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きょうの潮流

2017-10-11 | コラム

黄金色の稲穂がひろがる田園。実りの秋を迎えた福島市内で安倍首相は第一声を上げました。東日本大震災の復興が進まず、一日でも早く政権を奪還しなければならない。それが「原点」だったと▼政権交代で復興は進んだと盛んに訴える首相。しかし、ひと言も触れない問題がありました。ふるさとを奪った原発事故、原因や安全検証のないまま各地で推し進められている原発再稼働です▼今も6万8千人もの県民が避難生活を余儀なくされ、住む場所もあるのに帰れない痛ましい現実。それをもたらした事故はなぜ起きたのか、責任はどこにあるのか、このまま原発を続けるのか。今度の選挙でも争点になっています▼公示の日。国と東京電力に対し、避難した住民ら3800人余が生活環境の回復や賠償を求めた生業(なりわい)訴訟の判決が福島地裁でありました。巨大津波の予測は可能だった、事故は防げたとして、国と東電の責任を認め賠償を命じました▼国への断罪は前橋地裁に続く2例目。事故が起きた福島での判決を政府は重く受けとめ、被災者の線引きや切り捨てをやめ、生業を再建できるまで責任を果たすべきです▼原発を推進する自公政権をはじめ、希望の党や維新も再稼働には反対していません。原発ゼロの日本を掲げる共産党の志位委員長は、市民とともに一貫して再稼働反対でがんばってきた党だと。「原発がなければこんなつらい思いはしなかった」。被災者や国民多数の思いを政治にとどけるための選択が、ここにもあります。

 

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