の緩和があり、在宅麻薬管理体制の構築は喫緊の課題と感じる。厚労省「医療用麻薬適正使用ガイダンス」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/other/iryo_tekisei_guide.html)の「自宅における患者・家族による管理」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/2012iryo_tekisei_guide_065.pdf)では、「使用しなかった麻薬の返却について、交付を受けた麻薬診療施設(医療機関) または麻薬小売業者(保険調剤薬局)に持参するよう指導する。」「不要となった医療用麻薬は患者・家族に適切に助言し、可能な限り回収又は廃棄することが望ましい。」とあるように、義務ではない。通常、患者死亡で残った麻薬について、薬局や医療機関に返却された場合は立会者をつけて廃棄され、調剤済麻薬廃棄届出が県庁に提出されるが、調剤済麻薬廃棄届出の状況はどうなっているであろうか。現場の医師からは、回収されない場合もあると耳にする。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/iryo_tekisei_guide-12.pdf)にある「①他人に転用しないこと、②小児の手の届かない所に保管すること、③残薬が生じた場合の処理方法」の説明は、訪問看護ステーションにも徹底すべきである。全国保健所長会の要望書(http://www.phcd.jp/02/sengen/pdf/youbou_H25.pdf)p16では、「平成24年度診療報酬改定での医療用麻薬の処方日数制限緩和によって、在宅麻薬管理がますます重要になっている。患者死亡時の残薬回収が適切に行われよう、薬局薬剤師による患者宅での服薬指導及び残薬管理を行うための各種施策を講ずるとともに、麻薬取扱い薬局への立入検査の徹底を図られたい。また、平成24年度から、他の薬局の無菌調剤室の利用が認められ、地域拠点薬局の無菌室の共同利用体制がモデル的に構築されているが、調剤薬局同士の連携や在宅での持続皮下注ポンプの普及等を図るための施策をさらに進められたい。」とある。院外処方が多くなっている中で、この際、在宅緩和ケアチームへの調剤薬局の薬剤師参加について、施策・制度・診療報酬から強力に誘導されなければならないように感じる。
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