夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『羊と鋼の森』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の18本目@伊丹)

2018年06月18日 | 映画(は行)
『羊と鋼の森』
監督:橋本光二郎
出演:山崎賢人,鈴木亮平,上白石萌音,上白石萌歌,堀内敬子,仲里依紗,
   城田優,森永悠希,佐野勇斗,光石研,吉行和子,三浦友和他

土曜日に西宮で希望どおりの3本ハシゴができたおかげで、
日曜日は西宮より断然近い伊丹で週末公開作品の網羅可能。
通常、駐車券は最大で2枚までしか使えないけれど、
映画を3本以上観るときにゲートを開けてくれる駐車サービスにも慣れっこ。
朝9時半に到着、お帰りは?と尋ねられて、夜7時には出ますと答えました。

とても好きな作家、宮下奈都
第13回本屋大賞に輝いた同名ベストセラーはわりと最近読みました。
あまり早く読むと内容を忘れちゃいますからね。レビューはこちら
宮下奈都の作品の中ではいちばんという感じじゃないなぁと思っていたのですが、
この映画版はとてもいい。もう一度読み直して余韻に浸りたくなりました。
薄闇の体育館の中、雪のあかりに照らし出されるピアノ。
この冒頭のシーンで見事に引き込まれます。

北海道の山奥で生まれ育った外村直樹(山崎賢人)。
将来の目標などないままに高校生活が終わろうとしていたある日、
担任教師から頼まれて、放課後の体育館へ客を案内する。

その客はピアノの調律師・板鳥宗一郎(三浦友和)。
体育館のステージ上に置かれているピアノを調律しに来たのだ。
案内だけして立ち去ろうとしたとき、板鳥が叩いた鍵盤の音に思わず振り返る。
そこに森のにおいがしたから。

東京の調律の専門学校を卒業した直樹は北海道に帰り、
板鳥が勤務する江藤楽器店に就職する。
しばらくは先輩調律師の柳伸二(鈴木亮平)に同行することになり、
さまざまなピアノの持ち主や弾き手と出会う。

そんな弾き手のうちの一組が佐倉和音(上白石萌音)と由仁(上白石萌歌)。
姉妹でありながら性格もピアノの弾き方も対照的なふたりに会い、
直樹は調律のむずかしさを実感するのだが……。

原作の良いところがギュッと詰まった感じです。
恋愛ものが多いイメージの賢人くん、私はこの役が今まででいちばん好き。
江藤楽器店に初出勤したさいの、彼の表情にはこちらがニッコリ。

もうひとりの調律師・秋野匡史(光石研)は、柳とはちがって素っ気ない。
ひねくれた人間なら何この人と思いそうなところ、
直樹の頭にはちらりともそんなことはよぎりません。
彼の「知りたい」と思う素直な気持ちがそうしてみんなに届く。

原作で大好きだったゆで卵に関するくだりがきちんと出てくるのも楽しい。
ついでにそれがどんなくだりだったかを記しますと、
「蒸したアスパラガスに添えるのは、温泉卵に近いようなとろとろのゆで卵がいい。
それをソースのようにからめて食べるとおいしい。だろ?
お客さんはそれを食べたことがあって、その上で尚、かたゆでがいいと言っているのか、
もしくはゆですぎた卵しか知らなくてかたゆでがいいと言っているのか、
その辺の見極めが難しいんだ」。
お客さんの言う「かたい音」ってどんな音だろうと悩む直樹への柳の言葉です。
すごくいい例え。

映像化してこんなにウキウキさせられる作品も久しぶり。
欲をいえば、秋野の調律を見てみたかったかも。

カンヌでパルムドールを受賞した『万引き家族』が絶賛公開中ですが、
ハッピーエンドを見たい人にはこちらをお薦めします。
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