記憶の断片に浸っていては前に進めない。
こんなチャンスは二度とないのだからして。
さあ、いざ行かん、ロッドマンスガータン駅!
我が家があったのはオーデンプラン駅。
そこから一駅乗って、学校に行っていた記憶がある。
ヒュートリエットの次はロッドマンスガータンでその次がオーデンプランだ。
日本の感覚よりもはるかに短い一駅。
思いの他すぐにロッドマンスガータンにたどり着いた。
駅の改札を出ると目の前に広がる四角い形の人工池。
その向こうにあるのは・・・そう、マクドナルド。
私がスウェーデン滞在中に出来た店舗だ。
とても嫌味な女だと思って欲しい。
だって・・・私、生まれて初めて入ったマクドナルドがここなのだもの。
現在のスウェーデン・マックで支払う金額は優に1000円を超す。
あらゆる物に高い税率を掛ける国の外食はとんでもなく高価なものだ。
当時もそんなにたやすく行ける場所ではなかった・・・ファーストフードなのに。
今と同じ赤い紙製カップにギュウッと入れられたポテト。
悲しげにお兄さんの手元を見ると、見かねたようにトレーいっぱいにポテトを乗せてくれたっけ。
毎回その手が通用するはずも無く、どんどんオートメーション化されていくマクドナルドでは紙カップがスキスキのままポテトを手渡すようになっていった。
母親に怒鳴られ、腹いせに家出をしてマックでたらふく飲み食いをしてやろうと思っていたあの時を思い出し、目を潤ませて歩く道。
『駅こんなに近かったんだっ!いつでも来れたじゃねーかっ!』
30年前、志半ばで諦めた計画が、こんなにも簡単な物だったことが悲しくて切なくて・・・泣けてきた。
だからと言って・・・その意趣返しでたらふくマックを食べようなんて・・・もう思わない。
年齢的に肉より魚が良くなってきたからだ。
テクテクテクテク・・・私のノスタル散歩は続いた。
マックの並びにあった文房具屋さんが未だにあることに感激しつつ歩くと、信号。
『わかってる。左だよね。』
誰に返事をしているわけでもない独り言。
左折して坂をゆっくり上がると・・・そこはオーデンプラン。
『ただいま~。なーんも変わってないね、オーデン。』
あまりの懐かしさに、駅になんだか人になんだかわからない挨拶を興奮気味に繰り返すばかり。
『ただいまっ!ただいまっ!ただいま~!!!』
教会公園を中央にして二つに分かれる道の分岐点に駅はあり、そこのキオスクでしょっちゅうアイスクリームや菓子を買っていた。
今もあるのか、あのキオスク?
『あるかなぁ~・・・?ええー、あったよ、あった!!間違いなくこのキオスクだよっ!』
せっかくだからあの時食べていたあのアイスを頬張りたい。
扱っているアイスまで30年前と同じだなんて、感激だ。
これこれ、これが食べたいんだよぉぉぉ。
「アイル テイク ディス ワン」
「オゥーヤ、ネーイッ(無い)!!」
(・・・・・・・・!?)
「・・・オッケー デン ワット アバウトゥ ディス」
「オゥーヤ(がさごそ探す)、ネイッ!!」
(・・・・・・!!!!!!)
・・・一瞬気が遠くなった。まさか・・・まさかだろっ!
店は30年間残っていたとしても・・・まさかあんたまでっ!!
ありえない!だって、あの時のあなたは既に老婆だったじゃないの。
確かに今のあなたは90過ぎのヨボヨボばーさんに見えるけど・・・いくらなんでも計算が合わないよっ!!
震える指先で次から次へとアイスの絵を指す私と、次から次へと「ネェーイ!!」と言い張るばーさん。
じゃあ何があるのかと黙ってしまうのを待ってあなたは言うのよね。
「今あるのはこれとこれ。どっちがいい?」
あの時、毎日のように思っていて言えなかった事を今言ってあげる。
『ばばあっ!ちゃんと仕入れをしっかりしておけよっ!何週間欠品してんだよおおおおおっ!』
まっ、何も言えなかったから・・・ばーさんお薦めのアイスをまたしても食べる羽目になったんだけどね。
これも30年前と同じ。
こんなチャンスは二度とないのだからして。
さあ、いざ行かん、ロッドマンスガータン駅!
