友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

絶望に陥る時

2016年02月06日 17時40分24秒 | Weblog

 中国で子どものいじめが問題になっている。中国経済を成長させてきたのは低賃金の労働力だ。農業から工業へと変わる時は、工場で働く人が必要になる。産業革命が起ったイギリスでも労働力を確保するため、農場から農民を締め出し工場へ集めた。日本でも「金の卵」ともてはやして、中学を卒業した子どもたちを都会へと送り込んだ。同じことが中国でも起きているが、一人っ子政策のために日本のような若い労働力ではなく、農民が出稼ぎで都会へやって来ている。

 出稼ぎの農民は子ども連れもいて、都会の学校は超満員だそうだ。学校に収容しきれず建物の廊下を教室代わりに使っていた。先生も足りないので資格のない人が教えていた。経済の悪化で親が工場を変わる度に子どもは転校しなくてはならず、孤立していく子どもが増えているそうだ。そしていじめが起きる。移動する親の貧しい子と比較的裕福な子との間に軋轢が生まれ、暴力事件が増える。

 共産党政権の中国だが、計画経済はどこにも存在しない。貧富とか身分の差を無くすための「革命」だったのに、政権の側にいる人は富、疑問を投げかければ「反動分子」と言われ逮捕される。これで暴動が起きないはずがないが、警察と軍隊を握っているから共産党はどうにか政権を維持している。それでも長くは続かないだろう。どんなに政権がインターネットを制限しても、情報は必ず伝達されていく。どんな形でどんな風に中国が変わるのか興味深い。

 それにしても、日本でも悲惨な事件が後を絶たない。多治見市の市役所の6階から中学2年の男子が飛び降りた。自殺なのか事故なのか、警察は調べている。幼い子どもを殺してしまう親がいるかと思えば、子どもが両親を殺したケースもある。絆が強いはずの親子間でこんなことが起きるのはなぜなのだろう。姜尚中さんは「絶望がはびこってきている。つながりを失った時、人は絶望に陥る」と指摘する。産業が発展し、人々は豊かさを手に入れたのに、苛立ちや不安やそして絶望が増してしまった。ウーン?

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