夢中でござる(リプライズ)またはレコードのことなど

2008年09月05日 | 日記
みなさん、『へうげもの』というマンガをご存知ですか?
戦国時代の武将・古田織部が主人公の、週刊モーニングで現在も(隔週で)連載中の山田 芳裕という作者のマンガです。
”織部焼” とか千利休とかを好むダンナがたまたま本屋で見つけて最近買ってきたので、私も読み出したのですが、コレがたまらなくオモロイのです!!

今も読んでる横山光輝版『三国志』と同じで、歴史にめっぽう無知な私は、もうその歴史のこと、歴史上の人物のことを伺い知れるだけでも大変面白いのですが、この『へうげもの』はプラスの魅力として、「数奇者」、このことを大変興味深く、また面白く描いているトコにあるんです!

大げさにいいましたらば、ちょっと自分の趣味や生き方に対する考え方に、確固とした視点を与えてくれるといいますか、まぁ自分を肯定してくれるというか、要は私で言えばこれからの「音楽への突っ走り方」を応援してくれるような、そんなマンガなんです。

数奇者。数寄者とも書く。すきしゃ。すきもの。
つまり趣味や嗜好を極めること。専門業とはせずに何らかの芸事に打ち込む様。

一般的には茶の湯の世界でのことを指すその言葉。
このマンガの古田織部も戦国時代の超ど真ん中、織田信長や豊臣秀吉の下、激しい武の道を歩んでいるのですが、いかんせん、希代の数奇者。

見事な茶道具の茶碗や釜や茶室、例えばこういうの↓を



こーんなカンジや


欲ちぃ(パクっちゃえ)って顔

こーんなカンジ


・・・もさい・・・!!の顔


ちゅうわけで、その一喜一憂する様が面白くって、で、それらを得る為に功名をたてるよう勤しんだりしてて。
その様子は、なんだか誰もが何かにハマってて、何かをコレクションしてるような、そしてお給料の中から必死にやりくりしているような、そんな現代人がすごくシンパシーを感じる姿なんですよね。戦国時代も、そう遠くない話なんだなぁ。





ちなみにこれ↑は今までキンキラした豪華な物、名の有る物が好きだったけれど、わびさびの効いた”渋い”ものの良さが分かった後に、自分の中でもとびきりキンキラ豪華だったコレクションの1つを見て恥ずかしがる織部(笑)


そんで、その茶碗などのどういった「成り」が自分の中でどう響いているのかを表す時に表現される際「はにゃぁ」とか「めたっ」とか、そういう感覚的な言葉なトコがまた「分かってるぜ、織部!(てか作者!)」て感じで、なんだかもう非常に楽しいことになっているんですよね。



鑑賞すること、愛でること、慈しむこと、それらを自分の中でどれだけ確立して楽しみまくるかっていうこと。
そんなことを再度教えてくれたような気がします。


思えば、去年辺りから私、またレコードを買う機会がグッと増えたんですよね。
レコード屋に足を向け、「コレはこの値段じゃ高過ぎっしょ!」とか「うひゃー、やっと出逢えた!」など一通りはしゃいで、選びに選んで大事に持ち帰る帰り道。

家で、そーうっとレコードをプレーヤーにセットし、でっかいジャケットを堪能しながら、CDには出すことの出来ない、その温かい生き物のような「音」を感じながら聴くこと。
感動すること、しないこと。

そういうのが、このマンガに出逢ったことによって、もっともっと愛おしいコトのように思えてきたのです。
「自分て数奇者の端くれだったのね」と今更のようなこと、少しだけ罪悪感のあったような、複雑な気持ちが交錯するそんなこと。
そこを肯定してくれて、「もっと励めい!」と後押ししてくれているような、心強い味方です。
そしてもっと違うレベルに行きたい!というような向上心までむくむく出てきてしまうような、そんな始末。ま、それは言い訳ですけどね(笑)

レコード数寄道、行ったるどー!的な気持ちでいっぱいになっちゃって、いやぁ、楽しいマンガに出逢っちゃいました♪
是非、いかがですか?



あ!ちなみに単行本『へうげもの』第7服(←巻じゃないの・笑)まで発売中でして、この単行本の表紙がね!分かる人には分かるブルーノート仕様なのがまたなんともね♪(笑)





あと話の題名がロックやジャズなどの曲タイトルのパロディになってるのも小さくうれしかったり(笑)
一番のヒットは「黒く塗れ!!」(笑)

ちなみに 9/8(月)深夜25:55~(9/9(火)1:55~)NHK総合「BS漫画夜話」再放送分で『へうげもの』やるみたい!きゃあ、グッタイミン♪興味の有る方は是非ドーゾ!!