我が家があったのはオーデンプラン駅。
そこから一駅乗って、学校に行っていた記憶がある。
ヒュートリエットの次はロッドマンスガータンでその次がオーデンプランだ。
日本の感覚よりもはるかに短い一駅。
思いの他すぐにロッドマンスガータンにたどり着いた。
駅の改札を出ると目の前に広がる四角い形の人工池。
その向こうにあるのは・・・そう、マクドナルド。
私がスウェーデン滞在中に出来た店舗だ。
とても嫌味な女だと思って欲しい。
だって・・・私、生まれて初めて入ったマクドナルドがここなのだもの。
現在のスウェーデン・マックで支払う金額は優に1000円を超す。
あらゆる物に高い税率を掛ける国の外食はとんでもなく高価なものだ。
当時もそんなにたやすく行ける場所ではなかった・・・ファーストフードなのに。
今と同じ赤い紙製カップにギュウッと入れられたポテト。
悲しげにお兄さんの手元を見ると、見かねたようにトレーいっぱいにポテトを乗せてくれたっけ。
毎回その手が通用するはずも無く、どんどんオートメーション化されていくマクドナルドでは紙カップがスキスキのままポテトを手渡すようになっていった。
母親に怒鳴られ、腹いせに家出をしてマックでたらふく飲み食いをしてやろうと思っていたあの時を思い出し、目を潤ませて歩く道。
『駅こんなに近かったんだっ!いつでも来れたじゃねーかっ!』
30年前、志半ばで諦めた計画が、こんなにも簡単な物だったことが悲しくて切なくて・・・泣けてきた。
だからと言って・・・その意趣返しでたらふくマックを食べようなんて・・・もう思わない。
年齢的に肉より魚が良くなってきたからだ。
テクテクテクテク・・・私のノスタル散歩は続いた。
マックの並びにあった文房具屋さんが未だにあることに感激しつつ歩くと、信号。
『わかってる。左だよね。』
誰に返事をしているわけでもない独り言。
左折して坂をゆっくり上がると・・・そこはオーデンプラン。
『ただいま~。なーんも変わってないね、オーデン。』
あまりの懐かしさに、駅になんだか人になんだかわからない挨拶を興奮気味に繰り返すばかり。
『ただいまっ!ただいまっ!ただいま~!!!』
教会公園を中央にして二つに分かれる道の分岐点に駅はあり、そこのキオスクでしょっちゅうアイスクリームや菓子を買っていた。
今もあるのか、あのキオスク?
『あるかなぁ~・・・?ええー、あったよ、あった!!間違いなくこのキオスクだよっ!』
せっかくだからあの時食べていたあのアイスを頬張りたい。
扱っているアイスまで30年前と同じだなんて、感激だ。
これこれ、これが食べたいんだよぉぉぉ。
「アイル テイク ディス ワン」
「オゥーヤ、ネーイッ(無い)!!」
(・・・・・・・・!?)
「・・・オッケー デン ワット アバウトゥ ディス」
「オゥーヤ(がさごそ探す)、ネイッ!!」
(・・・・・・!!!!!!)
・・・一瞬気が遠くなった。まさか・・・まさかだろっ!
店は30年間残っていたとしても・・・まさかあんたまでっ!!
ありえない!だって、あの時のあなたは既に老婆だったじゃないの。
確かに今のあなたは90過ぎのヨボヨボばーさんに見えるけど・・・いくらなんでも計算が合わないよっ!!
震える指先で次から次へとアイスの絵を指す私と、次から次へと「ネェーイ!!」と言い張るばーさん。
じゃあ何があるのかと黙ってしまうのを待ってあなたは言うのよね。
「今あるのはこれとこれ。どっちがいい?」
あの時、毎日のように思っていて言えなかった事を今言ってあげる。
『ばばあっ!ちゃんと仕入れをしっかりしておけよっ!何週間欠品してんだよおおおおおっ!』
まっ、何も言えなかったから・・・ばーさんお薦めのアイスをまたしても食べる羽目になったんだけどね。
これも30年前と同じ。