保健福祉の現場から

感じるままに

障害者地域自立支援協議会と第二期障害福祉計画

2008年07月24日 | Weblog
障害者の地域自立支援協議会に関する資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/b66cf2e3ae5a9c6f49257490002699a0/$FILE/20080724_1shiryou1.pdf)が出ている。協議会は、地域の障害福祉に関するシステムづくりに閲し、中核的役割を果たす協議の場として設置されるものであるが、昨年12月1日現在では過半数の市町村で設置されていない。気になるのは、市町村といってもまちまちで、障害関係の必要資源が市町村単独で確保できないところが少なくないことである。となれば、市町村協働での取り組みが不可欠である。いよいよ今年度中に、第二期障害福祉計画が策定されることになっているが、その行方が注目されるところである。ところで、先般の「障害児支援の見直しに関する検討会報告書」(http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0722-5a.pdf)をみると、市町村には、身体障害、知的障害、精神障害というだけでなく、障害児支援の役割がますます増大するようである。そうなれば、市町村における母子保健・児童福祉・学校保健の連携がますます求められるとともに、市町村協働の取り組みが必要となるのは間違いなさそうである。なお、報告書には、保健センターや児童相談所等はあっても「保健所」の記述は一切ない。児童福祉法(http://www.ron.gr.jp/law/law/jido_fuk.htm)第十二条の六の保健所事業、母子保健法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO141.html)第八条の保健所による市町村技術支援、あるいは地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第四条による基本指針(http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/10/tp1030-2.html)における「障害者福祉等の保健、医療、福祉のシステムの構築」「児童虐待防止対策」等の保健所の役割についてはどのように認識されているか、少々気になるところかもしれない。小児慢性特定疾患や保護者の精神疾患等、保健所が直接関わる場面も少なくないからである。

「障害者自立支援法:障害児支援「契約制度」、「判断基準見直しを」--厚労省検討会」(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080723ddm012010002000c.html)。<以下引用>
<福祉サービス利用料の原則1割を負担させる障害者自立支援法の「契約制度」を巡り、厚生労働省の検討会は22日、障害児に対する契約制度の適用率に都道府県で大きな差がある現状を改善するため、判断基準を見直すよう求める最終報告書をまとめた。障害児について、児童福祉法や子どもの権利条約に基づき「健全に育つ権利が保障されるべきだ」と明確に位置づけ、障害児と家族に負担を強いる現状を改善するよう国に強く促した。従来はすべての児童施設は公費負担で利用できる「措置制度」の対象だったが、06年10月の自立支援法の本格施行で、障害児施設だけが措置か契約かを都道府県が審査して決める制度になった。厚労省は、障害児の保護者が(1)不在(2)精神疾患等(3)虐待等--のいずれかに該当すれば措置を適用すべきだとの見解を示した。しかし判断は行政任せで、契約の割合が都道府県で100%から1割台まで大きな差が出ていることが障害者団体の調査で判明している。最終報告書では、措置と契約の二つがある現行制度は維持するとしたが、今後、契約を適用された事例の調査と関係者の意見聴取を行い、措置の3要件の見直しも含め、新たな基準を策定するよう提案した。さらに契約に伴う負担額の設定は保護者の経済的事情への考慮が必要と指摘した。>

「権利条約を早期締結 障害者施策協で首相」(http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008072401000346.html)。<以下一部引用>
<首相は、障害者への福祉サービス利用料を原則1割負担とした障害者自立支援法への批判があることから「これまでの施行状況を踏まえ、(サービス)制度全般にわたる見直しを進めたい」と強調した。>
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がん検診

2008年07月24日 | Weblog
「国民はもっとがんを知るべきだ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17205.html)の記事が目にとまった。<以下一部引用>
<がんの検診というのは、子宮頸がんと乳がん、大腸がんについては、明らかに有効です。ところが、米国では子宮頸がんの検診受診率は9割ですが、日本はおそらく15%くらいと圧倒的に違います。>
<大腸がん、子宮頸がん、乳がん。この3つについては、絶対にやった方がいい。これは国際的に分かっていることです。でも、日本は国際的に証拠があることをやめて、メタボ検診みたいな根拠のないことを選んでしまった。>

昨年の「がん対策に関する世論調査」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1119-5g.pdf)のp17では、政府に対する要望について、「がんの早期発見(がん検診)」が61.3%で圧倒的に一位であることは認識したいところである。昨日、某マスコミでは女性職員が増えているにもかかわらず、子宮がん検診、乳がん検診が職場で実施されていないことを聞いた。
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社会保障

2008年07月24日 | Weblog
「社保費の自然増抑制を―諮問会議の民間議員」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17255.html;jsessionid=E5B20E9E34AAB7F73786EF0A485B4C25)に続き、「社保費削減撤回をあらためて決議-自民部会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17283.html;jsessionid=E5B20E9E34AAB7F73786EF0A485B4C25)である。結果的にどうなるか、注目されるところである。こうした中で、「社会保障費「改革と国民負担の半々で」―舛添厚労相」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17223.html)の記事が出ている。気になる文言がみられる。<以下一部引用>
<医療ビジョンの中にも改革をやると書いている。今、医者の数を増やすということがテーマだが、どこに政策のメスを入れればいいのかと、漠然と考えている。例えば、ジェネリックという問題があるが、来年もやるとしたらどれだけやるのか。やらない方がいいと言う先生もいて、いろんな議論がある。医療費が高いといわれるが、どうすれば下がるのかという話もある。率直に言うと、『大臣は医師の話ばかり聞いている』と(国民から)言われている。『福島の大野病院の話も分かるが、おれたちは医者を信じていない。この医者に対する不信感をどうにかしてくれ。だから一刻も早く医療事故調査委員会をつくってくれ』とあるわけだ。一方で、医者からは『あんなものをつくられたら、医者になれない』とある。両方の板挟みで、(検討会委員の)圧倒的多数が医療提供側なので、率直に医者を信用しない一国民として、あえて言うこともある。それもお許しいただき、国民目線で闊達(かったつ)な議論をしていただいて、最後は国民の皆さんに納得していただいて、きちんと税金や保険料を払っていただくということ。そういう思いで頑張ってやりたい」>

早速、「舛添氏発言は遺憾―日医・羽生田常任理事」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17279.html)が出ているが、気になるのは、「医者を信用しない一国民」という点よりも、「最後は国民の皆さんに納得していただいて、きちんと税金や保険料を払っていただく」の部分である。今年前半は後期高齢者医療制度に対する不満の声があがったが、制度開始前までに国民に納得いただくような対応がどれほどされていたであろうか。これだけではない。療養病床再編も「納得いただいて」とはいえないように感じる。それが組み込まれた第四期介護保険事業まで、あと8ヵ月である。今年度の後半には間違いなく、介護保険がクローズアップされるはずである。その前に、「特定健診・保健指導制度」の混乱が注目されるかもしれない。そういえば、年金改正の議論(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0711-6a.pdf)が進んでいるが、「消えた年金問題」も含めて、国民に納得されているであろうか。
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