祝島に向けて私が乗った漁船は田名埠頭をあとにしました。
たまたま出会った「TAYUTA」 http://www.k3.dion.ne.jp/~tayuta/index.html という
バンドのメンバーが、埠頭が見えなくなるまで手を振ってくれて、とても温かい気持ちに。
(あとで、HPなどを見せてもらったら、すごい精力的に活動してる人たちだった…!)
島が近づいてきて、だんだん町並みが見えてきました。海と山の間に肩を寄せ合うように立ち並んだ家々を見ると、ご近所どうし、互いに助け合って生活しているんだなーというのをとても感じます。
波止場では、釣りをしている人、荷物を運ぶ人、世間話に花を咲かせる人など、いろんな人たちがいて、「やってきたんだなぁ」と思うと同時に、おばあちゃんの家にやってきたような、懐かしい気持ちになりました。
友人から紹介してもらった宿の人と一緒に、荷物を置きに行きました。泊まったのは、古民家を利用して合宿所として使われている家で食事は自炊でした。
近くの商店に買出しに行くと、おばちゃんが「どっから来んさったん?」と聞くので、「和歌山です」というと、「まぁ、遠いところから」とビックリされていました。食材とおみやげのびわ茶や麦味噌などを買いました。すると、さっきも出た特産のひじきの煮物をお裾分けして下さって、細めのひじきによく味がしみていて、本当に美味しかったです。
夜、宿の人が、歩いてすぐの知り合いのお宅に連れていってくれました。そこは、蔵を改造してバーのようにお酒などをのみながら住民が集まっておしゃべりする場所で、島での生活のことや、日々感じることなどをお話してくれました。
話を聞いていて、島の人たちが自分たちのことは自分たちでするという、とても自立した姿勢を感じました。魚をとったり、野菜をつくったりして、食べ物をまかなっています。また、千年前から4年に1度行われる「神舞」という神事があるんですが、島の大切な行事として、絶やすことなく続けられていることや、「練塀」という、石積みの間に土を練りこんでつくるこの島独特の塀の補修など協力しあって行うなど、自分たちの生活は自分達で守るという考え方をしっかり持っておられるんです。
翌朝、宿の人が島の集落を案内してくれました。先ほど話した練塀は本当に独特で、なんともいえないノスタルジックな風情があって、島のイメージに欠かせないものでした。
練塀は島の石と土を利用しています。とても頑丈な造りで、台風のときなど強い風にも耐えられるように工夫してつくられています。宿の人は「周りを海に囲まれているから、島にあるものをうまく利用するすべが自然と身についたんだと思いますよ」。
歩いていると迷路のような細い坂道が多くて、(この先に何があるんだろう…)という好奇心をかきたてられました。中でもユニークだと思ったのは、仁義道(じんぎみち)と言って、人の家の庭のようなところを挨拶しながら通って行く道があることでした。
道端や軒先では、気持ちよさそうに寝そべっている猫によく会いました。
散策の途中、私とおなじように島に遊びに来ていてたまたま出会った大学生の女の子も合流し、あるお宅の建物の様子を見ようと、門から中をのぞかせてもらうと、たまたまそこにおばあちゃんがいて、「よう来てくれた。まぁ、中におあがり」と言って、コーヒーやカステラをごちそうしてくれたときは、ほんとに島の人たちの懐の広さを感じたのでした。
それは、先祖代々受け継いだ生活の知恵や文化を大切にし、住んでいる場所に愛着と誇りをもっているからこそできることなのではないかな、と思います。
帰りの船では、地元でたった3人だけの小学生のうち2人と一緒になって(学習発表会のような用事で島外へ行くところで)、一緒に写真をとってもらいました。中高生がいないから、子どもたちは島の宝。みんなで大切に育てられているなと思いました。
他の用事もあったので、一泊と半日ほどの短い滞在でしたが本当にたくさんのことを学びました。
1000年以上も前から続いてきた、このゆったりとした自然と調和した島の生活が、もし原発ができてしまったら、存続は難しくなる…。
田辺とは直接関係のない場所のことかもしれませんが、生まれ育った場所や慣れ親しんだ場所で、穏やかに、健やかに毎日を送りたいと願う気持ちはみんな同じだと思います。
この前、小学生の女の子が電力会社に抗議の電話をしたやりとりを読んだんですが、子どものほうがよっぽど常識的にものごとを考えられるんじゃないかと思いました。
祝島だけじゃなく、わたしたちの時代はあちこちで取り返しのつかないことをしてしまった(しようとしている)ということに、ほんとはきっとたくさんの大人が気付きはじめているはず…。
はやく自分の心や体、そして生きていくのになくてはならない自然…そういうものをもっと大切にできる時代になってほしいと思います。
************************************
一昨日、また信じられないようなニュースが。。
中国電力は、「住民の理解を得られるように努力していきます」と言ってきたのに、
阻止行動を続けている島民やカヤック隊に対して「埋め立て作業を妨害させてはならない」という趣旨の申し立てを地元地方裁判所で行ったそうです。
今だにこんなことが現実に起きるなんて、ほんとに信じられない。。
たまたま出会った「TAYUTA」 http://www.k3.dion.ne.jp/~tayuta/index.html という
バンドのメンバーが、埠頭が見えなくなるまで手を振ってくれて、とても温かい気持ちに。
(あとで、HPなどを見せてもらったら、すごい精力的に活動してる人たちだった…!)
