『フローズン・リバー』(原題:Frozen River)
監督:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ,ミスティ・アッパム,チャーリー・マクダーモット他
2008年に各地の映画祭でグランプリを受賞した作品でありながら、
地味すぎるゆえ、日本ではDVDスルーになるかと思われましたが、
昨年晴れてミニシアターにて公開。
あまりに暗鬱そうで劇場へは足が向かず
(暗い作品は基本的に好きですが、心身共に元気なときでないと疲れるので)、
クエンティン・タランティーノ絶賛という触れ込みに惹かれてレンタル。
劇場で観なかったことを強く後悔しました。
アメリカ、ニューヨーク州の最北端。
カナダとの国境近くの、先住民モホーク族の居留地と隣り合わせの町。
この町のトレーラーハウスに住む中年の白人女性レイは、
新しいトレーラーハウスの購入資金を車に積んでおいたところ、
ギャンブル好きの夫に車ごと持ち逃げされ、
2人の息子を抱えて途方に暮れる。
レイは、モホーク族が経営する賭博場で夫の車を発見。
しかし、運転していたのはモホーク族の若い女性ライラで、
盗んだのではなく、バス停に放置されていた車を拾っただけだと主張する。
車を返そうとしないライラに銃を向けるレイ。
ライラは仕方なく返却に応じる。
息子たちを独りで育てる覚悟はできていても、生活費が底をつき、
食事としてポップコーンしか与えることができない。
どうにかしてこの生活から抜け出したいと思うレイ。
一方のライラは、夫に先立たれた後、幼い子どもを義母に奪われ、
いつか子どもを引き取ろうと決心していた。
レイの様子から何かを察したのか、
ライラは車を高く買い取ってくれる人物を紹介すると言う。
ライラを車に乗せて向かった先は、実は密入国の斡旋事務所。
カナダ側から来た密入国希望者を車のトランクに隠し、
凍ったセントローレンス川を渡ってアメリカ側に入れるのだ。
違法なことはできないと思いつつ、
1人につき1200ドルという報酬を得るチャンスを逃したくなくて……。
厳しい冬の景色のなか、淡々と物語は進みますが、
魂を揺さぶられる作品です。
カナダからアメリカへの密入国については本作で初めて知りました。
監督が、犯罪の善悪を問う以前に主人公に感情移入させたいと話していたと知り、
その狙いどおりになっていると思いました。
サスペンスとしての醍醐味もたっぷり。
ラスト間際はふたりのやりとりが胸に染みます。
年始早々こんな佳作に逢えたことに感謝。
監督:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ,ミスティ・アッパム,チャーリー・マクダーモット他
2008年に各地の映画祭でグランプリを受賞した作品でありながら、
地味すぎるゆえ、日本ではDVDスルーになるかと思われましたが、
昨年晴れてミニシアターにて公開。
あまりに暗鬱そうで劇場へは足が向かず
(暗い作品は基本的に好きですが、心身共に元気なときでないと疲れるので)、
クエンティン・タランティーノ絶賛という触れ込みに惹かれてレンタル。
劇場で観なかったことを強く後悔しました。
アメリカ、ニューヨーク州の最北端。
カナダとの国境近くの、先住民モホーク族の居留地と隣り合わせの町。
この町のトレーラーハウスに住む中年の白人女性レイは、
新しいトレーラーハウスの購入資金を車に積んでおいたところ、
ギャンブル好きの夫に車ごと持ち逃げされ、
2人の息子を抱えて途方に暮れる。
レイは、モホーク族が経営する賭博場で夫の車を発見。
しかし、運転していたのはモホーク族の若い女性ライラで、
盗んだのではなく、バス停に放置されていた車を拾っただけだと主張する。
車を返そうとしないライラに銃を向けるレイ。
ライラは仕方なく返却に応じる。
息子たちを独りで育てる覚悟はできていても、生活費が底をつき、
食事としてポップコーンしか与えることができない。
どうにかしてこの生活から抜け出したいと思うレイ。
一方のライラは、夫に先立たれた後、幼い子どもを義母に奪われ、
いつか子どもを引き取ろうと決心していた。
レイの様子から何かを察したのか、
ライラは車を高く買い取ってくれる人物を紹介すると言う。
ライラを車に乗せて向かった先は、実は密入国の斡旋事務所。
カナダ側から来た密入国希望者を車のトランクに隠し、
凍ったセントローレンス川を渡ってアメリカ側に入れるのだ。
違法なことはできないと思いつつ、
1人につき1200ドルという報酬を得るチャンスを逃したくなくて……。
厳しい冬の景色のなか、淡々と物語は進みますが、
魂を揺さぶられる作品です。
カナダからアメリカへの密入国については本作で初めて知りました。
監督が、犯罪の善悪を問う以前に主人公に感情移入させたいと話していたと知り、
その狙いどおりになっていると思いました。
サスペンスとしての醍醐味もたっぷり。
ラスト間際はふたりのやりとりが胸に染みます。
年始早々こんな佳作に逢えたことに感謝。