保健福祉の現場から

感じるままに

データヘルスの行方

2014年02月03日 | Weblog
厚労相資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/1115/sankou_01_1.pdf)p4「レセプト等のデータ分析に基づく保健事業(データヘルス)」に示されているように、平成26年度中に、全ての健保組合で「データヘルス計画」作成に取り組まれ、平成27年~29年に第1期計画が実施されることは知っておきたい。1月24日、政府「産業競争力の強化に関する実行計画」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/housin_honbun_140124.pdf)p13~で「予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり;平成25年度中に保健事業の実施等に関する指針を改正し、全ての健康保険組合を始め、医療保険者が、平成26年度以降、順次、レセプト・健診情報等を活用した「データヘルス計画」の作成・公表を行い、平成27年度までにレセプト・健診情報等のデータ分析に基づく保健事業を実施することを推進する。」とされた。昨年6月、「国保データベース(KDB)システムから提供される情報の活用について」事務連絡(http://www.pref.mie.lg.jp/CHOJUS/HP/kaisei/SVOL/jimurenH250625.pdf)が出ているのであるが、現状では市町村によって取組み格差が大きいようである。被用者保険者でも格差が懸念される。とりあえず、厚労省「医療保険者による保健事業について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/hokenjigyou/index.html)には、昨年10月、国保中央会(http://www.kokuho.or.jp/)から出た「KDB活用マニュアル」も掲載してほしいところである。厚労省医療費適正化対策推進室の「平成26年度に向けた保健事業をめぐる動きについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000028517.pdf)p4では、平成25年10月に国保データベース(KDB)システム稼働、平成26年4月に健保連システム稼働予定とあり、また、「好循環実現のための経済対策」の25年度補正予算では、「保険者機能の強化等による予防・健康管理の推進のための経費の一部;26億円」(協会けんぽがデータ分析に基づく効果的な保健事業を実施するために必要なシステム改修など基盤整備経費15億円含む)と報道されている(保健衛生ニュース平成25年12月23日号)。しかし、システムが導入されるだけでなく、データヘルス推進のための普遍的な研修が不可欠と感じる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

妊婦健診の行方

2014年02月03日 | Weblog
1月22日の社会保障審議会児童部会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035249.html)には目を通しておきたい。「子ども・子育て関連法における妊婦健診の位置付け」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000035240.pdf)では「受診券方式で公費を負担している1,407市町村のうち、国で例示する標準的な検査項目の公費負担の状況」が出ている。公費負担の割合は上昇しているものの、全ての項目を実施63.9%、血液検査を全て実施74.6%、超音波検診(4回)を実施80.9%、子宮頸がん検診を実施86.0%などとある。「課長通知で示している基準相当分は地方交付税措置を講じている」というが、意外に未実施市町村が少なくない。「今後は、市町村子ども・子育て支援事業計画で、事業量の見込み等を盛り込むこととしているほか、改正母子保健法に基づき、これまで通知で示していた健診回数等について、「望ましい基準」として大臣告示で定める予定」とあることは知っておきたい。最近増えている女性議員の方々は自治体の実態を把握されているであろうか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

難病医療費助成の行方

2014年02月03日 | Weblog
NHK「難病医療費 平均で1600円減の試算」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140203/k10014963391000.html)。<以下引用>
<医療費の助成を受けられる難病の種類を大幅に増やす新たな制度について、厚生労働省は、今、助成を受けている患者と、新たに対象となる患者を合わせた医療費のひと月の自己負担は平均でおよそ3200円と、1600円減るという試算をまとめました。難病患者への医療費の助成制度について、厚生労働省は、対象となる病気を現在の56種類からおよそ300種類に増やす一方、対象者を原則として症状の重い患者に限る制度改正を行う方針です。この改正で、助成を受ける患者は78万人から150万人に増える見通しで、厚生労働省は、患者の医療費の自己負担がどのように変わるか試算しました。それによりますと、いま助成を受けている患者は、86%で自己負担が増え、ひと月の平均の負担額は、今のおよそ1300円からおよそ2900円に増加するということです。一方、新しく助成の対象となる患者は、86%で自己負担が減り、ひと月の平均の負担額は、今のおよそ1万1900円からおよそ3800円に減るということです。このため、今、助成を受けている患者と、新たに対象となる患者を合わせた医療費のひと月の自己負担は平均でおよそ3200円と、今のおよそ4800円から1600円減るということです。厚生労働省は、難病対策をまとめた新たな法律の案を今の国会に提出し、来年1月から新たな制度を始めたいとしています。>

