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『恋のしずく』

2018年11月21日 | 映画(か行)
『恋のしずく』
監督:瀬木直貴
出演:川栄李奈,小野塚勇人,宮地真緒,中村優一,蕨野友也,
   西田篤史,東ちづる,津田寛治,小市慢太郎,大杉漣他

高校時代の同級生女子と南森町で飲み会だった日、午後休を取りました。
無謀なハシゴは控えようと思っていたのに、
どうしても秒刻みのスケジュールを組みたくなってしまう。(^^;

正午の鐘と同時に職場を出ました。
阪急箕面駅前に車を置き、ダンナに乗って帰ってもらうことになっていたので、
12:30箕面発の電車に乗るという目標を立てる。
駐車したのが12:18で、余裕ありすぎだと駅までのんびり歩いたら、
改札から電車が停まっているのが見える。走ろうとしたときにはすでに遅し。
急いだら12:20発に乗ることも可能なのかぁ。悔やまれます。

12:50に十三駅に到着。第七藝術劇場へ。まずは本作を観ました。
この日の晩の飲み会とは関係ない、高校のクラブの先輩が、
瀬木直貴監督を応援する会に入っているとかで、「観て!」と強く言われていた作品です。
この先輩、もとは決して映画好きというわけではなく、
劇場での映画鑑賞は年に1回あるかないか、しかも娯楽大作しか観ない人。
ところが『神さまの轍 Checkpoint of the life』の製作現場に居合わせて、そのときにナナゲイ初体験。
ミニシアター作品を1,800円出して観るなんてと言うてはった人なのに、
いまやお気に入り監督の力強い宣伝隊となって走り回っていらっしゃいます。

東京の農業大学で醸造学を学ぶリケジョ、橘詩織(川栄李奈)。
日本酒は体質的に合わないらしく、酷く酔った苦い思い出がある。
日本酒の香りだけで拒否反応を示してしまうが、ワインは大好き。
詩織は著名なソムリエも驚くほどの知識と舌を持っており、
いずれフランスに留学したいと思っている。

そんな詩織だから、実習先には当然ワイナリーを希望していたのに、
教授(津田寛治)はよりによって酒蔵へ行けと言う。
ボイコットも辞さない様子の詩織に対して、教授は「やりたいならやれば。
ただし、実習に行かなければ留学にも応募できないよ」。

泣く泣く詩織が出向いたのは、日本三大酒処のひとつ、東広島市の西条。
乃神酒造に到着すると、今年は実習生の受入を断ったと言われる。
蔵元の乃神輝義(大杉漣)は体調が悪く、断ったはずなのに、
その息子・完爾(小野塚勇人)が酒造を継ぐ気もないくせに、勝手に承諾したらしい。
このまま帰京するしかないかと思われたが、留学できなくなるのは困る。
途方に暮れていたところ、酒米農家の娘・高宮美咲(宮地真緒)が仕事を手伝わせてくれることに。

責任を感じる蔵元は、杜氏の坪島泰淳(小市慢太郎)に詩織を引き合わせ、
なんとか実習を形にするのだが……。

大杉漣の遺作となりました。本作中でも途中で亡くなってしまう役柄の漣さん。
父親と息子の確執のきっかけが実は息子の誤解であったことが、
漣さん演じる父親が亡くなってからわかります。
人って、なぜ生きている間に話せないんでしょうね。
言わなわからんのですから、言おうよお父さん、聞こうよ息子。

料理も酒も、ある程度お金を突っ込まないとわからんと私は思っていますから、
学生でこんなにワインに詳しい人がいたら、
いったい誰に飲ませてもろてんと聞きたくなる。これは単なるやっかみか(笑)。
日本酒と洋食のペアリングが楽しかったですね。
とんかつに純米酒を熱燗で。今度やってみます。

応援したくなる作品です。
明後日からは塚口サンサン劇場で上映。ぜひどうぞ。

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