みのる日記

サッカー観戦記のブログです。国内外で注目となる試合を主に取り扱い、勉強とその記録も兼ねて、試合内容をレポートしています。

レフスキ・ソフィア × バルセロナ

2006年11月24日 | サッカー: 欧州CL
UEFA チャンピオンズリーグ 06/07 第5節: レフスキ・ソフィア 0-2 FCバルセロナ

リーグ戦も、今節を含めて残り2試合となりました。現在グループ3位のバルセロナは、仮にこの試合を引き分け以下としてしまい、同時刻で戦う2位のブレーメンがチェルシーに勝利という結果になると、ブレーメンとの勝ち点差は4以上となってしまいます。すなわち最終節を待たずして、2位以内に与えられる決勝トーナメント進出権を、この日で逃してしまう可能性もある昨年度覇者のバルセロナ。アウェーとは言え、勝利が絶対条件となります。

そのバルセロナ、幸先良く先制に成功します。右サイドのザンブロッタのクロスを、グジョンセンが潰れ役となって落とし、フリーで駆け込んだジュリが右足で豪快に決めました。この調子で一気に畳み掛けていきたいところです。

しかし、ここまで4連敗で、すでにステージ敗退の決まっているレフスキ・ソフィアは、意外にもモチベーションが高く、立ち上がりからバルセロナという王者に対して全く臆することがありません。攻撃力で勝る相手に引き下がることなく、1トップながら積極的な姿勢で攻撃にチャレンジしていきました。
特徴的だったのは、1.5列目に位置するヨボフ、バルドン、アンゲロフという3選手が流動的に動き、それぞれポジションを幾たびも変えながら攻め立てていたことです。その変則的な流れで、左から右からバルセロナ陣内に侵入し、最終的にはシュートにまで至ります。そして手薄となりがちな自軍を、ボランチに入るエロモイグベが懸命にカバー。ナイジェリア出身という身体能力を活かし、タフなマーキングを続けて、チームのその積極性を後方から支えていました。
バルセロナの豪華な前線を恐れることなく、多くのサポーターが見守るホームで、現在ブルガリアリーグ首位という意地を見せるレフスキ・ソフィア。好印象な勢いの良さを披露してくれました。

それでも、結局はバルセロナの個人技の前に屈してしまいました。
後半20分です。バルセロナMFのデコが、マークをものともしない、巧みなボディバランスでのドリブル突破を果たします。そこから、自ら強烈なミドルシュート。キーパーは何とか弾きますが、そのこぼれ球をイニエスタが押し込んで、大きな追加点がバルセロナに入りました。
この失点には、さすがにレフスキ・ソフィアも大きく響いた模様で、これ以降は大きくトーンダウンしてしまいます。シュートまで全く持っていけなくなり、事実上、ここで決着はついていました。

2-0で順当勝ちを収め、何とか望みをつなげたバルセロナ。ここ最近の明るいニュースは、現在の3トップでしょう。ロナウジーニョに好調さが戻ってきて、サラゴサ戦では全3得点に絡む大活躍でした。グジョンセンも最近になって、チャンスの際には機敏な立ち回りを見せ続け、可能性を感じさせていたところに、3日前のマヨルカ戦で2得点という結果もついてきました。そしてこの日もジュリが1ゴール。エトーに続いて、メッシ、サビオラと、FW陣の離脱続出というショックを薄めさせています。
ただ今日のゲーム、特に前半戦ですが、レフスキ・ソフィアが予想に反して試合を支配することができた要因の一つとして、自分たちの集中力に欠如があったことを振り返らねばならないでしょう。早々にリードして気が緩んだのか、余りにも不注意なパスが続発していました。特に中央のモッタなど、中盤で奪われるケースが相次ぎましたが、それは必ずしも奪われた本人の責任だけではありません。出し手であった選手たちのパスが粗雑で、そこからズレが生じ、そして失敗につながっていたというのが実際のところだと思います。追加点を決めて相手が失速してからは安定してきましたが、それまではいつ同点にされて、引き分けになるという最悪な事態にも及びかねない、そんな雰囲気のある不用意な展開でありました。反省点と言っていいでしょう。

このグループAの情勢ですが、同じく第5節、2位のブレーメンは、ホームであのチェルシーを見事1-0で撃破しました。チェルシーは敗北したものの、トーナメント進出が決定。注目は、残り1枠の争いです。
勝ち点を10に伸ばし、依然として2位を維持するブレーメンと、勝ち点8で3位のままのバルセロナ。最終節、この両者の直接対決をもって、決着がつきます。バルセロナにとっては、勝利して勝ち点3を得る以外に道のない状況ですが、幸いにもホームで戦えるというアドバンテージがあります。
この最終決戦の行方を握る鍵の一つには、セットプレーがあると思われます。おそらく引き分け狙いで、崩すのが困難なほど守備をハードに固めてくるであろう相手に対し、もしフリーキックというチャンスが得られれば、バルセロナにとっては好調なロナウジーニョの一撃は大きな武器となります。またブレーメンの選手たちも、その恵まれた体格で、コーナーキックなどから今日のような一発を沈める可能性は十分にあるでしょう。

果たして、どういう結末が待っているのでしょうか。激戦が必至となるこの一戦は、12月5日に行われます。


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