大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

3冠に寄せてーやっぱ編成も戦術もバランスやねん

2014-12-18 23:05:35 | ガンバ大阪
こないだ心斎橋の串カツ屋さんの忘年会に参加した際に、私のブログ更新を楽しみにしておられる方に出会うと、まだまだやらないといけないな、とつくづく思ったりもする。個人的には普段はツイッターでつぶやいて、まとまった文章書きたい時にブログでいいかと思うんだけども、ツイッターというのもまだまだネットの世界では小さなコミュニティでしかないな、ということを、こういう声を聞くとつくづく感じさせられる。自分のブログにツイッターも貼り付けているんで気軽にフォローして頂いてもいいんだけども、世間的にはやっている人よりもやっていない人たちの方がまだまだ多数派だったりもするということですね。だからまあ、こないだの選挙結果なんか見ても、TLでは現政権の政策に批判的な意見が結構出ていたりするんだけども、与党の支持基盤の大半はツイッターどころかネットにすら縁のない人たちで、世間的にはサイレント・マジョリティだったりするんよなあ・・・

ということで、ブログも書くことにしますw

天皇杯決勝では、山形の不器用さ(実は個人的には結構好きだったりもする)の象徴とも言うべき前プレをうまくいなしたカウンターとヒガシからのロングキックを早々とゴールに結びつけていたけども、これはある意味今季のガンバが新たに見せた縦への早さを象徴するゴールだったかもしれない。ただ、決してそれだけではなく早く行くところと行かないところとのメリハリはしっかりと分けていた。だからこそ某高名なライターさんが大きなサイドチェンジだとか縦への早さとかがあまり見られなかったなんて一面しか見ない見方(というか彼は自身のモノサシでしか見ていないだろうが)で記事を書いたりするのかもしれない。自分から見ると、カウンターサッカーにスタイルチェンジした、という見方にしてもその逆に縦への早さが足りないとかいう見方も(だから15秒理論を標榜する人間力さんのチームってアテネ五輪の時がそうだったけど、あまりにもドタバタしすぎていた)どちらも一面的な見方じゃないかと思ったりもするんだけども。

すなわち、縦への早い攻撃を健太監督は中断明け以降求めていたし、実際右サイド裏にパトを走らせてもいた。その一方で、早く行けない時、行く必要のない時、或いは相手の守備を引き出したい時などにおいてはヤットが手綱をしっかりとしめて、コントロールする。この両者がバランスを取り合っていたことこそが重要ではなかったかと思うわけですね。今までは後者に多少偏りがあった。だからと言って前者にばかり傾倒しすぎると落ち着きがなくなることも考えられる。今までパスサッカーのスタイルだったチームが、ゴールまでへのスピードを求める余りにバランスを崩していった事例が少なくないだけに、この両者のバランスこそが今のガンバのキモなのだ。

だからまあ、ガンバ3冠へと導いたのは健太監督が新たに守備組織と縦への早さを持ち込んだんだが、それと従来あったガンバのパスサッカーの技術やスタイルがうまい具合に融合したのが今季後半からのガンバだったと言える。これはひとえに指導する側の能力だけでなく、指導を受ける側の資質の賜物とも言えるかもしれない。

あと、見逃せないのが編成のバランスの良さだろう。今のガンバの編成ポリシーは、その年に必要な補強ポイントには投資する(今年で言えばヒガシ、パト、米倉)資金を残すために、他のポジションは下部組織からの一貫育成を含めてコストを抑えるというものだ。そのためには、樹の幹(補強)に対する投資は妥当な額である必要はあるし、樹の枝(その周りのポジション)についても、適正価格を超えて高すぎては行けないということも言えるだろう。

余談になるんだけども、サラリーキャップの枠組みがあるNBAなんかではこの枠組みの中で中心選手にどれだけ年俸を払い、残りの枠でどのような選手を留めておけるかで大方勝負が決まるとも言えるわけですね。例えば、トッテナム、じゃなくてサンアントニオの方のスパーズなんかはダンカンが我慢出来たからこそ、やれトニパカだの河合さんだの、ジノビリだのを引き止めておけるわけ。レブロンのケースで言えば、ウェイドやボッシュを減俸させられなかったからこそ、レブロンの条件を満たすための引き止めがヒートは出来なかったのがキャブス復帰の真相じゃないかと思ったりもする。実際ヒートのビッグ3なんかは全員ほぼ20M台だったのに対し、キャブスの新ビッグ3ではカイリー・アービングの年俸がヒートのそれよりは低めで、おまけにケビン・ラブまでもが来ている。一番やり方がダメなのはレイカーズでコービーの年俸が優勝した時期よりもずっと上がり続けているし、大金はたいて獲得したナッシュまでもがシーズンほぼ全休状態になっているわけだから、もう何をいわんやという状態ですね。

話はそれてもうたけどw NBAから学べることは、幹と枝葉に水をやる量をどれだけ調整できるかってことですね。往年のブルズなんかは皮肉にも自ら望んだとはいえ、ピッペンを長期的に安く雇えたことが大きかったわけです。

で、サッカーの話にようやく戻りますw ここまで書くと、次に私がどのチームのことについて書こうとしているか、勘の良い人ならお分かりですね・・・

今オフの主役とも言うべき浦和の補強リストを見ていると、06年のポンテ・ワシントンのコンビと比べると突出した個を補強している感じでもない。どちらかと言えば幹よりも枝はに水をやりすぎてるような感じ。日刊の選手名鑑での推定年俸を比較してみると、ワシントン、ポンテ、そして欧州帰りの小野伸二以外のほとんどの日本人選手らは割りと低く抑えられていた(闘莉王ですら5千万を超えていなかった)のに対し、現在では5千万プレーヤーが何人かいる状態になっている。まあ、一昔前の浦和の方がJリーグでは反則レベルな外国人を連れてくるだけの人脈と補強資金があったとも言えるかもしれない。現在では契約が切れた日本人選手で代表もしくは準代表クラスを連れてきているんだけども、枝と幹にやる水の量のバランスが崩れていない気がしないでもない。

まあ、でもそうせざるを得ない理由があるとしたならば・・・やはり育成のために我慢しつづけることが難しいのかもしれない。フィンケの時に大型補強を封印して山田直輝ら若手を鍛え上げたりもしたけど、勝つということに対するプレッシャーというのが相当厳しいのだろう。そのこと自体はミシャが一番感じているからなのだろう。NBAのいくつかのチームや浦和の事例から学べることというのは、予算の多寡はあれど、手持ちの資金からいかに幹と枝の選手に適正年俸水準に振り分けていくか、ということかもしれない。

まあ、今のところウチは枝葉への水の量はなんとか抑えられている。けど、勝っていくにつれて人件費はやはり上がっていくわけなんで、やはり若手への新陳代謝というのはどこかでやらなければならなくはなる。まあ、A契約の保有人数に関する規約改正でますます育成へ傾倒し、ゆくゆくはセカンドチームへの構想にもつながって行くのでしょう。多分それはセカンドチームの運営費を一人頭で割っても十分安上がりだし、大学へ放流させて他のチームと競合になるリスクも避けられるという読みがあるのかもしれないが。