みのる日記

サッカー観戦記のブログです。国内外で注目となる試合を主に取り扱い、勉強とその記録も兼ねて、試合内容をレポートしています。

ミラン × ローマ

2006年11月13日 | サッカー: セリエA
06/07 セリエA 第11節: ACミラン 1-2 ASローマ

今節のセリエAでは、ミラン対ローマという興味深いカードが組まれました。好ゲームになることを期待したいところですが、最近のミランがガクッと調子を落としているのが心配です。鉄壁を誇ったディフェンスにも穴が見え始めて、リーグ戦では連敗中です。3位と好位置につけているローマが相手とはいえ、ホームでこれ以上黒星を重ねるわけにはいきません。

お互いに緻密なパスワークで相手をかいくぐって行く、期待に反しない展開で試合の立ち上がりは動いて行きました。
前半7分、ローマはパヌッチのアーリークロスから、ペナルティエリア内で3人対3人の局面を作ります。このクロスに対し、DFのネスタは苦しい体勢であったために中途半端なクリアしかできません。これを拾ったタッディが中央へ送ると、フリーとなったトッティはダイレクトのボレーで、それを爽快にゴールへと沈めました。個々につききれなかったミランの守備陣、序盤からアウェーのローマへ大きな先制点を与えてしまいました。

中盤の前方でじっくりとパスを回しながら窺い、時折オリベイラの個人技や突破が炸裂し、ジワリジワリと攻め立てるミランでしたが、リードを得て守備的に進める相手を崩すのは容易なことではありませんでした。ローマは中央をガッチリと固め、中盤の底に位置するピサロやデ・ロッシと連動しながら人数をかけて、個々が位置に捕らわれずにペナルティエリア前までのスペースを総力で潰していきました。
カフーも不在のミランは、サイドアタックでも幾度か左サイドからの突破を果たすにとどまり、手こずります。こうなるともう、ローマの守備ゾーンの前からミドルレンジでのシュートを放つしか手がありませんでした。

しかし、このミドルシュートが、今日の試合の主役の一つとなっていました。華麗なシュートが両チームのゴールへ飛び交い、長距離砲の競演を見ることが出来ました。
前半21分に放ったミランのセードルフの強烈なミドルの一撃は、ゴールバーの内側を弾きます。また37分にも、オリベイラからバーを直撃するミドルシュートが出ます。
ローマもよく多人数ながら効率よく配置され、ゾーンごとにラストパスの出し所をふさぐ守備の体制はよかったのですが、そこからもう一歩、このミドルの続発を放置せずに、中距離のあたりで自由にボールを持つ相手には厳しくプレッシャーにあたってほしかったですね。
結果として、ローマは外からの一発にやられました。後半11分、長距離ながらフリーなミランMFのブロッキ。前が詰まっていて、自身がノーマークであったことから、果敢にシュートを撃っていきます。これが豪快なスピードで、ややアウト回転をかけながらゴール右に突き刺さる、素晴らしい同点弾となりました。キーパー側からしても反応に限界があるロングシュートという、見事な一撃でした。

対するローマもペナルティエリア外から魅せます。トッティがゴール端のギリギリへ、キーパーがかろうじて弾くミドルシュートを放てば、途中出場のアクイラーニも強烈な中距離弾で脅かします。再びミランを襲ったトッティのミドルは、低く直線的で綺麗にゴールへ向かいますが、惜しくもポストに当たってしまい、得点には至りませんでした。

その後は共に、流動的なパス交換で進入してチャンスまで持って行こうとする、緊迫した展開で拮抗します。が、試合終盤のとあるプレーで唐突に均衡が破られました。
ミランは自陣内でボールを取り戻すと、セードルフへと渡します。そこへ、瞬く間に詰め寄るローマのトネットに、背を向けていたセードルフは気づきません。キープする間もなく奪われ、途端に残っていたローマ選手たちによる攻撃が再開されてしまいます。そこからアクイラーニ、左のマンシーニ、ゴール前中央のトッティへと一瞬のうちにボールは移り、最後はそのトッティがヘッドで勝ち越し点をもぎ取りました。奪取してから全てワンタッチでつなぐという、スピーディーで鮮やかな得点劇でした。
それにしてもセードルフ、ならびに簡単にクリアを選択しなかったミラン守備陣、少し不注意だったでしょうか。痛い失点です。

残された時間の少ないミラン、猛反撃に出ますが、ミスなども多くてそれが実りません。終了間際にセットプレーから、ゴールへ入ったインザーギのヘディングシュートも、インザーギ自身がわずかなところでオフサイドという判定を受け、これは得点には認められませんでした。

そして試合は終了。徐々に輝きを取り戻してきていた大黒柱のトッティが、ついに大きく躍動するというかたちで、ローマは強敵相手に大きな大きな勝利を挙げ、上位をキープしました。
一方のミランは一体どうしてしまったのでしょうか・・・。力なく、ついにリーグ3連敗。今日もジラルディーノは、積極的だったオリベイラとは対照的に、倒れてばかりいるような感じで元気が無く、現在のチームを象徴するような存在でした。もちろん復活には期待したいですが、もはや、しばらくは見限る時期に来てるのではないかな、そんな思いさえあります。何とか集中力をチーム全体で取り戻し、巻き返しを図ってほしいところです。


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