保健福祉の現場から

感じるままに

気になる食品の放射能汚染

2011年07月26日 | Weblog
NHK「食品安全委 子どもの目安示さず」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110727/k10014479141000.html)。<以下引用>
<食品に含まれる放射性物質の健康への影響を検討してきた国の食品安全委員会のワーキンググループが報告書をまとめましたが、子どもへの健康影響ついては大人より影響を受けやすいおそれがあると指摘するにとどまり、具体的な目安は示されず、今後進められる基準の検討に向けて課題が残る結果になりました。内閣府の食品安全委員会は、厚生労働省から要請を受けて食品に含まれる放射性物質の健康への影響について、26日、報告書をまとめました。この中で、自然から受ける放射線を除き、一生を通して累積で100ミリシーベルトを超えて被ばくをすると、がんの発生率が高まるなどの健康に影響が出るおそれがあるとしています。しかし、子どもへの健康影響については「甲状腺がんや白血病など、大人より影響を受けやすいおそれがある」と指摘するにとどまり、具体的な目安を示すに至りませんでした。議論のなかでは、チェルノブイリ原子力発電所の事故で、5歳未満の子どもに白血病のリスクが高まるとか、被ばくしたときの年齢が低いほど甲状腺がんのリスクが高まるなどの研究が取り上げられましたが、研究の手法やデータの信ぴょう性がはっきりしないとされました。食品安全委員会の報告を受けて、今後は厚生労働省で食品に含まれる放射性物質の基準について検討することになりますが、子どもの基準を大人より厳しいものにするかどうかが焦点の1つだけに目安が示されなかったことは検討に向けて課題が残る結果になりました。>
 
食品安全委員会委員長のメッセージ(http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/fsc_incho_message_radiorisk.pdf)には目を通しておきたい。


毎日放送「食品安全委、生涯累積被ばく目標値示す」(http://www.mbs.jp/news/jnn_4786167_zen.shtml)。<以下引用>
<食品から摂取する放射性物質が健康に与える影響について検討していた食品安全委員会は、外部被ばくと内部被ばくを合わせた一生涯の累積の被ばく線量を、100ミリシーベルト未満とする目標値を示しました。食品からの被ばく量の目安は示されず、厚労省がすすめている暫定規制値の見直しは難航しそうです。食品安全委員会は26日の会合で、大気などによる外部被ばくと、食品の摂取などによる内部被ばくを合わせた累積線量が「生涯で100ミリシーベルトを超えないように」との目標値を示しました。食品に含まれる放射性物質については、3月の原発事故の直後に厚労省が暫定規制値を設定しましたが、外部被ばくや累積線量については考慮されていません。目標値が示されたことを受けて厚労省は、暫定規制値の見直しを進める方針ですが、目標値の線量を「外部被ばく」と「内部被ばく」でどう振り分けるのかを決める必要があるほか、年齢別の基準を作らなければならない可能性もあり、作業は難航しそうです。>

原子力安全委員会資料「低線量放射線の健康影響について」(http://www.nsc.go.jp/info/20110526.html)では、「100mSv以下の被ばく線量による確率的影響の存在は見込まれるものの不確かさがあります。100mSvの被ばくは生涯のがん死亡リスクを0.55%上乗せする。」とされている。非常に気になるネット記事が目にとまった。

「2007年暮れ発覚の米国サブプライムローン危機とそっくりな食品パニックが2011年暮れの東日本で起こるのか」(http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/25735100.html)。<以下一部引用>
<近未来、汚染品の混じった生産地偽装食品の流通が1件でも発覚したら最後、東日本に流通するすべての当該食品の信用崩壊が起こって売買不能に陥る可能性が大です。2007~08年、米国で起きたサブプライムローン金融危機とそっくりな食品パニックが近未来の東日本で起きそうで、暗澹たる気持ちに襲われます。>

