大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

岩下の長所をどう生かし、短所をどう隠すか?

2012-08-07 07:50:14 | ガンバ大阪
移籍市場が来週一杯までということなので、この時期は各チームとも選手がよく動いてますね。中には先に補強の目処が立ったのかはこの時点でははっきりしないけれども、神戸の大屋とか、大宮の坪内とかの移籍が発表されている。大宮なんてもう外国人枠を全て使いきってしまっているわけなんで、日本人の中では、もう今季対戦のないチームからのDFか、もしくは海外からの出戻り選手の加入の目処が立っているんだろうか、って勘ぐりたくはなるけども。

で、岩下くんガンバにようこそ。あちらの原さん(浦研では一応仕事の出来る人と認められていたようですが)とは大分時代からいい取引相手にはなって貰っている。まあ、一応今回も原さんだから信用しておきましょうw

岩下の能力についてだが、日本代表に選出されたというのも今回の移籍のきっかけになったのだろう。基本的には能力の高い選手だとは思う。ただ、それ故に、ついこないだまでスタメンで出ていた選手の移籍がなんでこうも早くまとまったんだろう、という疑問も湧いてきた。セレッソ行った枝村もそうなんだけども、簡単に直近の順位のチームへのレンタル移籍というのをやりすぎじゃないかって。だからまあ、普通に考えたら、これは何かあるんじゃね、って思うんじゃないだろうか?清水が誰かを獲得する為の選手枠と獲得資金の一部を造るべく、とりあえず契約切れ間近で、ゴトピ監督の構想から外れた選手を、レンタルに出したのか?だとしたら、原さんがなんで大分で結構叩かれていたのかが段々解ってきた。

現時点で岩下の取説を調べてみると、大意は、フィードは上手いけども、カード貰うやらかし癖がある、というところか。そうすると、長所であるビルドアップ能力を如何に生かし、短所を如何に隠すか、というところが成功のカギかもしれない。岩下を連れてきたのは正直今のバックラインのビルドアップ能力に物足りなさを感じているからだという風に個人的には解釈しているわけ。

ただ、コンちゃんだって来る前にはビルドアップが上手いという触れ込みだった。そう考えるとビルドアップ能力というのは個人の資質もさることながら、後は周りとの連携であったり周りの選手のポジショニングや資質にも左右されたりもする。もっと言えば東京や代表でやっていた時と比べるとコンちゃんがビルドアップ能力を発揮出来ていないというのは、ビルドアップのやり方というのはそれぞれのチームによって異なるということだから、岩下をガンバの中に入れてどれだけビルドアップがスムーズに行くかですね。

短所を隠す、という点についてはボランチとの連携にカギがあるかもしれない。清水でやっている4-1-4-1というシステムはアンカーの脇を狙われやすく、その分センターバックが前に出て対処するという場面が多い。清水で和道や岩下が代表に呼ばれていた時期というのは、伊東テルとか、本田拓也とかいった能力の高いボランチとの連携で守れていたところもあった。今の和道が神戸で苦しんでいるのはフィルター不在の状況だろう。

そう考えると、岩下が来たからといって失点が劇的に減るというものではなく、むしろ彼の短所を隠す為のボランチとの連携というのも結構大事になるとは思える。そこら辺を頭において、録画している清水の何試合分かを見直してみて、岩下をチェックしてみようと思う。

J聯賽第20輪 大阪鋼巴 3-1 大宮松鼠

2012-08-05 16:54:01 | ガンバ大阪
勝った相手が大宮だった、というのを差し引いても久しぶりに勝利の余韻に浸りながらのブログ更新です。こういう書き方をしたのも、監督替わってからの大宮のスタイルというものには割とガンバにはやりやすかったという側面もあったからですわ。

ここ2試合彼らの試合を偵察していたけども、前からプレスに行かずにボランチのところに入ってからプレスを開始する。相手のポゼッション時にはブロックを敷いて、カウンター時にはトップ下のカルリーニョスのフィードに頼って少ない手数で点を取るというものだけども、裏返せば、カウンターをケアしていれば失点の圧力ってあまり感じなくなる。

もっとも、その分こっちもなかなか相手を崩せないイライラは募ることはあるが、それでもコンちゃんの寄せが甘くて長谷川のミドルにやられた後も、焦らずに行けばどこかでチャンスは出てくると思っていた。それにああいうスタイルってゾーンはきっちり敷いてくるけども、人に対しては強くいけないウィークポイントはあるんで、フタや秋がゾーンの間でボールを受けながら崩して行く所を見ていれば、どこかで何とかなるかもしれないとは思っていた。追いつけたのがPKではあったんだけども、追いついてからすぐ直後に逆転した場面なんかは、それまでパウとレアンとでスペースを分け合っていたような形だったのだ、佐藤が入ってレアンと縦に並ぶような関係をとれたことで、レアンが前で使えるスペースができてきたのが大きい。まあ、佐藤を頭から使うと後半ガス欠しやすいことを考えると、前半はパウでかき回しておくという今回の起用法もありかとは思いますがね。

