詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

連鎖

2018年04月19日 | 
動いているわたしがそこにあるはずなのに
空気がそこに満ちているはずなのに
わたしのインクは広がるには不器用すぎて
わたしはわたしの書くことにうんざりする
だから他の人の書いたものを読む
他の人の文章にもときどきうんざりする
読んでいる心が剥がれかける
すると言葉の連なりがふいに
布のようになって波打つ
見えない形のまま隠されている何かに
ぐいと押されて
まだ現れてもいない言葉を
書き留めたいと思う
嘆きでも昂ぶりでも意味でもなく
柔らかく吸い寄せられそうな布に
触って手ざわりを確かめるように
その一瞬の肌に少し溺れる



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