友だちがアユを持って来てくれた。義理の息子が琵琶湖の姉川で釣ったもので、「味は最高だと言うから」と5尾くれた。今晩はアユの塩焼きだ。それなら日本酒の冷やがいいだろう。食べることや飲むことにしか楽しみが無いのは年寄り臭くて嫌だが、そんな毎日になってしまった。
親子でアユ釣りが趣味なので、おそらく2人で出かけたのだろうが、オヤジさんには「もう、歳なのだから絶対にひとりで釣りに行ってはダメだよ」と忠告している。息子も気にしてくれているが、面と向かうとどういう訳か言い合いになってしまう。
息子の気持ちが分からない訳では無いのだろうが、つい、「そこまでボケてはいない」と言い返したくなってしまうのだろう。親子とは本当に難しい。友だちは義理の父になるので、決して言い合いになることは無い。むしろ都合のいい酒飲み相手だ。
歳を取るとどういう訳なのか、人は頑固になる。なかなか相手の言い分を素直に受け入れられない。異議を挟むつもりはないのに、自分の意見ばかりを相手に押し付けてしまう。夫婦でも同じで、どうしてこんなことが分からないのかと思うこともある。きっと相手もそう思っているはずだから、適当なところで妥協する以外ない。
私は「父親と息子が一緒に酒を酌み交わす」ことが夢だった。私の父は家で酒を飲まなかったが、宴会のあった日は必ず土産を持って来た。父とどんな話ができるのかと思っていたが、その機会が来ないうちに亡くなってしまった。カミさんの父親と酒を酌み交わすことが出来て嬉しかったが、もっぱら聞き役だった。
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