そして正信にしては珍しくフタを90分引っ張り続けた。まあ、加地さんが入ったことで右サイドでフタが攻撃に絡めるようになって後半消える場面が減ったというところが大きいのだけども、フタが2得点を演出する縦パスを出し、逆転ゴールによってついにレアンとのホットラインを開通させたのは大きいし、今後の選手起用では二人の共存が必要だということを正信は解っているもの・・・と思いたいですなw

まあ、なんだかんだ言って殴られたら殴り返すっていうガンバのスタイルで勝つことが出来たっていうのがサポとしては嬉しいですね。そう考えると実は残留仕様なサッカーって言われるけども、残留するためのスタイルっていうのは各チームの内情によって異なるんじゃないかって思うわけです。

以前からよく言われていた、「残留仕様なサッカー」というのは大体大宮の三浦ピム路線ーフラットな4-4-2に、4CBを並べて8枚でブロックを作り、前線には電柱を置いて放り込むーがその典型だとされていた。ただ、三浦氏がその後神戸や甲府で挫折したようにそうしたやり方というのも研究されつくして来て、むしろブロックの間に入られたりすると、人よりもゾーンで守っている分、人に対して当たれない甘さというのも露呈しているように見受けられる(余談になるが、韓国の選手らが英国で成功しやすいのは、元々英国で取られている、広くゾーンで守るスタイルにおいて割と彼らの能力が発揮出来るスペースでボールが受けやすいからで、そこら辺の適性は日本人よりはある)。

今のベルデニック監督も恐らくは大宮の伝統路線の回帰という意図があるのだろう。それは今回出場していなかった大型FW待ちということなのかもしれない。もっとも、あの中で正確なロングフィード出せるのがカルリーニョスだけなんだが、今回途中で下がったのには何か理由があったのだろうか?今のウチが人のこと言えた状態ではないんだけども、彼らの今後の成績とか進むベクトルというものが、「残留仕様なサッカー」とはなんぞや、という議論にも左右されてくるかもしれない。

まあ、ウチはウチなりのやり方で突き進むしかないな、と思っているわけですがね。

あと、ウチの補強についても触れておきましょう。

今までフロントが進めている補強というものに何かしらの方向性を見出すとしたら、「ガンバが持つスタイル」を継続する為の人材集めというところだろうか?それは即ち、バルサと同様に下部組織出身者で固めて、プレーの共通認識を高める、というところか。家長の復帰というのはそこが補強ポイントか、という?はあるにしても、ガンバのサッカーやる上でのぼーる廻しとかキープとかに関してなら判らないではない。ただ、そのベクトルで行くんしても、チンはそれに乗りきれなかったのか、うーん。

とすると、そこで問題になるのはDFラインからのビルドアップ。コンちゃんが悪いとは言わないけども代表の時と違ってヤットが降りてこない分だけガンバではセンターバックのビルドアップ能力がより一層クローズアップされてくる。とすると、彼の現状に満足出来ないからこそ、足元が上手いと言われている岩下に目をつけたということなのかもしれない。とすると、実はコンちゃんをボランチとして使いたいということなのか?まあ、そこはコンちゃん自身どう考えるかですな。本人としては代表でのキャリアを考えるセンターバックで続けたいんだろうけどもね。

ただ、岩下を起用するとなると、過去のやらかしっぷりが気になるんだけどもね。清水では433のシステムの関係上、どうしてもアンカーの村松の脇を狙われやすく、そこでセンターバックへの負担が大きかったように思える。岩下が代表に選出された時は清水は4-4-2でやっていなかったっけ?これは同じ清水に移籍した和道にも言えることだけども、元々対人系で跳ね返しに強いとは言えない分、味方に強力なフィルター役(清水では伊東テルで、ガンバでは明神)が居てこそ弱点が補えるということが言えたかもしれない。

昨日の名古屋戦で和道は神戸サポの間では叩かれたんだけども、神戸の場合フィルター役が不在っていう悩みがあったからこそ、後ろには足元に目を瞑りながらも、北本河本がファーストチョイスだったんじゃないかって思うわけです。

岩下はまだ正式発表にはなっていないものの、両クラブの間で既に合意されている、ということだから敢えて書いてみました。今のところ一応ガンバのスタイルというのを活かすというベクトルでの補強だというのは判るにしても、彼の弱点を隠せるボランチというのもまたカギになるかな、とは思いますね。そう考えると、誰かさんも決して現役代表という肩書きに安穏とはしていられないんだけども。

ところで、韓国人はどうなるのって?加地さんのバックアップはもう国外から頼るしかない、というのが一つと、あとは当たり外れは別にして韓国とのパイプ作りっていうところですかね?その為には途中でハズレが出ても、関係維持の為には誰かを取っておきたい、というか。

