大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

日本化し過ぎたルーカスの負傷についての考察

2010-07-21 18:55:55 | ガンバ大阪
ルーカスの骨折は結局前半に阿部ちゃん(この間のエントリでポンテって書いてましたね、スミマセン)とのスライディングで右足をぶつけた時に起こしたものであったか。そうであるなら、今年に入ってからスライディングで2回怪我しているということになるわけですね。しかも今回は2回目で全治8週間と来たからこれはやはり痛い。そうなると、チームのエースに対しての扱いというのを考えないと行けないのかとも思ったりもする。

スライディングの弊害については昨今のサッカー本では色々と指摘されている。例のイタリア人監督本は言うまでもないが、その他にもマリーニョ氏が著したマリーシアに関する著作においても指摘されていることだ。その弊害について簡単に言うと、

1.リスクの増大(失敗した時に後ろにスペースを開けてしまいピンチを招く)
2.怪我のリスクあり(繰り返し行うと足を痛めやすくなる)

といったところではあるのだが。そう考えると、危機管理という側面からすれば少なくとも2の理由においてエースの怪我というのを極力減らすための方策を考えないと行けないというのが、世界から見た理屈ではあるんだけどもね。

ただ、その理屈だけで割り切れないのが日本の現状であることも筆者は理解している。ブラジル人でありながら、スライディングを試合中に何度も仕掛け、一度スライディングが原因で怪我したにも掛からわらずこの間の浦和戦でも果敢にスライディングを仕掛けたルーカスはある意味ブラジル人らしからぬ献身性を持ちあわせているとも言えるかもしれない。実は彼がガンバのみならず、東京時代を含めて日本で長くプレーを続けて来られたのは、五輪にも出場したセレソンとかいうプライドを妙に振りかざすこともせず、日本のサッカーに同化してしまったところにあるのではないだろうか?

マリーニョ氏が書いたようにスライディングをなるべくやらないのがいいということは、ブラジル人のルーカスが判らないはずはない。けれどもスライディングをやるというのは、彼もチームの一員として献身的に守備をするという姿勢であり、それはFWであっても数的優位を保つという意味で下がって献身的に守備することを求める日本サッカーで生きていく上で身につけたものであるとも言えるし、スライディングタックルという見た目に激しい守備というのを受け入れてしまう日本の土壌にマッチしたものだとも言える。そう考えると、確かアウグス党首だったかが言ってたと思うのだけども、例のイタリア人監督本に書かれた、後ろで引いて守る文化というのが日本の土壌とは相容れないだろうという指摘は判らないではないんよね・・・

だからまあ、2回もスライディングが原因で怪我してしまったルーカスを私自身責めるつもりはないし、むしろ今まで本当によく頑張ってくれたと感謝したい気持ちが強い。ただ、これからはそんなルーカスだからこそ、次戻って来る時にはもう同じ形で離脱する場面をもう見たくはないし、一分でも長くピッチに立っていて欲しいと思う為に、東京サポのコール氏から教えて頂いたルーカスの取説をもう一度ここでおさらいしておこう。彼には、ああしろこうしろというよりも何でも献身的にやりすぎるきらいがあるため、これだけはするなということを言えば、頭のいい彼はピタっとやめてしまうというもの。であれば、今回その取説に従えば、

もう試合中にスライディングはするな

と、言いたいんだけどもね。スライディングしなくて例え相手ボールになったとしても、その分相手につめるとか、コースを切ってディレイさせるとかやってくれるだけで十分だと思うのだが・・・ただ、9番であっても献身的にプレスに行けというのがカントクの教えである分、それはないだろうなと思うし、それをひとりだけやらなかった時の全体の影響というのを考えるとそういう訳には行かないんだろうな・・・ちなみにカントクって今ショーキのことも得点すること以外での貢献が少ないとか言っているのが気になるところではあるんだけどもね。傍から見ると、ゴールを挙げているんだから別にええやん、って思っているんだけどもそういう訳には行かないのがガンバのサッカーというか日本の現状ではある。だからこそルーカスの怪我につながったスライディングについては複雑な気持ちになってしまうのである。