大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

長居行って改めて思ったこと~日本のことが知られていないのが日本の最大の強みである件

2015-03-29 21:59:21 | サッカー全般
代表ウィークでJ1が中断期間であるため、今季はJ2に居るセレッソと横浜FCの試合を観に行ってきました。まあ、基本的には散らし役やってるチンが目当て(竹島さんが行ってなかったらデポナビでまたリスナーからお叱り受けまっせw)で行ったわけなんだけども、それ以外にも色々と現場行って分かることもあった。

例えばセレッソなんだけども、前線のフォルラン、玉田それにカカウは基本的にはあまり下がらない。時折カカウがサイドの守備に下がったり、或いは前線で張っているフォル玉なんkは相手のDFがオーバーラップすればそれを追いかけるべくS下がることはあるけど、基本的には前に残って相手に常に後ろ4枚を残させておく。そうすれば後ろの方でゴール中央付近で人が足りない状況というのは回避出来る。また、数的同数となっても山下の対人の強さで抑え切れたりもする。セットプレーにおいてもカカウがやや下がり気味になるけども、フォル玉と合わせて3人が前に残る。その分相手も後ろにカウンター対策で人を割かないといけないんで、相手の攻撃の人数を削っていることにはなる。

実はセットプレーにおいて前に3人残すと事例はあまり見られないけども、ウチで言えばセホーン体制が正にそうだったw ただ、このやり方っていうのは後ろで数的優位を保つとかではなく、最悪数的同数でも対人には負けないっていうのが前提であったりするわけで、ウチなんかは西野政権時には、対人よりもビルドアップやラインコントロールの方の資質をCBに求めていたのに、それがいきなり対人の強さがCBに求められる状況の中で対応しなければならなかったわけだから(だからこそ後年セホーンは、もし自分が「監督」であれば、GKとCBの補強を求めていたと、インタビューの中で振り返っている)。

日本のサッカーにおいて決定力不足というのがしばし語られるんだけども、その決定力不足の原因として、日本ではFWに過度の守備が求められるという声はしばし海外のサッカー関係者やJでプレーした選手らからはよく聞かれる。それは守備において必ず後ろで一人余らせるような対応で保険をかける為にFWにも守備負担が大きくのしかかるわけなんだけども、裏返せば、(世界レベルで見て)フィジカルの強いCBやシュートストップに優れたGKの人材不足だったりもするからなわけよね。

その意味で、セレッソにとって試金石となりそうなのが、千葉、磐田、大宮(ムルジャが出る場合だが)といった強力な外国人FWを擁するところかな、とも思ったりもする。あと、セレッソにとって気がかりなのは、今のこのやり方を継続していくには、前線のメンツをこれからも維持していくっていうのが条件になるんだけど、そうなると夏までの契約であるフォルカカが居なくなるとまた一からチームを作り直す必要があるかと。

ただ、今のやり方を傍から見ると、契約の関係上なのかどうかは知らないけども、基本的にはメンバーを揃えてから、現行のスタメンで前線の選手らが生きる形っていうのを決めていった感じがするけどもね。だからまあ、夏には再構築する必要があっても、それはそれでやりようがある、ってアウトゥオリ監督が考えているのかもしれない。いや、実は監督だってプロなんだから、最初はこんなんで一体どないせい、って思ったでしょうよw だからまあ、そういう意味では、鹿島の監督を離れてから日本の情報に疎くなっていたところでオファーを出して行けたのが良かったかもしれないなんて思ったりもする。

実は、サッカーに限らず、あらゆるジャンルでの日本の強みというのは、極東の遠い島国で、欧米人にしてみらば基本情報が乏しく、ディープな情報を入手しようにも、日本語という読み書きに関しては世界で最も複雑な構造を持った言語(実際筆者が知るかぎりにおいては、漢字文化圏の中国・韓国語話者を除けば、日本語の読める外国人って本当に少ないパーセンテージだったりもする)と日本人の外国語下手っぷりが幸いしている分、化けの皮が剥がれることなく、COOL JAPANをアピール出来ることじゃないかって思うんですよねw 実際クルピ時代にもリスクを冒す攻撃偏重のやり方でGKがなかなか見つかりにくい時にも韓国からジンヒョン君を連れてきている。隣の韓国なら比較的日本の情報は入って来やすいはずなんだけどもそれでも連れてこれたということは、欧州や南米ならもっと隠し通せるわけでしょう?日本の情報発信力の弱さを逆手に取るという戦略なんですね。

日本国内だと同じ日本人から見たら問題がはっきりと見えてしまうので、外国から人材を連れてくるという事例はいくつか見られる。磐田のGKカミンスキー然り、そして横浜FCの現監督も然り。赤帽にしても素さんんしても(あと、腐ったミカンが居ると言い放った元コーチにしても)、結局はカズを使わないということでクラブから追われたんだけども、後任監督で日本人を連れてこようにも、結局カズを使わないわけにはいかない、というしがらみがある為、まともな日本人なら誰もやりたがらない。それであれば、日本のことを知らない外国人の方がいい、っていう中で候補を絞って最終的に今の監督に落ち着いたのかもしれない。まあ、欧州で日本サッカーのイメージは本田、香川、長友、内田辺りが比較的名前が知れ渡っているけど、Jクラブの内情なんかは伝わりにくいし、日本語という言語自体が情報の防護壁になっている。

まあ、今日の試合でもカズはセレッソから見ても脅威とは感じられてはいなかった。それどころか開始早々流血してもセレサポからイジられたりしていたしw 交代で下がる時には場内拍手されてた。まあ、ルス監督にしても、監督引き受けて失敗したな、と思っているかどうかは定かではないけども、確実に言えるのは、敢えてカズに引導を渡す為に使わせ続けさせられてるってことだろう。素さんが去年の最終節でカズをベンチ外にしていたのは素さんなりの最後っ屁だったと解釈しているんだけども、そんな先週を使わせるっていうことは裏返せばそれが何を意味するかってことなんですな。

そして、一番わかり易い事例を挙げると、何といっても日本代表監督なわけ。日本人からすれば今の代表が利権の巣窟で選手起用なんかもスポンサーの意向が反映されやすいということはよく解っている。そこで、外国人でかつ世界のトップのレベルを知っている監督ということでハリル監督に白羽の矢が立った。実際、監督から見ると代表選手たちが世界で戦う為に足りないものを感じて、フィジカル強化のメニューを渡したという話なんかは協会にしてみればニンマリなんだろう。

問題は、ハリル監督が日本についてまだ何も知らないと言っていい状態であることだ。大体フィジカルを強化してガチムキになってしまうと今度は体のキレが落ちたなんて話はザラにある(実際欧州帰りの選手なんかはピッチの質の違いからかこの問題にぶち当たることが多い)。まあ、監督の渡したメニューがどんな効果をもたらし、或いはどんな副作用をもたらすのかはやってみないと判らないということろか。ただ、日本人監督という選択を放棄した時点で、そこはある程度ガマンしないといけない部分ではあるかもしれないけどもね。