夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ヒューマン・レース』

2014年05月18日 | 映画(は行)
『ヒューマン・レース』(原題:The Human Race)
監督:ポール・ハフ
出演:ポール・マッカーシー=ボーイントン,エディ・マッギー,トリスタ・ロビンソン,
   T・アーサー・コッタム,ドミツィアーノ・アルカンジェリ他

DVD鑑賞した作品を書きためておいたら、UPする機会を失してばかり。
旧作扱いにならぬうちにUPします。

3月上旬にレンタルが開始された劇場未公開のアメリカ作品。
ジャケットには楽しげなイラストが描かれていて、
「謎の空間に拉致されて来た80人。彼らに強制される、前代未聞の理不尽競走!
 死にたくなければ…走れ!!!」との内容紹介。

てっきりブラックコメディだと思って借りました。
しかし、本編前の他作品の予告編を観ているうちに不安に。
たいてい、B級作品にはB級作品の予告編が入っているものです。
本作はB級どころかC級の予告編だらけ、
本編は不安が的中して、思いっきり摩訶不思議なホラーでした。

未公開作品をご紹介するときの恒例で、ネタバレ全開で~す。

なんら変わらぬ日常を送っていた老若男女が、
閃光に包まれるとともに意識を失い、目覚めるとそこは殺風景な見知らぬ土地。
何者かによって集められたのは、同地区にいた80人らしい。

天から聞こえるまるで神の声。それが80人の頭の中に響きわたる。
勝者は1人のみ、家と学校と刑務所は安全。
レースを拒む、道から外れる、矢印に逆らう、2周遅れる、
草に触れる、以上の場合は命はない。

強制的にレースに参加させられた80人は、死にたくなければ走るしかない。
勢いで道から弾き出された女性が草地に倒れ込むと、
みるみるうちに全身に青筋が立ち、頭がぶっ飛んで血が噴出。

こうしてみんな走り出すが、1人1人と死んでゆき……。

冒頭からワケわからん度満点。
母と妹を病気で亡くした女性ベロニカが、同じ病気だと診断されます。
ヒロインにふさわしいルックスの彼女は突然ジョギングを開始。
体力作りに励み、天に向かって「クソくらえ」と叫ぶと、病気は完治。
ところがその瞬間に閃光に包まれ、レーススタート地点へ。
ヒロインだと思われていた彼女が上記のように最初に死ぬ女性。
いったいこれからどうなるねん。

戦地から生還したジャスティンとエディ。
片足を切断する重傷を負ったエディを見捨てなかったジャスティン。
固い絆で結ばれた2人が車内でバカ話をしているときに閃光が。

ジャスティンとエディが車から眺めていた聴覚障害者の男女。
この2人もまた手話で会話中に閃光に包まれます。

そのほか、元アスリートとか、体が不自由な老人とか、神父に妊婦、子どもも。
元アスリートは自分こそが生き残るのだと、走る走る。
彼に2回抜かされた参加者らは即アタマがぶっ飛びます。
それが社会的弱者であっても情け容赦なく殺してしまうのだから、監督に唖然。

ベロニカ死亡後、んじゃこっちが主役かなと思われたジャスティン。
彼はエディと協力して参加者を一旦止め、
この状況を打破する方法を考えようと提案しますが、
元アスリートはそんなことは聞くつもりがないし、
殺人に快感を見出す兄弟なんぞもいて、どうにもこうにもなりません。
で、ジャスティンも結局プスっと刺されて死んでしまうのですねぇ。

聴覚障害の男女においては、男性のほうが「どうせ死ぬんだからさぁ」と
女性に迫ったことに女性は憤慨。2人で争って男性がお陀仏。

最後の2人として残るのは、松葉杖のエディと聴覚障害の女性。
争うつもりのなかったエディを女性が草地に押し出しますが、
松葉杖を駆使して脚を草に接地させなかったエディ。
向こうがこっちを殺す気なら仕方ないと、エディが女性に襲いかかります。

最後に生き残ったのはエディでしたが、
これはいったいどういうことだったのかと言うと、異星人のほとんどヒマつぶし。
天使とは名ばかりのグロテスクな風体の異星人が、
人類の代表者エディと天使の代表者で再びレースして勝者を決めましょうと。
新たなレース開始となるシーンでおしまい。

どうしたらいいですかね、これ。
見どころは、エディの華麗な松葉杖さばきかと。

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