ひろふみのブログ☆

囲碁棋士大橋拓文のオフィシャルブログです。

電王戦初日@9路盤

2014-02-11 23:24:29 | ニコ動

本日は電王戦初日、9路盤で張豊猷八段と平田智也三段が最強コンピューターZenと対戦しました。

日本棋院の対局室、幽玄の間(ネット対局室ではなく深奥幽玄の掛け軸がかかってるほう)には沢山の報道陣の方がつめかけていました。

帰宅して、たくさんの記事や、ニュースでも報じられているのを見て、新鮮な驚きと嬉しさがあります。

私は前の対戦から続けて、コンピューターを使って9路盤を研究していたので、

今回はその研究を対局者に伝えたり、一緒にスパーリングしたりと、大分研究を進めることが出来ました。

今日このブログでは、「研究側として内部から見た電王戦」という視点で書いてみたいと思います。

一局目 平田三段 白

結果的にこの碁が一番Zenにチャンスがありました。

黒5手目までは、一応これで行こうとみんなで話していたオープニング(布石)ですが、その先は未開の地でした。

黒11手目は疑問で、白はっきり優勢だったはずですが、この後、白にちょっとしたミスがあり、二転三転しました。

平田君少し緊張していたかも。その一瞬の隙をZenが捉えられなかったということです。

二局目 張八段 黒

これは張八段の名局でした。

おおむね研究通りに進んでの黒半目勝ち。

予定されたコースの一つでした。

ここに至るまでの物語を書くと一冊の本が出来そうです(笑)

三局目 平田三段 黒

5手目までは二局目と一緒です。

白6で変わったのは、Zenのオープニングブック(布石データ)を変えたからという噂もありました。

黒7までは前のイベントでの蘇八段(白)とZen(黒)の実戦例があります。(リンク先の第6局)

黒11までとなれば黒有利でしょう。この模様はニュースで平田君が解説していましたね!

不利な局面は一度も無かったと思います。

四局目 張八段 白

黒11とポン抜かせたのはコンピューターらしい手ですが、流石にこの場合は敗着となってしまいました。

白12とポン抜き、白14が美しい決め手でした。

 

全4局をまとめて見ると、人間側の圧勝に見えますが、

ここに至るまでたくさんの図を作っては崩し、作っては崩しの繰り返しでした。

研究の流れとしては、私が今までに研究したオープニング(布石)を提示して、

使えそうなもの、コンピューターが打ってくる確率が高そうなものから煮詰めていきました。

そして、張八段がどんどん突き詰めて、終盤の妙手を数多く発見しました。

時として張さんが熱くなり過ぎて、どんどん局面を複雑にするのですが、

平田君はいつもクールに計算してるので、「これは白半目です。これなら黒半目です。」

と、効率的に研究を進めることができました。

対局者のお二人は、かなりプレッシャーがあったと思いますが、4連勝という素晴らしい結果でした。

お疲れ様です!

2月16日の電王戦2日目、13路盤、19路盤での対決も楽しみですね!

※追記 写真。

対局当日も研究に余念が無い和服姿の対局者とメイエン先生。

貫禄の張さん!控え室の画面です。

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3 コメント

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囲碁電王戦 (zoota)
2014-02-12 00:02:42
一局目の白4は、武宮九段の解説によると
評判はあまりよろしくないようでしたが、
とにかく全勝できて良かったと思います。

何気なく対戦されているのかと思いきや、
研究を重ねられたとのこと。
コンピュータのほうもかなり強くなって
いるんだなと認識を新たにしました。
電王戦 4連勝 おめでとうございます! (I)
2014-02-12 00:08:40
大橋先生は電王戦に、ずっと関わっていらっしゃったんですね。
プロの方々の内側からのお話をお伺いできて、興味深くて わくわくしました。ブログでのお話をありがとうございます。
今日の結果はプロ棋士の方々がおふたりとも勝たれて嬉しかったのですが、こんな白熱した背景と流れがあっただなんて知りませんでした。
昨日には、かわいい足付き9路盤も初めて拝見できて楽しかったです。
16日の展開も楽しみです。
電王戦 (期待ちゃん)
2014-02-13 20:06:45
モーサテでも報道されていました。

銀・銅メダルの次のニュースです。

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