牛肉の放射能汚染問題(http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=111400)が続く。このネット記事(http://tanakaryusaku.jp/2011/07/0002686)をみてもわかるように、食品の安全に対する関心は高い。今後、「特定の農家から出荷された牛の肉の流通」問題にとどまるか、どうかであろう。食品の放射性物質検査データ(http://yasaikensa.cloudapp.net/)をチェックする方が少なくないかもしれない。但し、この大学教授の記事(http://takedanet.com/2011/07/post_12c8.html)をみれば、あまり騒ぐ必要はないのかもしれない。食品パニックが起こらないように、流通対策も徹底したいものである。ところで、以前、「子どものオシッコから放射性セシウムの検出」(http://takedanet.com/2011/07/post_95da.html)の記事が出ていたが、サンプル調査も含めてフォローされているであろうか。現代ビジネス記事(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/13228)や自由報道協会記事(http://fpaj.jp/news/archives/4795)をみると、やはり、国が前面に立って、各種モニタリング調査と情報公開の徹底が欠かせないように感じる。例えば、6月3日の保安院発表(http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110603019/20110603019-2.pdf)に関する日経BPの記事(http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110614/273955/?ST=business&P=1)や現代ビジネスのネット記事(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/10685)に出ているように、周辺地域ではかなり早い段階から放射能汚染が起きていたことや、気象庁気象研究所による放射性物質の移流拡散シミュレーション動画(http://www.mri-jma.go.jp/Topics/H23_tohoku-taiheiyo-oki-eq/1107fukushima.html)でわかるように、3月15~16日、3月20~23日に広範囲の放射能汚染があった可能性が高いことなど、随分後になって、国から重要な情報が公開されるのは、良くないであろう。
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思春期保健

2011年07月26日 | Weblog
F県の保健所が思春期保健の専用ページ(http://www.pref.fukushima.jp/sosohofuku/index-shisyunki.html)を出している。スライド集(http://www.pref.fukushima.jp/sosohofuku/shisyunki/shisyunkislide.html)は参考になる。そういえば、今年3月に「健やか親子21」第2回中間評価報告書(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/s0331-13a.html)が出ているが、思春期保健の指標(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/dl/s0331-13a007.pdf)は、性感染症、人工妊娠中絶(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/09/dl/kekka5.pdf)、喫煙、飲酒など改善傾向のものが多い。昨年度から、ワクチン接種緊急促進事業(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html)による子宮頸がんワクチン接種がスタートしており、性や性感染症に関する正しい知識や情報を深める機会としたいものである。しかし、指標(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/dl/s0331-13a007.pdf)では、15歳から19歳までの自殺率が健やか親子21策定時から上昇し続けているのが、気になるところである。自殺対策白書(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/index-w.html)(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2011/pdf/index.html)(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2011/pdf/gaiyou/index.html)、子ども・若者白書(http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hakusho.html)(http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h23gaiyoupdf/index_pdf.html)(http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h23honpenpdf/index_pdf.html)も参考になるであろう。なお、今年度から「子どもの心の診療ネットワーク事業」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/0/6a07bf1d3f7af45e49257837003345ef/$FILE/20110214_2_6shiryou4.pdf)が本格実施され、都道府県における拠点病院を中核とし、各医療機関や保健福祉関係機関等と連携した支援体制の構築が図られており、先月の「子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議報告書」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001glho-att/2r9852000001gm74.pdf)には目を通しておきたい。全国保健所長会からは児童精神科医等専門家の養成・確保が要望されている(http://www.phcd.jp/kuni/H24_youbou_teishutsu.pdf)。今回、当保健所の思春期保健関係者連絡会の研修テーマは「思春期の心の世界」である。やはりこれも、専門家も含めて、信頼関係に基づく顔の見えるヒューマンネットワークの構築が不可欠といえるかもしれない。
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協会けんぽの特定健診と医療費適正化

2011年07月26日 | Weblog
「協会けんぽの昨年度決算、赤字幅が改善- 保険料率引き上げで」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35091.html)。<以下一部引用>
<事業報告書では、生活習慣病の早期発見、予防のための特定健診(メタボ健診)と特定保健指導の昨年度の実施状況(速報値)が示された。それによると、特定健診の受診率は、被保険者が40.9%(前年度比2.6ポイント増)で、被扶養者が13.1%(同0.9ポイント増)。特定健診後の特定保健指導の実施率は、被保険者が6.2%(同1.4ポイント増)、被扶養者が1.6%(1.2ポイント増)だった。特定健診と特定保健指導でいずれも、旧政府管掌健康保険が掲げた5か年計画の目標を3年連続で下回った。>

