保健福祉の現場から

感じるままに

多剤耐性結核

2014年07月23日 | Weblog
キャリアブレイン「結核服薬支援、医療機関と保健所の連携強化- 厚労省方針、感染症法改正へ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43334.html)。<以下一部引用>
<結核のまん延や多剤耐性結核の発生を防ごうと、厚生労働省が結核患者の服薬確認の支援体制を強化する方針を決めた。23日に開かれた厚生科学審議会結核部会に、この方針を示し了承された。抗結核薬を確実に服用させて治療成績の向上などを図るDOTS(直接服薬確認療法)を徹底するため、感染症法に保健所と医療機関・薬局などとの連携協力を明記する。早ければ秋の臨時国会に改正法案を提出する見通し。>

7月23日の厚生科学審議会結核部会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000051907.html)が出ている。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000051873.pdf)p3「結核患者に対する服薬確認等の患者支援の強化について」はみておきたい。また、結核医療の基準の改正で、多剤耐性結核薬としてデラマニド(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000051883.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000051886.pdf)が位置づけられることは知っておきたい。「平成25年結核登録者情報調査年報集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000051890.pdf)では「新登録肺結核培養陽性患者における薬剤感受性試験結果が把握された率:73.2%、薬剤感受性試験結果判明者中の多剤耐性結核患者割合:0.6%」とあるが、薬剤感受性試験が徹底される必要がある。そういえば、平成26年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037464.pdf)p175で「E3として、既に保険収載され、現在準用点数で行われている19の検査について、新たに検査実施料を新設する。また、技術革新等により臨床的意義、利便性の向上等を伴う体外診断用医薬品について保険適用を行う際の申請区分を見直し、適切な評価を行う。 (検査の例)結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出 850点」とあり、告示(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041345.pdf)D023 微生物核酸同定・定量検査で、「12結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出、結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出850点」、通知(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041235.pdf)p208「(16) 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出、結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出;ア「12」の結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出及び結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出は、同時に結核菌を検出した場合に限り算定する。イ「12」の結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出及び結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出と「8」の結核菌群核酸検出を併用した場合は、主たるもののみ算定する。ウ 当該検査は、薬剤耐性結核菌感染が疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。」とある。培養による薬剤感受性検査では判定までに時間がかかるため、耐性遺伝子検査の普及を図るべきではないか。なお、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000051891.pdf)では昨年の結核集団感染件数は28件で前年の51件から大幅に低下しているが、定義を満たさない集団的感染事例は少なくないであろう。ところで、この資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000051889.pdf)p10に出ているように、昨年3月末からコッホ現象事例報告書の様式が変更になっているが、医療現場では知られているであろうか。
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自殺者数の減少

2014年07月23日 | Weblog
先週、警察庁から「平成26年の月別の自殺者数について」(http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H26_tukibetujisatushasuu_zanteichi.pdf)が出ており、今年は6月まで12,752人である(1月2066、2月1865、3月2301、4月2216、5月2256、6月2048)。警察庁資料(http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H25/H25_jisatunojoukyou_01.pdf)p13の昨年数値は、1月2453、2月2156、3月2486、4月2383、5月2542、6月2318で1~6月計14,338人で、今年は昨年に比べて半年間で1586人の減少である。そういえば、Olive news「消費税増税が物語る自殺者数の増加」(http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=139479)が出ていた。政府の自殺統計(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/pdf/honbun/pdf/p2-4.pdf)(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/pdf/honbun/pdf/p7-13.pdf)では、平成9年から平成10年にかけて、自殺者数が大幅に増えている(特に男性の労働世代)。それは、平成9年の消費税アップ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E)と関連するのかどうかわからないが、4月からの消費税アップの動向とともに注目していた。今のところは、今年4月からの消費税アップの影響は自殺統計的には逆の動きになっていることは認識したい。各種自殺対策の取り組みが影響している可能性があるかもしれない。なお、自殺対策支援センターライフリンク(http://www.lifelink.or.jp/hp/top.html)が、自殺実態白書2013(http://www.lifelink.or.jp/hp/whitepaper.html)を出している。全市区町村の「地域の自殺の基礎資料」では4年間の市区町村別の詳細なデータが公開されており、活用したい。
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難病医療費助成の行方

2014年07月23日 | Weblog
児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126716)で集中的に審議されている中で気になるのは、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/14siryou1_1.pdf)p3の「指定医」で、要件のうち「都道府県等が実施する研修修了」が具体的にどのようなものか、また、指定医の職務のうち「患者データ(医療意見書の内容)を登録管理システムに登録すること」がどうなるか、である。厚生科学審議会疾病対策部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi127744)での議論も同様で、さらに指定難病の追加や認定基準も気になるところである。指定医に関しては、神経・筋系、血液・免疫系、消化器系、内分泌・代謝系、骨・関節系などの疾患群別(http://www.nanbyou.or.jp/entry/503)に進めるしかないようにも感じるが、研修修了と患者データ登録の準備を急ぐ必要がある。新制度は来年1月スタートである。当面、「経過措置対応」と「新規申請対応」の同時併行となるが、混乱しないようにしなければならない。
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市町村と保健所の重層的な連携・協働

2014年07月23日 | Weblog
「保健師に係る研修のあり方等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ahdf.html#shingi197262)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000051527.pdf)p2の「地域保健従事者に求められる職種共通の専門能力」では、①企画・立案能力、②情報収集・調査研究能力、③地域保健事業運営能力、④個人・家族、集団支援能力、⑤健康危機管理能力、⑥連携・調整・社会資源開発能力、⑦事業評価能力、⑧公衆衛生マインドが示されている。ここでいう「地域保健従事者」は市町村・都道府県のすべての地域保健従事者を指すと思われ、地域においては市町村と保健所である。「保健所」といえば、一般の方には、食品衛生対策や感染症対策などがイメージしやすいようであるが、地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第6~9条では広範囲の保健所業務が規定されている。それは、保健所に関する各種法規定(http://www7.ocn.ne.jp/~hopo/hc.html)をみればわかる。地域保健対策検討会報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000028ufa-att/2r98520000028uja.pdf)をもとに、平成24年7月「地域保健対策の推進に関する基本的な指針(改正)」(http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1344472453581/files/zenbun.pdf)が示された。平成24年3月30日付厚労省通知(障発0330第11号)「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」のように、個別に示されているものもある。全国保健所長会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000028ay5-att/2r98520000028bc0.pdf)p6にも出ているように、自治体によって、保健所の設置形態は異なっている。特に市型保健所の場合は、福祉事務所や保健センターなどと併せて設置されているところが多いようである。母子保健法第8条(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO141.html)、介護保険法第38条(http://www.ron.gr.jp/law/law/kaigo_ho.htm)、健康増進法第18条2(http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm)、精神保健福祉法第49条3(http://www.ron.gr.jp/law/law/seisin_h.htm)、地域保健法第8条(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)など、各種法律で保健所による市町村支援が規定されているが、「市町村と保健所の重層的な連携・協働」がますます必要と感じる。法律条文で「求めに応じ」となっているのは「求めがない限りダメ」ということではなく、また、「・・・できる」となっているのは、「しなくてもよい」ということではない。確かに、いろいろな業務が市町村に移譲されており、市町村事業として法律で規定されるものが増えている。しかし、「・・・できる」「・・・に努める」と規定される業務も含めて、すべて市町村で実施されているわけではないし、保健所業務がその分減っているわけではない。精神保健相談がよい例である。市町村と保健所が重層的に活動することによって、効果的・効率的な業務展開ができる。これは感染症対策や精神保健福祉対策がイメージしやすいであろう。そして、今後、「市町村と保健所の重層的な連携・協働」は在宅医療介護連携・地域包括ケアの推進には不可欠と感じる。この際、市町村と連携・協働する「保健所」の存在をクローズアップすべきである。それは、原則、保健所長が医師であるばかりではない。保健所には、各種専門職(医師、保健師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士等)の配置や医事・薬事関連業務(立入検査、医療計画、従事者免許事務、医療統計事務、各種届出事務、医療安全相談等)など、一般の市町村にはない特性があり、職能団体(医師会、看護協会、歯科医師会、薬剤師会、栄養士会等)とのつながりもある。感染症対策や集団給食指導、食品衛生対策等を通じて、普段から介護・福祉施設との関わりがある。様々な事業を通じて、住民組織や患者・家族団体にも働きかけしやすい、など、保健所は、在宅医療介護連携・地域包括ケアを推進する上で、絶好の立場にあることを認識したい。昨年12月27日の社会保障審議会医療部会の「医療法等改正に関する意見」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000033983.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000033981.pdf)p9では、医療と介護の連携の推進で、「都道府県は広域的に対応する必要がある調整等について保健所を通じて市町村の支援を行うことも重要である。」とされた。既に、医政局長通知「医療計画について」(医政発0330第28号 平成24年3月30日)では「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)とあるように、地域医療ビジョンでは保健所の存在がクローズアップされなければならない。しかし、国立長寿医療研究センター「在宅医療・介護連携のための市町村ハンドブック」(http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/pdf/handbook/handbook2013.pdf)では、「市町村と保健所の重層的な連携・協働」がほとんど出ていない。そればかりか、がん診療連携拠点病院を中心とした「がん緩和ケアに係る医療・介護連携」、広域リハビリテーション支援センターを中心とした「脳卒中の急性期~生活期リハビリに係る医療・介護連携」、認知症疾患医療センターを中心とした「認知症の医療・介護連携」の取り組みとの調整も示されていない。全国保健所長会から「在宅医療・地域包括ケアシステムの推進に関する見解」(http://www.phcd.jp/02/soukai/pdf/iinkai_chihokenjyu_H25_tmp01.pdf)(http://www.phcd.jp/02/soukai/pdf/iinkai_chihokenjyu_H25_tmp02.pdf)が出ているのでみておきたい。地域保健従事者は「介護予防の推進に係る全国担当者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi191066)、「在宅医療・介護連携推進に係る全国担当者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi190816)、「都道府県・指定都市認知症施策担当者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi145203)、「地域ケア会議推進に係る全国担当者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi156712)、「地域ケア会議運営に係る実務者研修」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi186990)、「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi129155)の資料に一通り目を通しておく必要がある。また、医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)、保険局「国保データベース(KDB)システム」(http://www.kokuho.or.jp/hoken/public/lib/kdb_manual_ver.1.1.pdf)、老健局「地域包括ケア見える化システム」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/sankou5_1.pdf)は、医療計画、介護保険事業計画、医療費適正化計画、健康増進計画の一体的推進の重要な分析ツールになるであろう。まさに市町村と保健所の重層的な連携・協働による「Integration」が求められている。
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