昨年12月18日の厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会「難病対策の改革に向けた取組について(報告書)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032632.html)、社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の報告書「慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の在り方(報告)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032555.html)を踏まえた新たな難病医療費助成制度が来年1月から始まろうとしている。全国厚生労働関係部局長会議(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/tp0120-1.html)の健康局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-03-01p.pdf)p8~の難病対策の見直しでは、p11「難病対策に係る法案の施行について」では、平成27年1月の施行では新規疾患の一部を前倒し施行し、平成27年夏に先行分以外の新規疾患が対象となるとされる。平成30年度からは政令指定都市に委譲され、「中核市は法律施行後検討」とあり、行方が注目である。p12の経過措置(3年間)について、「既認定者の負担限度額は、「高額かつ長期」の負担限度額と同様とする。既認定者のうち現行の重症患者の負担限度額は、一般患者よりさらに負担を軽減。既認定者については、入院時の食費負担の1/2は公費負担とする。」とあり、既受給者には平成27年1月と平成30年の変更があることは知っておきたい。「難病対策の改革に向けた取組について(報告書)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032632.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000032669.pdf)にある<難病患者データベース>;p3「難病指定医(仮称)等が難病患者データの登録」「小児慢性特定疾患治療研究事業による患者登録データとの連続を可能にする仕組み」、<拠点病院>;p4「新・難病医療拠点病院(総合型)(仮称)を三次医療圏ごとに原則1か所以上、新・難病医療拠点病院(領域型)(仮称)を適切な数、難病医療地域基幹病院(仮称)を二次医療圏に1か所程度指定、指定難病医療機関(仮称)を幅広く指定」、<指定医>;p7「専門学会、日本医師会(地域医師会)、「新・難病医療拠点病院(仮称)」等で実施する一定の基準を満たした研修を受講した医師等)であることを指定の要件」など、今後、慌しくなるのは間違いない、
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

圏域地域医療ビジョンと保健所

2014年02月03日 | Weblog
国立長寿医療研究センターから、「在宅医療・介護連携のための市町村ハンドブック」(http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/pdf/handbook/handbook2013.pdf)が出ている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030649.pdf)p9~10に出ているように、在宅医療・介護の連携推進は、市町村主体の恒久的な制度として、介護保険法の地域支援事業の包括的支援事業に位置づけられ、地域包括支援センターと医師会が連携して、①地域の医療・福祉資源の把握及び活用(地域の医療機関等の分布を把握し、地図又はリスト化し、関係者に配布)、②在宅医療・介護連携に関する会議への参加又は関係者の出席の仲介(関係者が集まる会議を開催し、地域の在宅医療・介護の課題を抽出し、解決策を検討)、③在宅医療・介護連携に関する研修の実施(グループワーク等の多職種参加型の研修の実施)、④24時間365日の在宅医療・介護提供体制の構築(主治医・副主治医制等のコーディネート)、⑤地域包括支援センター・介護支援専門員・介護サービス事業者等への支援(介護支援専門員からの在宅医療・介護に係る総合的な問い合わせへの対応等)がイメージされている。しかし、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001oxhm-att/2r9852000001oxlr.pdf)p17~19の地域包括ケアに関する保険者の評価項目では、「地域連携パスの作成」「地域の急性期病院との連携のための会議」「地域連携パスを協議する場」「地域の回復期病院、維持期リハ関連施設との連携のための会議」などの実施率がかなり低いように、市町村では、医療関連、広域調整は容易ではない実態がある。そして、地域包括ケアシステムに際しては、がん診療連携拠点病院を中心とした「がん緩和ケアに係る医療連携・医療介護連携」、広域リハビリテーション支援センターを中心とした「脳卒中の急性期~生活期リハビリに係る医療連携・医療介護連携」、認知症疾患医療センターを中心とした「認知症の医療連携・医療介護連携」も重要であるが、がん診療連携拠点病院、広域リハビリテーション支援センター、認知症疾患医療センターは市町村単位ではなく、二次医療圏単位で整備されている施設である。先日、管内N市民病院の退院調整の取り組みについて聞く機会があった。この病院の取り組みは素晴らしいが、救急搬送を含め、患者は隣接T市にある総合病院に受診することが少なくない。やはり、市町村単位での医療介護連携は限界があると感じる。さて、全国厚生労働関係部局長会議(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/tp0120-1.html)の老健局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-09-12d.pdf)p172、p176「高齢者リハビリテーションの機能強化モデル事業」の一つに「都道府県医療介護連携調整実証事業」があり「国(アドバイザー組織)の支援を受けた都道府県(保健所等)の調整のもと、病院から介護支援専門員への着実な引き継ぎを実現する退院調整ルールを作り、それを実証的に運用し、具体的なノウハウを蓄積する。<退院調整ルール作成・運用するための具体的な流れ>1.病院のネットワーク化、2.介護(介護支援専門員)のネットワーク化、3.病院と介護(介護支援専門員)合同の連携協議会の形成、4.当該圏域統一の退院調整ルール作成・運用、5.統一退院調整ルールのレビュー」が示されている。この事業に期待したい。地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第4条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1344472453581/files/zenbun.pdf)では、p2、p5、p12で医療連携、医療介護連携に関する保健所の役割が示され、また、厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p36では「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とある。厚生労働省資料(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=148716&name=0000014431.pdf)p3では、圏域連携会議「実績なし(秋田県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、三重県、京都府、奈良県、岡山県、徳島県、香川県、愛媛県、大分県、宮崎県、鹿児島県)」とあるが、2次医療圏をベースに「地域医療ビジョン」を推進するのであれば、圏域連携会議を重視すべきであろう。地域保健法第8条(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)、介護保険法第38条(http://www.ron.gr.jp/law/law/kaigo_ho.htm)、精神保健福祉法第49条第3項(http://www.ron.gr.jp/law/law/seisin_h.htm)、健康増進法第18条第2項(http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm)、母子保健法第8条(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO141.html)など、各種法律で保健所による市町村支援が規定されていることも踏まえ、市町村と保健所の連携・協働が強調されるべきである。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする