夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『図書館戦争 THE LAST MISSION』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の20本目@なんば)

2015年10月19日 | 映画(た行)
『図書館戦争 THE LAST MISSION』
監督:佐藤信介
出演:岡田准一,榮倉奈々,田中圭,福士蒼汰,西田尚美,橋本じゅん,
   土屋太鳳,相島一之,児玉清,松坂桃李,栗山千明,石坂浩二他

前編である『図書館戦争』(2013)公開から2年半。
監督・脚本・音楽・キャストともに同チームによる続編です。

1988年に「メディア良化法」が制定されてから30年以上が経過した近未来。
国家による思想検閲やメディア規制が横行する日本。
政府から図書を守る図書隊のうち、類い希なる身体能力を持ち、
厳しい鍛錬を積んだ隊員が所属するのが図書特殊部隊。
そんな図書特殊部隊唯一の女性隊員・笠原郁(榮倉奈々)は、
想いを寄せる鬼教官・堂上篤(岡田准一)のもと成長している。

あるとき、この世に1冊しかない『図書館法規要覧』が貸し出されることに。
“自由の象徴”とされるその要覧は、表現の自由をテーマに催される芸術展に展示予定。
図書特殊部隊が会場への輸送と警護を任されるものの、
メディア良化隊が要覧を奪いに来るのは必至。
会場にただちに運び込むのは危険だと、一時的に保管するために茨城県立図書館へ。
楽勝の任務だと思われたが、これは手塚慧(松坂桃李)が仕組んだ罠で……。

なんというのか、普通の戦闘映画になってしまっています。
表現の自由がとか本を守らねばとか言うけれど、
出てくるシーンはひたすら武器を持って闘うばかり。
持って走るのが本じゃなくても全然かまわん展開。
原作者の有川浩は自衛隊オタク、こんな映画化こそ夢だったのかなぁと思ったりして。

榮倉奈々ちゃんって不思議な女優ですね。
演技はどちらかと言えば下手だし、ぺっぴんさんというわけでもない。
だけどなんか可愛い。めちゃ可愛い。岡田くんとの掛け合いが面白すぎる。

バトルに恋愛を絡めただけの作品であることは否めませんが、
まぁこんなもんかしらん。

私もお好み焼きは豚玉一択で。

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『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の19本目@なんば)

2015年10月18日 | 映画(あ行)
『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』(原題:A Most Violent Year)
監督:J・C・チャンダー
出演:オスカー・アイザック,ジェシカ・チャステイン,デヴィッド・オイェロウォ,
   アレッサンドロ・ニヴォラ,アルバート・ブルックス他

原題は“A Most Violent Year”、つまりは「もっとも暴力的な年」。
ニューヨークで犯罪がもっとも多く発生したのが1981年なのだそうです。

ニューヨークでオイル業界に新規参入を果たした移民のアベルは、
不正や暴力がはびこるこの業界で、クリーンなビジネスを貫く姿勢を見せる。
それがいい方向に動き、業績を着実に伸ばしてきた。

1981年、アベルはさらなる事業拡大のため、川沿いの広大な土地の購入を決意。
頭金として全財産近くを投入しなければならないが、
ギャング一族に生まれた妻のアナが金の工面をするというのを断り、
必ず自分自身でなんとかすると誓う。
この土地を購入することによって、業界最大手の会社となるはず。

しかし、彼の会社の成長をやっかむ者の仕業か、
積み荷のオイルがタンクローリーごと強奪される事件が後を絶たない。
運転手が酷く殴りつけられることも多く、従業員が怯えている。
運転手組合の幹部は、全運転手に銃を持たせるようにとアベルに訴えるが、
無許可で銃を携帯させることなどアベルの信条に反する。

強奪事件だけでも頭が痛いのに、捜査当局からは脱税の嫌疑をかけられる。
そのせいで長年のつきあいだった銀行から融資を断られ、前途多難どころかお先真っ暗。
不安を隠せず、会社の会計を預かるアナとの仲もぎくしゃくしてきて……。

実話が基なのかと思っていましたが、フィクションらしく。
男気あふれる、地味ながら見応えのある作品です。

会社の顧問弁護士役アルバート・ブルックスにちょっと和まされ、
昔はものすごい色男だと思っていたアレッサンドロ・ニヴォラ
今でも色っぽくはあるけれどやっぱり年を取ったなぁと残念。

移民が不正に手を染めずにのし上がっていくことの大変さ。
だけど最後までそれを貫くことは難しく、綺麗事では済まされないのでした。

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『マイ・インターン』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の18本目@西宮)

2015年10月17日 | 映画(ま行)
『マイ・インターン』(原題:The Intern)
監督:ナンシー・マイヤーズ
出演:ロバート・デ・ニーロ,アン・ハサウェイ,レネ・ルッソ,アンダース・ホルム,
   アンドリュー・ラネルズ,アダム・ディヴァイン,ザック・パールマン他

西宮で観た3本中、もっとも期待していたのが本作。
そしてやっぱりその3本の中ではこれがいちばん好きでした。

ナンシー・マイヤーズ、御年65歳。
監督作は決して多くはないですが、脚本もいつも自身でご執筆。
後味抜群、元気をもらえる作品ばかり。

ファッション通販サイトを起業したジュールス(アン・ハサウェイ)。
1年半前に20人ちょいで始めたこの会社は、いまや社員220人。
短期間で急成長を成し遂げたのは嬉しいが、忙しすぎる。
夫のマットは専業主夫となることを選択、
仕事を辞めて家事のいっさいを引き受け、幼い娘ペイジの面倒をみている。
「主夫にもたまには休みがほしい」とつぶやきながら。

一方、やもめのベン(ロバート・デ・ニーロ)は70歳。
妻に先立たれてから、あり余る時間にいろいろなことをしてみた。
旅行に語学レッスン、各講座。息子一家もいつだって優しい。
いずれもその時間中は楽しいが、帰宅したときに襲いかかる虚しさ。
このままではいけないと思っていた折りに目についたチラシ。

それはジュールスの会社が出した求人案内で、シニア・インターン制度というもの。
高齢者を雇えば地域貢献と会社のイメージアップになる。
ジュールスに年寄りの相手をするヒマなどないのだが、
彼女の右腕から進言されて、ついつい生返事をしてしまったらしい。

面接に訪れたベンは人当たりの良さから採用決定。
しかもジュールス専属の勤務を言い渡されるが、
ジュールスからは「あなたに頼みたい仕事はないから適当に」と言われ……。

何がどうってことはない話です。
でもサクサク進んで笑えて泣けて、気づいたら終わっていてスッキリした。そんな感じ。
こんな年齢差の男女が、こんな友人関係を築けたら素敵だなと思うわけですが、
それはおそらくロバート・デ・ニーロだからこそ。
ジュースルとベンの間でジジイの妄想が炸裂しないからこその安心感。
これでどちらかが妙な気を起こす展開だとゲンナリするところ。
会社に雇われているマッサージ師フィオナ役のレネ・ルッソも素敵で、
ここに落ち着いてくれてよかったと思うのでした。

『プリティ・プリンセス』(2001)以後の5年はそのイメージが消えなかったアン・ハサウェイ。
『プラダを着た悪魔』(2006)で払拭したと思われますが、
個人的には整形的美女であることを自虐ネタにしたかのような『ゲット スマート』(2008)が
彼女の転機だったかなと思っています。んなことはないか。(^^;

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『ファンタスティック・フォー』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の17本目@西宮)

2015年10月16日 | 映画(は行)
『ファンタスティック・フォー』(原題:The Fantastic Four)
監督:ジョシュ・トランク
出演:マイルズ・テラー,ケイト・マーラ,マイケル・B・ジョーダン,
   ジェイミー・ベル,トビー・ケベル他

マーベル・コミックのスーパーヒーローで、4人組の人気者。
2005年と2007年にも映画化された作品のリブート版
日本ではまだまだ知名度の高くない4人だから、ヒットは難しいと思われますが、
監督は『クロニクル』(2012)が相当おもしろかった新鋭ジョシュ・トランク。

発明オタクの小学生リードは、教師や同級生から常に変人扱いされてきた。
それでも彼にとって「変人」は褒め言葉。めげることはない。

唯一、彼の発明に興味を示したのが同級生のベン。
ベンの協力を得てリードは物質転送装置の発明に挑む。
誰にも相手にされないまま7年が経過したが、
あるとき、バクスター財団のストーム博士の目に留まる。

財団の学生研究員にスカウトされたリードは、
博士の養子スーとジョニー、トラブルメーカーだが優秀な研究者ビクターとともに、
本格的な転送装置を完成させる。
幼いころから「初めて転送される人物になること」が夢だったリードはウキウキ。
ところが、金儲けを企む財団幹部から快挙をかすめ取られそうになり憤慨。
リードはベンを呼び出すと、ジョニー、ビクターの4人で転送装置に乗り込み、
異次元空間へと移動することに成功。

それに気づいたスーが、大事にならないうちに4人を連れ戻そうとするが、トラブル発生。
ビクターは異次元で行方不明になり、帰還した3人と、装置を操作していたスーまでもが
異次元パワーによって超能力を身につけてしまい……。

リード役に『セッション』(2014)が素晴らしかったマイルズ・テラー。
なんと言っても嬉しいのは、『リトル・ダンサー』(2000)の子役、ジェイミー・ベル
ここのところ脇役であれいろいろな作品に出演していることでしょう。
ヤクや酒にまみれてハリウッドから消えてしまう子役が多いなか、
彼がちゃんと残っているのはイギリス出身だからということもないのかしらん。

フリーパスがなかったらスルーしていたかもしれない作品。
鑑賞後の今も、観ても観なくてもどっちでも良かった感じです(笑)。
キャスト控えめでストーリーとしても盛り上がりに欠けるから、
続編ありありな感じのエンディングにもかかわらず、これで終了してしまいそう。
4人には気の毒だけど、ほかの作品でがんばってください。

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『先生と迷い猫』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の16本目@西宮)

2015年10月15日 | 映画(さ行)
『先生と迷い猫』
監督:深川栄洋
出演:イッセー尾形,染谷将太,北乃きい,ピエール瀧,嶋田久作,
   佐々木すみ江,カンニング竹山,もたいまさこ,岸本加世子他

猫好きですもの、これは観ないわけにはいきません。
ゆるすぎたら睡魔に襲われてしまうかもと思っていましたが、
意外にメリハリがあって眠らずに済みました。
深川栄洋監督の作品は良くも悪くも無難。これは無難にイイ感じ。

中学校の校長を務めていた恭一(イッセー尾形)は近所でも有名な偏屈老人。
町を歩けばみんなが「校長先生」と声をかけてくれるが、
変わり者の彼と親しく言葉を交わす者などいない。

妻の弥生(もたいまさこ)に先立たれ、独り暮らしとなった彼のもとへ、
毎日決まって姿を見せるのが、弥生が可愛がっていた三毛猫のミイ。
野良猫の分際で、恭一の知らぬ間に家の中に上がり込んでは、
弥生の仏壇の前に偉そうに座っているのだ。
それを見ると、恭一は亡き妻のことを責められているような気がして堪らない。

実はミイを可愛がっているのは弥生だけではなかった。
床屋を営む容子(岸本加世子)、クリーニング店を手伝う真由美(北乃きい)、女子高生(久保田紗友)、
それぞれがそれぞれの場所でミイと会い、それぞれの名前で呼んでいる。
タマ子、ソラ、ちひろ。そんなに名前があるとは、ミイ以外は知らなかったこと。

ある日、ミイを見ているのがどうにも辛くなった恭一は、
家のいっさいの隙間をふさぎ、ミイが勝手に出入りできないようにする。
ガラス戸越しに中に入れろと訴えるミイを無視。
そのうちミイはあきらめてどこかに行った模様。

ミイが来なくなってせいせいしたはずだった。
ところがその後、ミイが町のどこにも現れなくなったことを恭一は知る。
あちこちで可愛がられていたことをあらためて知り、
恭一は容子や真由美と協力してミイを探しはじめるのだが……。

恭一のもとを定期的に訪問する市役所の祥吾役に染谷将太、猫アレルギー。
雑貨店の店主にピエール瀧、猫なんてどうでもいい。
自動車整備工場のオーナーに嶋田久作、猫をこよなく愛する。
祥吾の認知症の祖母に佐々木すみ江、猫に癒やされる。
こんなふうに猫との関わりかたはさまざま。

猫の死体を見つける小学生の描き方が中途半端で気になります。
もっと掘り下げられそうな部分がいろいろあるから、
全体的に雰囲気だけになってしまった印象も若干。
それも良くも悪くも……なのでした。

すばらしい演技力を見せるミイ役のドロップちゃんは、
『あまちゃん』でデビューした三毛猫だそうです。
無難だと言ったって、猫好きだったらへにゃへにゃになっちゃうはず。
癒されてください。

I can do it.

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