保健福祉の現場から

感じるままに

バイオテロ

2014年07月11日 | Weblog
読売新聞「絶滅したはずの天然痘、米保健機関にウイルス」(http://www.yomiuri.co.jp/science/20140710-OYT1T50140.html)。<以下引用>
<米政府の保健機関「疾病対策センター」は、絶滅した天然痘のウイルスが、倉庫の瓶から見つかったと発表した。瓶から漏れた様子はないため、センターは「感染する心配はない」と話している。瓶は、ワシントン郊外のメリーランド州にある米食品医薬品局の施設の倉庫で、引っ越し作業中の職員が見つけた。1950年代の研究用試料とみられ、ラベルに「天然痘」と書いてあった。中身を分析したところ、ウイルスの遺伝子が見つかった。天然痘は致死率が高い感染症だったが、ワクチンが普及し、世界保健機関(WHO)が1980年に根絶を宣言した。現在は、疾病対策センターとロシアの国立研究所だけが、研究用としてウイルスを保管している。ただし、今回、瓶が見つかった倉庫は、本来の保管場所ではなく、普段は使っていなかったという。>

国際情勢によっては天然痘(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/j-terr/2004/0514-1/index.html)等のバイオテロが懸念され、天然痘研修会資料(http://idsc.nih.go.jp/disease/smallpox/index.html)はみておきたい。①空気感染する、②潜伏期間がやや長い(7~16日)、③全く免疫がない方が多い、④致命率が高い(20~50%)、⑤テロ実行者はワクチン接種でリスクが小さい等から、最も警戒したい感染症テロである。以前、ウイルス学者から聞いたところでは、テロとして使用するには乾燥凍結で扱いやすい感染症とのことである。天然痘(痘そう)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-01-03.html)は、感染症法の1類感染症(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html)であることは認識したい。平成18年7月の総務省勧告(http://www.soumu.go.jp/kanku/okinawa/pdf/060905_02.pdf)で、第一種感染症指定医療機関の整備が進んでいないことが問題視されていたが、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/dl/140313-01_01.pdf)p75に感染症指定医療機関の指定状況が出ており、p74では平成25年4月1日現在、第一種感染症指定医療機関は12県で未指定とあり、p76では「一類感染症等予防・診断・治療研修事業への参加は31都道府県」とある。医師の診療経験がなく、入院施設もない自治体が少なくないが、例えば、国際空港(http://tabikko.com/world/airport.html)がある自治体は、どういう認識であろうか。政府の「NBCテロ対処現地関係機関連携モデル」(http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/1122nbc.pdf)では「保健所」もしっかり組み込まれていることは認識したい。
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医療依存度の高い小児の在宅ケア

2014年07月11日 | Weblog
キャリアブレイン「小児の在宅医療を支える体制強化へ- 厚労省が事業説明会、9都県が計画発表」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43235.html)。<以下引用>
<厚生労働省は9日、「小児等在宅医療連携拠点事業」の説明会を東京都内で開催した。今年度の同事業の実施主体である9都県の担当者らが出席し、各事業計画の説明や意見交換が行われたほか、事業の評価方法や進捗管理などについて話し合われた。同事業は、NICU(新生児集中治療室)などから退院し、重度の医療的ケアが必要な小児などの在宅医療を支える体制を構築するために昨年度も実施。今年度は、通院が困難である可能性が高い人工呼吸と経管栄養、気管切開、中心静脈栄養が必要な18歳未満の患者を対象とする。同省は、同事業のため、今年度予算で1億5100万円を確保している。実施事業者は、昨年度も行った▽群馬▽埼玉▽千葉▽東京▽長野▽三重▽長崎-に加え、新たに参画する神奈川と福岡。事業内容は、▽行政や医療・福祉・教育関係者などによる協議を定期的に開催し、連携上の課題の抽出や対応方針を策定▽地域の医療・福祉・教育などの資源を把握し、周知▽研修などを実施し、小児の在宅医療の受け入れが可能な医療機関や訪問看護事業所を拡大▽個々のニーズに応じた支援を実施するコーディネーター機能を確立-など。9日の説明会で、同事業の進捗管理と評価を行う国立成育医療研究センターの担当者は、昨年度の事業を振り返り、小児の在宅医療患者に医療・福祉・教育にまたがるサービス提供を適切に調整するためには、「真に役立つ、質の高い相談支援専門員などのコーディネーターをどう育成していくか」が重要だと指摘。また、昨年度、埼玉県で県医師会との連携や医療者向けの研修、マニュアルの策定などをした結果、受け入れ医療機関が前年度比約2倍に拡大した事例などを紹介した。 群馬県の担当者は、今年度の事業計画として、県内全域で在宅療養している小児の実態やニーズを把握するため、児童相談所に登録されている在宅の重症心身障害児などの全数調査を行うと説明した。また、千葉県の担当者は、コーディネーターを育成するため、相談支援専門員の研修を初心者とリーダーに分けて実施するとした。初心者には、「そもそもあなたたちは必要とされている存在なのだということを説く」ことに主眼を置きながら、相談支援に関する留意点や医療の知識の不足を補う研修を行う一方、リーダーには自分たちの実践してきた取り組みを初心者に説明や指導ができるような研修を実施する。>

