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アイヌ民族ら人権救済訴え ― 遺骨集約は信教の自由否定

2015-02-01 | 人権・生存権・労働者の権利を守ろう

 全国の大学が研究目的で収集した1600体を超すアイヌ民族の遺骨を、政府が新設する「慰霊施設」に集約するのはアイヌ民族の信教の自由への侵害だとして、道内に住むアイヌ民族と支援者が1月30日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てました。

                                      写真
                                      (写真)人権救済を申し立てた差間正樹さん
                                      (前列右から3人目)らアイヌの人たち
                                              =1月30日、司法記者クラブ  

 遺骨は明治期から1960年代まで、研究者たちがアイヌの集落(コタン)の一角にある墓地から副葬品とともに持ち去ったもので、1027体を保管する北海道大学をはじめ全国12大学が1636体を保管しているといいます。

 申し立てをしたのは、浦幌アイヌ協会会長の差間(さしま)正樹さん(64)らアイヌ民族13人と支援者の計21人。うち4人は、遺骨の返還を北海道大学に求めて裁判中です。

 政府は昨年6月、北海道白老町に「民族共生の象徴となる空間」を建設し、そこに大学が保管する遺骨と副葬品を集約する方針を閣議決定しました。返還については、遺骨の継承者であることを証明することを条件としています。

 記者会見した差間さんは「私たちのお墓から勝手に持ち去りながら、(返還の際には)先祖であることを証明せよとは、私たちに対する大きな民族差別だ」とのべ、遺骨を地元に返してほしいと訴えました。

 代理人の市川守弘弁護士は「政府の方針はアイヌの意向を反映しているとは言えない」と批判し、各地で公聴会を開き意見をきくべきだと話しました。

 同日夜、「アイヌの遺骨はアイヌのもとへ」と題した講座(主催・北大開示文書研究会)が都内で開かれ、市民や研究者ら約100人が参加しました。

 「アイヌ遺骨返還訴訟弁護団」の市川守弘弁護団長は、外国でも先住民族に遺骨を返還している例にふれ、政府の方針はアイヌが各集落(コタン)で先祖を弔う風習があることを無視し、和人の考えを強制するものだと批判。思想信条・信教の自由に反すると強調しました。

 東北学院大学名誉教授の榎森進さんは、先住民族の固有の権利や自主決定権を認めた「先住民族の権利に関する国連宣言」に書かれていることが政府の閣議決定には盛り込まれていないと指摘。「アイヌの権利を無視した政策だ」と批判しました。苫小牧駒沢大学教授の植木哲也さんは、遺骨を研究対象にしようとする政府の方針に疑問を呈しました。

 


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