島が近づいてきて、だんだん町並みが見えてきました。海と山の間に肩を寄せ合うように立ち並んだ家々を見ると、ご近所どうし、互いに助け合って生活しているんだなーというのをとても感じます。
波止場では、釣りをしている人、荷物を運ぶ人、世間話に花を咲かせる人など、いろんな人たちがいて、「やってきたんだなぁ」と思うと同時に、おばあちゃんの家にやってきたような、懐かしい気持ちになりました。
友人から紹介してもらった宿の人と一緒に、荷物を置きに行きました。泊まったのは、古民家を利用して合宿所として使われている家で食事は自炊でした。
近くの商店に買出しに行くと、おばちゃんが「どっから来んさったん?」と聞くので、「和歌山です」というと、「まぁ、遠いところから」とビックリされていました。食材とおみやげのびわ茶や麦味噌などを買いました。すると、さっきも出た特産のひじきの煮物をお裾分けして下さって、細めのひじきによく味がしみていて、本当に美味しかったです。
夜、宿の人が、歩いてすぐの知り合いのお宅に連れていってくれました。そこは、蔵を改造してバーのようにお酒などをのみながら住民が集まっておしゃべりする場所で、島での生活のことや、日々感じることなどをお話してくれました。
話を聞いていて、島の人たちが自分たちのことは自分たちでするという、とても自立した姿勢を感じました。魚をとったり、野菜をつくったりして、食べ物をまかなっています。また、千年前から4年に1度行われる「神舞」という神事があるんですが、島の大切な行事として、絶やすことなく続けられていることや、「練塀」という、石積みの間に土を練りこんでつくるこの島独特の塀の補修など協力しあって行うなど、自分たちの生活は自分達で守るという考え方をしっかり持っておられるんです。
翌朝、宿の人が島の集落を案内してくれました。先ほど話した練塀は本当に独特で、なんともいえないノスタルジックな風情があって、島のイメージに欠かせないものでした。
練塀は島の石と土を利用しています。とても頑丈な造りで、台風のときなど強い風にも耐えられるように工夫してつくられています。宿の人は「周りを海に囲まれているから、島にあるものをうまく利用するすべが自然と身についたんだと思いますよ」。
歩いていると迷路のような細い坂道が多くて、(この先に何があるんだろう…)という好奇心をかきたてられました。中でもユニークだと思ったのは、仁義道(じんぎみち)と言って、人の家の庭のようなところを挨拶しながら通って行く道があることでした。
道端や軒先では、気持ちよさそうに寝そべっている猫によく会いました。
散策の途中、私とおなじように島に遊びに来ていてたまたま出会った大学生の女の子も合流し、あるお宅の建物の様子を見ようと、門から中をのぞかせてもらうと、たまたまそこにおばあちゃんがいて、「よう来てくれた。まぁ、中におあがり」と言って、コーヒーやカステラをごちそうしてくれたときは、ほんとに島の人たちの懐の広さを感じたのでした。
それは、先祖代々受け継いだ生活の知恵や文化を大切にし、住んでいる場所に愛着と誇りをもっているからこそできることなのではないかな、と思います。
帰りの船では、地元でたった3人だけの小学生のうち2人と一緒になって(学習発表会のような用事で島外へ行くところで)、一緒に写真をとってもらいました。中高生がいないから、子どもたちは島の宝。みんなで大切に育てられているなと思いました。
他の用事もあったので、一泊と半日ほどの短い滞在でしたが本当にたくさんのことを学びました。
1000年以上も前から続いてきた、このゆったりとした自然と調和した島の生活が、もし原発ができてしまったら、存続は難しくなる…。
田辺とは直接関係のない場所のことかもしれませんが、生まれ育った場所や慣れ親しんだ場所で、穏やかに、健やかに毎日を送りたいと願う気持ちはみんな同じだと思います。
この前、小学生の女の子が電力会社に抗議の電話をしたやりとりを読んだんですが、子どものほうがよっぽど常識的にものごとを考えられるんじゃないかと思いました。
祝島だけじゃなく、わたしたちの時代はあちこちで取り返しのつかないことをしてしまった(しようとしている)ということに、ほんとはきっとたくさんの大人が気付きはじめているはず…。
はやく自分の心や体、そして生きていくのになくてはならない自然…そういうものをもっと大切にできる時代になってほしいと思います。
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一昨日、また信じられないようなニュースが。。
中国電力は、「住民の理解を得られるように努力していきます」と言ってきたのに、
阻止行動を続けている島民やカヤック隊に対して「埋め立て作業を妨害させてはならない」という趣旨の申し立てを地元地方裁判所で行ったそうです。
今だにこんなことが現実に起きるなんて、ほんとに信じられない。。