平成23年患者調査概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/11/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/11/dl/01.pdf)p7で「年齢階級別にみた在宅医療を受けた推計外来患者数」が出ている。在宅医療の大半は後期高齢者であるが、小児においても在宅医療が実施されていることに注目したい。医療依存度の高い小児の在宅ケアに関心を持ちたい。京都府山城北保健所「在宅療養児支援のための医療・保健・福祉の連携手帳」(http://www.pref.kyoto.jp/yamashiro/ho-kita/1334730090812.html)の資料が参考になる。こうした取り組みの拡がりをぜひ期待したい。医療依存度の高い小児の在宅ケアは広域的な対応が不可欠である。在宅医療は市町村主体だけでは解決しない。なお、「「往診」とは、患家(介護老人保健施設等を含む)の求めに応じて患家に赴いて診療するものをいう。「訪問診療」とは、医科においては、居宅において療養を行っている患者であって、通院が困難な者に対して、その同意を得て計画的な医学管理の下に、定期的に医師が訪問して診療を行うものをいい、歯科においては、歯科医師が患家(介護老人保健施設等を含む)に赴いて診療を行うものをいう。」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/11/dl/01.pdf)とされ、統計上も往診と訪問診療が厳格に区分されていることは知っておきたい。
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病床機能分化

2014年07月11日 | Weblog
キャリアブレイン「全日病会員、約4割が地域ケア病棟届け出へ- 西澤会長「重点的に取り組む」」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43234.html)。<以下引用>
<全日本病院協会(全日病、西澤寛俊会長)は、先月から実施している地域包括ケア病棟に関する会員病院のアンケート調査で、8日までの集計結果では、同病棟入院料か同入院医療管理料を既に届け出ているのは545病院中44病院(8.1%)だったと発表した。届け出を予定している病院を含めると205病院(37.6%)に達した。全日病が9日に東京都内で開催したセミナー後の記者会見で、西澤会長が明らかにした。さらに西澤会長は、「会員の半分近くが該当するなら当然、会の事業として重点的に取り組まなければいけない」と述べ、会員内で同病棟入院料などを届け出る病院と届け出を予定する病院とが意見交換する場を設けたり、協会として必要な診療報酬上の評価を要望したりしていく考えを示した。アンケートでは、同病棟入院料(病棟単位)を20病院、同入院医療管理料(病室単位)を24病院が、それぞれ既に届け出ていると答えた。また、66病院が同病棟入院料、95病院が同入院医療管理料を、今後届け出る予定だと回答していた。許可病床が200床未満の場合、全病床で同病棟入院料を届け出ることもできるが、20病院の中にそういったケースはなかった。また、療養病床で同病棟入院料を届け出ているのは1病院のみだった。地域包括ケア病棟の評価は、2014年度診療報酬改定で新設された。急性期治療後の患者を受け入れて在宅復帰させるポストアキュート機能や、在宅療養中の患者が急性増悪した際に受け入れるサブアキュート機能などが期待されている。ただ、会見で猪口雄二副会長は、包括評価の同病棟入院料と同入院医療管理料では、急性増悪した患者に投入する医療資源の費用を賄うことが難しいと指摘。「(地域包括ケア病棟を持つ病院が)増悪した患者を直に受けるかというと、厳しいと思っている」とした上で、「受けるためにはどういう診療報酬設定が必要だ、ということを要望していくのが(全日病の)仕事だ」と述べた。>

平成26年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039891.pdf)のp30「7対1入院基本料における自宅等退院割合75%要件」、p39「地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)1の在宅復帰率70%要件」は平成26年10月1日施行であるが、概要資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039378.pdf)p9~10で示されるように、まさに、急性期、回復期も含めた医療・介護連携が喫緊の課題になっている。今年3月3日の全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000039688.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p2、p11にあるように、医療法改正で、一般病床及び療養病床は病棟単位で医療機能を都道府県に報告することになり、p12に示されるように、地域医療ビジョンでは、地域の医療需要の将来推計と病床機能報告制度情報等を活用して、二次医療圏等ごと(在宅医療・地域包括ケアについては市町村)に、各医療機能の必要量(2025年時点)等を含む地域の医療提供体制の将来の目指すべき姿が記載される。当面、厚労省「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi127371)の動向に注目である。各病院では診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html)を踏まえて、今後の医療機能が検討されているであろう。地域医療ビジョンは実質10月スタートといえなくもないかもしれない。
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受動喫煙防止対策

2014年07月11日 | Weblog
厚労省「職場における受動喫煙防止対策について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/kitsuen/index.html)が更新された。受動喫煙防止対策助成金(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049868.html)について、7月1日から交付要領などを改正し、宿泊業・飲食業に対する換気措置などの助成が開始されている。「労働安全衛生法改正」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000049191.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000049231.pdf)で、受動喫煙の防止として、「事業者は、労働者の受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。以下同じ。)を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとしたこと。(第68条の2関係)」「国は、労働者の健康の保持増進に関する措置の適切かつ有効な実施を図るため、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進その他の必要な援助に努めるものとしたこと。(第71条第1項関係)」が規定されたことは大きい。このブログ記事(http://blog.drnagao.com/2013/10/post-3500.html)では、オリンピックは、WHOとIOCで、すでに「スポーツの祭典は禁煙で」という目標を定めて取り組んでおり、開催都市はスモーク・フリーだという。厚労省「受動喫煙防止対策に関する各種支援事業」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/jigyousya/kitsuenboushi/index.html)では「受付は原則申請順とし、申請額が予算額に到達した場合、申請受付を締め切る予定です。」とされているが、東京五輪に向けた行政対応はないものであろうか。
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