「平成21年度における特定健康診査の実施率(速報値)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000010ryg.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000010ryg-att/2r98520000010s06.pdf)によると、保険者種類別の特定健診実施率(平成21年度速報値)は、共済組合65.4%、組合健保63.3%、市町村国保31.4%、全国健康保険協会30.3%であり、保険者間格差が非常に大きいことがわかる。協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)の特定健康診査等実施計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03g-1a.pdf)p5では、平成22年度の目標として、特定健診の実施率は被保険者65.0%、被扶養者55.0%を掲げており、実績は目標を大きく下回っている。被用者保険被扶養者は、平成19年度までの市町村基本健診の受診率はどこの市町村も概ね高かったはずで、20年度から市町村の健診対象者から外れたことは、健診案内、特に個別通知やがん検診とあわせた案内の面での影響が小さくないように感じる。「平成20年度地域保健・健康増進事業報告の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/08/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/08/dl/date03.pdf)p14では、平成19年度から20年度にかけて、全国で胃がん、大腸がん、肺がん検診の受診率が大幅に低下していたからである。また、被扶養者の特定健診受診率の低さは、健診の自己負担額が、従来の市町村基本健診の自己負担額よりも大幅に引きあがったことも影響しているであろう。少なくとも、被扶養者に対する特定健診の案内は、事業所や被保険者を介さずに直接本人に案内してもよいのではないか。被扶養者は女性が圧倒的と思われるが、女性の健康支援(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0501-4o.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/woman.html)の観点からも気になるところかもしれない。しかし、被保険者の特定健診受診率が40.9%とは異常である。被保険者の特定健診については、労働安全衛生法の事業所定期健診に特定健診項目が含まれているはずで、労働安全衛生法の定期健診の適正実施を協会けんぽ加入の各事業所に徹底させるとともに、保険者への電子データ送付を徹底させるべきではないか。ところで、日本医師会資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110302_1.pdf)p9に示されるように、被用者保険の保険料率には、大きな格差がある;協会けんぽ95.00‰(2011年度)、組合健保76.16‰(2010年度)、国家公務員共済63.67‰(2008年度)、地方公務員共済組合79.99‰(2008年度)、私学教職員65.20‰(2009年度)。保険料率は、平均給与の高い組合健保などで低く、平均給与の低い協会けんぽでもっとも高く、「格差を是正し、保険料率を公平化すべき」という意見が出るのは当然かもしれないが、一本化は容易ではないであろう。まずは、こうした実態があることを社会一般がもっと認識することが大切かもしれない。また、平成23年度の協会けんぽの保険料率は、北海道、佐賀9.60%~長野9.39%(https://www.cabrain.net/news/article.do;jsessionid=DDA3C2B2AF4305E8DC0F78F7676DB623?newsId=32202)で、都道府県間の差は、昨年度の0.16ポイントから0.21ポイントに拡大している。平成25年9月までは、激変緩和措置を講じた上で、保険料率が設定され、実際の保険料率と全国平均の保険料率との差が調整(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,12467,131.html)される。同一の医療保険であっても地域によって保険料率が違うのである。共済組合や健保組合ではどうであろうか。そういえば、以前、某共済組合の担当者から「ここでどれだけ頑張っても仕方がない」と聞いたことがあるが、努力が報われる仕組みがあってもよいのではないか。平成23年度の協会けんぽ事業計画(重点事項)(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/57065/20101122-210311.pdf)では、レセプト点検、ジェネリック医薬品の使用促進、特定保健指導の推進など、医療費適正化(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/8e439f179e945c8549257838002f7835/$FILE/20110215_2shiryou4.pdf)に向けて様々な対策が出されているが、保険料抑制のためには、被保険者一人ひとりの役割にも期待したいところである。各都道府県の「医療費適正化計画」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02c.html)の計画進捗状況はそれぞれの自治体では理解されているであろうか。医療保険財政の改善策は「保険料率引き上げ」だけではないであろう。なお、公的医療保険には、以前の建設国保の無資格加入(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/fd5cd26f934e14c23e9fdca81ebd466f)のような不正は絶対にあってはならない。

全国健康保険協会「平成22年度事業報告書」(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/77095/20110726-164459.pdf)。

全国健康保険協会「平成22年度ジェネリック医薬品軽減額通知サービスの結果」(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/77095/20110726-165142.pdf)。

全国健康保険協会「医療費適正化の取組み事例集」(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/77095/20110726-165246.pdf) 。

全国健康保険協会「保険者機能の強化のための調査研究報告の概要」(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/77095/20110726-165044.pdf)。
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