なでしこの決戦の前に、大住氏の記事についてあれこれと

2012-08-03 06:46:28 | サッカー全般
五輪はなかなかテレビでじっくり生観戦というふうにはならないですね・・・普段見ていない競技だからここで見ようという気にはならないけども、フットボール系の球技っていうのはじっくり見たいと思って時間のある時に録画観戦というところですかね。あ、今夜はすでになでしこがブラジルと対戦ですか。じゃあ、その前に書いておくことがあります。南アフリカ戦で引き分け狙いを指示した佐々木監督を批判した、大住さんのコラム。改めて読みなおしたけども、皆さんももう一度読んで頂いた上でこのエントリを御覧ください。

大住氏の記事の骨子だが、要約すると、

1.2位狙いの戦術はメキシコ五輪の男子サッカーでもあった
2.問題は、今回の場合メキシコ五輪とは比べ物にならない程の注目を浴びている
3.現地まで駆けつけたサポーターや睡眠を我慢してテレビ観戦した日本の視聴者に対して勝つ為のベストを尽くさないのは失礼だろ
4.その上で、試合後に佐々木監督が2位狙いの指示を出したと記者会見の場で認めたらFIFAからお目玉食らうぞ(結果的にはお咎め無しだったが)

といったところか。

これについて筆者の意見を述べたいと思う。

まず、大住氏がフェアプレーという基準(これは氏の過去の記事にもよく出てきたものだが)で今回の佐々木監督が選んだ戦略を批判するのであれば、当然のことながら、過去にさかのぼってメキシコ五輪の時にまで槍玉挙げなければならなくなる。個人的に違和感を感じるのは、大住氏の主張というのは今回注目が高く大勢の人が見ている中であれはダメだと言っていることで、裏返せば、バレなきゃやっていいという随分腹黒い主張のように感じるわけですw

次に、今回の件について「多くの日本人の期待」を裏切ったという視点で佐々木監督を批判するのであれば、見ていた人たち、特に現地で高い遠征費用と入場料を払って応援に駆けつけた人たちに対して、勝利という結果や満足する内容といったものを提供出来なかったという見方は間違ってはいない。これは普段クラブの試合なら興業である以上そうした見方は成り立つ。五輪という大会も興業だと言えば確かにそうなんだろうけども、求められるのは、一試合ごとの結果や内容というよりも大会全体を通した結果というものになる。従って佐々木監督も観客を失望させたといことは認めているし、その上で自分が全て責任を取るということを明確にしたのだろう。

唯一大住氏の主張の中で理解出来る部分があるとしたら、試合後の佐々木監督のコメントに対してのものか。筆者は佐々木監督の選択を否定はしていない。けれども、試合後のインタビューって各国の記者との丁々発止があったとは思うんだけども、「無気力」と取られるようなコメントは誤解を招きやすいんでもう少し慎重にコメントを選んで欲しかったとは思うけども・・・特に川澄ちゃんに対してシュート打つなという発言は正直如何なものかとは思うけども・・・まあ、ジョークで言ったことが波紋を呼んでしまったというところか。ウソでもいいからベストを尽くしたと言って欲しかったけども、あの試合内容見たらウソはつけなくなるけどもねw 

だからまあ、全体的には、見ていた人たちに対しては失礼ではあった、という意見ぐらいなら認められる。これについては今後の試合で頑張って結果を出すしかないだろう。

大住氏がフェアプレーとかいうのを大上段から振りかざしたのが、却ってわかりにくくしたのかもしれない、とは思いますね。それとも彼がフェアプレー云々って言ったのは佐々木監督のコメントに対してだけだったのか?それならば、もう少し書き方があったとは思うんんだけども。つまり、今回の佐々木監督が取った選択は理解出来るけども、試合後のコメントは誤解を生むので慎重に言葉を選ぶべきだった、と。

で、ここまでは佐々木監督の思惑通りに行っているんだけども、ただそこからも上手くいくとも限らないのがサッカーの難しいところかもしれない。敗退なんぞしてしまったら、今回の2位狙いの選択を含めて批判にさらされるようなところなんだろうけども、だからと言ってメンバーを落とさずに1位通過を目指すのが必ずしも正しいとも言い切れないのがサッカーだろう。

過去の例を見ると、Euro08でのポルトガルなんかは1位通過したけども、グループリーグでは2連勝の後にメンバー最終戦に敗れ、その後準々決勝でドイツに敗れた時には、メンバーを落として流れを切ったことが言われた。ただ、それだけでもってこうしたやり方がダメだというには、サンプルが少なすぎるだろう。また、その時のポルトガルの例を出すならば、ポルトガルが失敗したのはそれだけではなく、コンディショニングの失敗と、相手がその時2位通過したドイツだったというのが誤算だったとも言える。まさか、フェリポンもドイツ2位なんて予想してなかったでしょ?その意味では、過去の事例を持ち出す時って、持ち出す人が自身の結論を導く為に恣意的に操作出来るってことを覚えておいた方がいいかもしれない。逆の成功例が2000年年ユーロでのフランスであったんだが・・・

ただ、はっきり言えるのは、今回のなでしこもそうだけども、相手までは選ぶことが出来ないということだろう。今回はブラジルとの対戦が誤算だったとしても、カーディフに残ってやるということを選んだということおに意味があるわけだけども。