保健福祉の現場から

感じるままに

消費税とTPP

2012年07月17日 | Weblog
保健衛生ニュース7月16日号巻末では、消費税とTPPを取り上げ、「政権を担う党には、消費税増税と「開国」という選択肢以外の選択は事実上ないものと思われる」とされている。そういえば、政府は8月中にTPP参加決定(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120710/plc12071001370002-n1.htm)と報道されていたが、どういう状況なのであろうか。6月29日の政府答弁書(http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b180303.htm)では、「政府としては、関係国との協議を早急に進め、各国が我が国に求めるものについて更なる情報収集に努め、十分な国民的議論を経た上で、国益の視点に立って、適切なタイミングでTPPについての結論を得ていくこととしている。」とされる。TPPには21分野がある(http://www.npu.go.jp/policy/policy08/)が、果たして、農業分野以外にどれほど国民的な議論がされてきたであろうか。

「社会保障制度改革推進法案等に対する日本医師会の見解」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20120627_1.pdf)。<以下一部引用>
<日本はこれまで、「国民皆保険」を堅持してきましたが、今回の法案では、医療保険制度は、原則全ての国民が加入する仕組みであり、給付範囲の適正化を図ること、とされています。(中略)政府は、TPP参加によって公的医療保険が揺らいでも、すべての国民が加入してさえいれば「国民皆保険」であると主張する可能性がある。>

全国保険医団体連合会「「社会保障制度改革推進法案」のここが危ない」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/120628syakai-houan.html)。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性心筋梗塞の連携パス

2012年07月17日 | Weblog
先日、所内の医療計画担当スタッフとともに、循環器専門医に面会した。今年度策定の新たな医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)が従来と異なるのは、この厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)p3の「急性心筋梗塞の医療体制構築に係る現状把握のための指標」に基づく評価が行われることである。管内のデータは悪いものではないが、専門医は他圏域との比較データに興味を示していた。すでに、県内一部の圏域では、試行的に、①Door to balloon time(救急車到着からバルーンカテまでの時間)、②急性心筋梗塞患者の在院日数、③心臓リハビリテーション算定率、④急性心筋梗塞患者の退院時逆紹介率、⑤退院1年以内の冠動脈再検査(冠動脈造影・冠動脈CT)を目的とした診療所からの紹介率について、評価が行われているが、こうしたデータ比較による診療の質評価にはあまり抵抗感がないようで、管内でも実施したいとのことであった。そういえば、「医療情報の提供のあり方等に関する検討会資料」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002e211.html)で、平成23年度医療の質の評価・公表等推進事業報告書が出ているが、急性期病院の実績公表は今後、普遍化する感じがしないでもない。さて、管内では急性心筋梗塞の連携パスは随分前に作成されているが、最近はほとんど運用されていないという。全国各地で心筋梗塞の地域連携パスが運用されている(http://www.gh.opho.jp/medical/863.php)(http://www2.hakujyujikai.or.jp/chuo/04_iryoukankei/01_chiiki_iryou/pci_pas.html)(http://www.pref.osaka.jp/izumisanohoken/kikakutyousei/sens.html)(http://www.pref.toyama.jp/branches/1268/00-renkei/ami.html)(http://www.hokuso-renkei.jp/index.php)(http://www.saiseikai.gr.jp/kikan/pass.html)(http://www.omh.ogaki.gifu.jp/pasu%20HP/pasuiriran%20HP/newpage5.html)が、運用実績はどうであろうか。やはり連携パスは様式を作成しただけでは動かない。一番の課題は専門医が信頼し患者を任せられるかかりつけ医を増やすことである。これは他疾患でも同様であるが、がんや脳卒中には診療報酬で地域連携パスが直接的に評価されていることが小さくないかもしれない。急性期病院では、診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021ele.pdf)p65~の「地域連携計画加算」300点(入院時の症状、標準的な入院期間、退院後に必要とされる診療等の在宅での療養に必要な事項を記載した退院支援計画を作成し、当該患者に説明し、文書により提供するとともに、当該患者の治療を担う別の保険医療機関と共有した場合の評価を行う。)での対応も考えられる。なお、心筋梗塞の連携パスは後方連携であるが、専門医によると、虚血性心疾患の前方連携も重要になっているらしい。これには冠動脈CTの存在が大きく、今後、前方連携用のパスも検討したいという。また、この病院の広域リハビリ支援センターでは管内医療機関対象に心臓リハビリに関するアンケート調査を実施しており、医療計画でも活用させてもらうことになった。医療計画の策定・推進は、会議だけではないことを改めて感じたところである。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする