時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

言論の自由について

2014-04-20 20:41:04 | 浅学なる道(コラム)
Wikipediaより。
死神博士を演じたことで有名な天本英世氏のエピソード。

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自由主義者・無政府主義者で、
現代の日本に生きる人々に対してラディカルな視点から苦言を呈していた。

「国家というものが大嫌い」と述べ、スペインへの移住を熱望し、
2000年に発表した著書『日本人への遺言(メメント)』(徳間書店)でも
「こんな呆け国家で死にたくない。私は、スペインで死にたい。
20回も訪ねて歩きまわった大好きなスペインで死にたい」と記していたがそれは叶わなかった。

天皇制と昭和天皇の戦争責任を不問にしようとする勢力
(菊タブーを守ろうとする風潮、自民党政権、文部省)を批判して
「テレビの収録で言及すると、その部分は全てカットされる。
こういう事をしている限り日本人はいつまでたっても自立できない」と述べている。


また学徒動員を受けたことは、言葉に言い表せないほどのショックを受けたそうで、
戦後になっても、戦争を賛美するような内容の映画には、
依頼を受けても絶対に出演しないという姿勢を貫いた。

長身に対する妬みのために将校に苛められ、軍が嫌いになり、
その延長として左翼的になったという。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E6%9C%AC%E8%8B%B1%E4%B8%96
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よく中東やアフリカ、中国、北朝鮮などの途上国には
「思想の自由、表現の自由、言論の自由がない!」と言われる。


しかし、私に言わせれば日本のほうが程度が酷く、
他国の思想や言論の自由を批判しながら、自国の自由については目もくれない。


仮に本当に自由が保障されているならば、君が代や日の丸の強制について
国民創意の抗議がされているはずだし、領土問題だって日本の言い分には
穴があることがきちんと報道されているはずだ。

そして、これが最も重要なことだが、
自由の権利が与えられていることと
その権利を有意義に活用することは全く違う

ことに誰も触れたがらない。


天本氏は、根っからの反戦主義者で、戦争を美化する作品には
頼まれても出演しない主義を貫き通して亡くなった。

翻って去年は、『永遠のゼロ』や『名探偵コナン 絶海の探偵』など、
日亜戦争(私は太平洋戦争を日本対アジアの戦争だと捕えている)や
旧軍の組織をそのまま引き継いで誕生した自衛隊を美化し、
抵抗意識、拒絶反応を緩和させる娯楽作品ばかりがもてはやされた。

その一方で、『はだしのゲン』は禁書として学校の図書館から
没収されるわ、自衛隊の入隊体験を高校生にさせるわ、
最近に至っては海軍(海自)のカレーを一般市民にふるまう
イベントがニュースになるわ、戦車や軍艦をキャラ化・パロ化した
アニメーションやゲームが大ヒットするわと、日本の軍拡と
リンクする形で様々なコンテンツ・イベントが量産されている。


なるほど、日本に思想や言論の自由はあるの「かも」しれない。
だが、知識人や政治家、作家、俳優のほとんどが
日本の戦争の負の側面について語ろうとはしないし、
中東・アフリカ・北朝鮮といった途上国が抱える事情を一切無視して
やれ独裁だ、やれ民主化だと遠まわしに当事国への武力侵攻を是認する。
(昨今の北朝鮮バッシング、アラブの春が典型的な例)


ウクライナのように、明らかに現政権に不当性が発見されるのに、
その点については一言も述べない。米韓の20数万による首都侵攻作戦の
デモンストレーションが領土付近で展開され、同演習の中止と引き換えに
核施設の廃棄、拉致問題等の問題の解決を提案しているのに、一向に
その件について一言も触れず、野蛮な国だと罵声を浴びせ続ける。
(結果として20年以上も問題解決は進展されていない)


こういう有様を見るに、「なるほど、第3諸国には私たちが
自分たちの価値観で勝手に作り上げた人権や自由というものは
ないのかもしれない。だが、人権や自由がさもあるようにみせかけ、
仮にあるとしても使いこなせていない国はもっと不幸だ
」と私は思う。

最近の伊勢崎賢治氏について

2014-04-17 00:13:14 | 軍拡
ZED氏のサイト記事および神奈川新聞の記事より。

伊勢崎賢治が最近スゲー事になっていた
http://www.kanaloco.jp/article/69095/cms_id/73812


平和の創り方 伊勢崎賢治さん「犠牲者を出す覚悟はあるか」
http://www.kanaloco.jp/article/69095/cms_id/73812



筆者が気になったのは次の部分。

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-9条は米国の利益にもなるのですか。

 「アフガン戦争は終わっていません。
  逆に(国際テロ組織の)アルカイダ的なものは拡大している。
  テロの背景には社会の腐敗や貧困がある。
  構造的な暴力の被害者たちが宗派や言語などで集団化し、
  衝突して内戦に発展してしまう。ロシアとチェチェン共和国の関係や
  中国の新疆ウイグル自治区もそう。世界が共通して抱えている病気です。
  この病気との戦争が9・11以降始まった。
  その戦いの中で日本が果たせる役割がある


 -役割とは。

 「テロの根絶には構造的な社会問題にメスを入れ、テロを嫌う社会、
  過激な思想を生まない社会をつくっていかなければならない。
  当事国の内政に入り込み、変えていくしかない。
  それは優しく、平和的にしかなし得ない。
  危険でも武装勢力の中に入って調停したり、
  停戦を監視したりすることも求められている」

http://www.kanaloco.jp/article/69095/cms_id/73812
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東京外語大で国際政治学を担当されている同氏ですが、
私も彼の著作を2点、購入して読んだことがあります。

そのうちの1冊、講談社現代新書の『武装解除』からの引用。



日本の平和論議にありがちなのは
「紛争の原因は、銃を取らなければならない経済事情と、
 それが生み出す差別や抑圧にある。だから貧困の元を断てば解決できる」
 という議論である。

これを標榜する人は、局地的な紛争への直接的な介入は
「対症療法」に過ぎないと言う。しかし、対症療法なしで、
 本当に病理がわかるだろうか?(P.217)



紛争の原因の1つは、貧困かもしれない。
しかし、「貧困をなくせば紛争がなくなる」というのは、
「風が吹けば桶屋が儲かる」の議論に等しい。(P.219)




・・・・・・


テロの背景には社会の腐敗や貧困がある。
構造的な暴力の被害者たちが宗派や言語などで集団化し、
衝突して内戦に発展してしまう。

テロの根絶には構造的な社会問題にメスを入れ、テロを嫌う社会、
過激な思想を生まない社会をつくっていかなければならない。

http://www.kanaloco.jp/article/69095/cms_id/73812



神奈川新聞の記事を読んだ限りでは、
かつて自分が唱えた意見を否定しているような……


ま、まぁ、『武装解除』の出版年度が2004年ですから、
この10年間で大きく考え方が変わったのでしょう。


そういう言葉を彼の口から聞いたことはありませんが。


『武装解除』や『国際貢献のウソ』には、アフガン・イラク戦争の
 その後が如何に悲惨なのか、その正義が薄っぺらいものだったのか
 が現地で武装解除を行った自身の体験から告白されており、
 何だかんだで、これら書籍の価値はあるものだと私は思います。


しかしながら、非武装だろうと何だろうと、
伊勢崎氏(というより国際NGO)が行ったこと(武装解除)は、
とどのつまりは、アメリカ政府にとって都合のよい行動であり、
同政府の支援にしかならなかったのでは?
と読みながら思ったこともまた事実。



まず間違いなく、テロの背景は、未だに先進諸国に
国内の資源を牛耳られている途上国の実情があるでしょう。


イラク戦争などはその典型で、フセインが打倒されてから
かいらい政権が生まれましたが、それに納得のいかない人たちが
武装し、政権に抗う選択をとりました。アフガニスタンもまた同様です。

ですから、テロを撲滅するためには、
まず先進諸国との不平等な関係の解消が求められるでしょう。


私は、伊勢崎氏は著書でかなり厳しいアメリカ批判を行っていましたから、
当然、同氏がイラクやアフガンをテロ地帯の具体例にして、
アメリカの内政干渉に対する批判をなさるものだと思っていました。


ところが、神奈川新聞のコメントでは、
アメリカが勝手に始めた「テロとの戦い」を否定するどころか、
むしろ「日本はこの戦いに参加せよ」と呼びかけていますし、
なぜかアメリカの仮想敵国をテロが行われている代表地域にしている


「独裁体制だ」と批判する国家が、なぜか、その時々のアメリカが
 政権崩壊してくれないかと望んでいる国家と一致している政治学者、
 ジーン・シャープと同様に、伊勢崎氏も一見するとノーを言っているようで、
 その実、手元ではゴーサインを送っている
ように見えるのは私だけでしょうか?
 

政治学者でもない私が何を言っているのだという話ですが、
テロの背景が貧困と差別だと主張して、ウィグル自治区を
具体例にし、アメリカと共に集団的自衛権に参加せよというのは、
手段がナイフから書類に変わるだけで、中国への内政干渉に日本も参加しろ
と言っているようにしか思えない
のですが…(そして遠まわしに、
現中国政権をテロが発症するだけの抑圧体制と誹謗している)


伊勢崎氏は「『9条は日本にはもったいない』と新聞に寄稿したら、
護憲団体から講演に呼ばれなくなりましたが」と自己分析していますが、
私からすれば、同氏の干渉主義に対して拒否反応を起こしたのではと思います。


とはいえ、伊勢崎氏が今も、日本の平和運動を牽引する立場にいますし、
彼の支持者が左翼に多いこともまた明らかなこと。

ZED氏も主張していますが、彼を良心的な文化人と宣伝し、
共闘している左翼文化人たちは、もう少し考えるべきです。


私は最近の反共(=戦後の主流)左翼が最近となえている
「左右の壁を乗り越えて」とか「共闘姿勢」といった意見を
 物凄く怪しんでいるのは、「ちゃんと相手を選べよ」という意味も込めているんですよね。


では、最後に本記事のオチを。『国際貢献のウソ』の帯紙より。


「国際貢献」は愛がなければできないが、愛だけでは空回りする。
ここには、現場で苦闘してきた筆者だから書ける戦略がある。

池上彰氏推薦!


共産党原発推進派論について

2014-04-16 00:11:24 | 反共左翼
「共産党は元々原発推進派だった」という言説がまことしやかに
 囁かれているのですが、これはかなり疑わしい意見だと思います。

筆者の蔵書には『日本の原子力発電』という共産党が出版した新書があります。
これなどを読むと、推進どころか、バリバリの反対派だったのは明らかです。

この本は1974年7月に出版されたもので、アメリカのスリーマイル島の
事故よりも前に、日本の原子力発電開発が危険なものであること、
経済界や政界の利益を優先したもので、安全性が無視されていることを
指摘し、警鐘を鳴らしています。これに加えて、1981年に出版された
『不破哲三政策論集(上)』でも、1980年の衆議院予算委員会質問の場で
不破哲三氏が日本の原発開発が防災面で何をしていないことを指摘し、
原発安全神話に対して、それは違うと主張しています。


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日本ではなにかあっても“原子力は大丈夫だ”という宣伝をやっている。

しかし、この報告は“原子力は大丈夫だ”と宣伝しているうちに、
自分までその気になって、安全を管理する者、動かす者、会社の方も、
政府の方も、原子力発電所は十分安全だという考えがいつのまにか
確固たる信念として根を下ろすに至った、これが危険なのだ、
だからこれからはこうした態度を改めて、原子力は本来危険を
はらんでいるということを口に出していう態度に変えなければならない、
といっている。これが勧告の基本的な考えなのです。


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では、いったい、なぜ共産党が原発推進派だったと言われているか
と言いますと、同党が核の「平和利用」は容認しているからです。


これは加藤哲郎氏の論文がかなり強い影響を持っていると思いますが、
要するに、日本共産党は原子力爆弾には反対していたが、
核の平和利用=原子力発電には賛同していたという見方です。


確かに、核の平和利用というフレーズは使われています。
しかし、文脈を踏まえれば、その意図は全く違うことは明らかです。

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核エネルギーというのは人類に発見した新しいエネルギーですから、
これを平和的に利用する方途を探究するのは、私は当然だと思う。

しかし、そのときにもいったように、これは未完成の技術であって、
そのことを十分心得て安全性について今日の許す限りの体制をとらねば
非常に危険なことになる
。これが根本問題です。


(不破哲三政策論集より)
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筆者らは原子力が未来をになうエネルギー源であることについては、
いささかも疑問をもっていない。しかし同時に原子力が現状においては
軍事利用が圧倒的であり、平和利用にかぎられるという状況には
ほど遠いことも事実である、また安全性も決して保障されてはいない
のである、また安全を保証すべき研究開発はまったく不十分なままである
ということも指摘しておかなくてはならない。

(中略)

このような試みをおこなったのは、現在政府の手によってすすめられつつ
ある原発設置計画が、現在および将来の国民にとって危険であるばかりでなく、
わが国経済の自主的発展にとっていも危険であると考えたからである


(日本の原子力発電より)

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この本の副題は「安全な開発をめざして」とあります。
つまり、安全性を確立する研究開発が進んでいないこと、
その研究を進めた上での開発を提唱していると読み取れるでしょう。

ふつうは。


ちなみに、理系出身で長らく原発推進の危険性を主張してきた
吉井秀勝氏も2010年に出版した『原発抜き・地域再生の温暖化対策へ』
の中で安全を保証すべき研究開発を以下のように説明しています。


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核兵器廃絶の道にたつと、プルトニウムを生み出さない
原発を模索するということになります


それは、原発の中で、プルトニウムを作らないことだけではなく、
高レベル放射性廃棄物を生み出さないタイプの原発を検討する
ということと結びつきます(P.80)。


1938年の原子核分裂と原子核融合の発見は人類史的意義を
持っています。この原子核エネルギーを、安全に制御して
使いこなせるかどうかは、人類にとって未完成の技術分野であり、
将来、利用可能となるかどうか自体がこれからの研究にかかっています。

残念ながら、原子核の研究開発の出発が、原爆製造と核兵器運搬のための
原子力潜水艦の開発という軍事利用だったことから、原子力の平和利用には、
軍事の影がつきまとってきました。その上、安全技術の水準を超えて
原発の規模を拡大する大企業の利益中心の進め方も、原子力の研究のあり方を
歪めてきました。


原子力の研究や開発が、国民の案円と利益を守る立場で進められるように
なるには、日本の原子力研究・開発の障害となってきた、日米安保と
大企業本位の二つの政治の歪みを正すことが必要です(P.188)。


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以上の吉井氏の意見は、少なくとも70年代初頭以降の共産党の意見と
一致するものであり、歴史的にみても、共産党の核平和利用論が
日本政府による原発推進政策と真っ向から対立する内容であることは明らか
です。


ただし、筆者は60年代の共産党の同問題に関連する資料は
入手できなかった(多分あるだろうが論文でもないのに
そこまで時間を割きたくない)ので、この間における同党の
姿勢に関しては、イエスともノーとも言えません。

しかしながら、加藤哲郎氏や土井淑平氏らが主張する
共産党原発推進派論では、共産党が反原発に目覚めたのは
90年代半ば(論者によっては震災以降)となっており、
この点に関して言えば、同論がデタラメであることは確実でしょう。


なお、彼らが脱原発の代表的人物として評価する広瀬隆氏に対して
共産党が否定的な見解を述べたこともまた、根拠の一つになっていますが、
同氏は、科学的に確定事項となっているCO2による地球温暖化説を
否定したり、アメリカの金融危機をロスチャイルドの手によるものだと
陰謀論を唱えたりと、かなり信憑性の乏しい主張を行っており、
共産党が彼を批判したのも、その科学的知識の不正確さが原因です。


科学的知識の正確さ?そんなの関係あるか!
脱原発なんだよぉっ!!

こういう態度で民衆から賛意を得られるかどうか
甚だ疑問
です。


広瀬批判をしたから原発推進派だという意見については
自分たちのグループを攻撃する者は原発推進派という
勝手な思い込みに基づいたものと言えるでしょう。

(なお、私は温暖化なんて嘘なんだと喧伝し、
 結果的に日本や米国といった先進諸国に都合のよい
 働きをしている広瀬氏を、いくら反原発を行っているからといって
 評価したくはない。原発さえ何とかできれば他はどうでもいいとは思えない)


以上をもって結論付ければ、いわゆる共産党が元々は
原発を推進していたという意見は成り立たないと言えます。


私が利用した資料は、一般人でも閲覧可能なものばかりですから、
その気になれば、こういった言説が虚構だと、それこそ原発を
専門とするプロの運動家たちは看破できたはず
です。

(気づかなければ運動家として勉強不足ですし、
 気づいているならば、意図的に嘘を広めていることになります。)

にも関わらず、このような間違いを、
むしろ積極的に流布しているのはなぜなのか?



一つには反共主義というものがあるからだと思いますが、
それ以上に本質的な問題として、現在の脱原発派の
教条主義(即自ゼロを主張しない限り敵とみなす)があるからではないでしょうか?


本来、原発問題を解決する手段は幾通りもあるはずです。
しかしながら、即時撤廃と段階的撤廃を質的に異なるものとして
徹底的に攻撃する。無視をする。事実さえ捻じ曲げる。

こういう狂信的かつ狭量(こころがせまい)な態度で
振舞っているからこそ、いつまで経っても
国民全体の一般常識として脱原発という意識が浸透しないのでは?

と私などは思います。

加藤哲郎批判の記事がよく読まれているので、
思い切って今回の記事を書きましたが、彼をはじめとした
人権を重んじる民主主義者たちの行ったことは、私としては
全く共感できないし、自分で自分の首を絞める行為だと思う。

少なくとも、すぐに間違いだと気付く嘘を平然と言い広めるのは、
研究者のモラルとして恥じるべきだと思います。


でたらめでも良いのならば、結果オーライでもいいのならば、
今すぐジャーナリストや研究者の肩書を捨てるべきではないかと…そう思います。

北朝鮮の反核論

2014-04-15 00:54:40 | 北朝鮮
朝鮮新報の記事より

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「日本国民」がノーベル平和賞候補に登録された。
受賞資格が個人か団体に限られるため、「憲法9条を保持する日本国民」として申請、
受理された。憲法改定を目論む安倍政権に対抗し、
不戦平和を謳った日本の憲法9条を守るため、国際社会に訴える手段として発案された。

▼効果的なアイディアだ。平和を広く呼びかけ、
安倍政権の軍事大国化に国際世論から打撃を与えるとともに、
アジア太平洋地域で軍事的影響力を保とうと暗躍する米国へのけん制となる

▼12カ国による軍縮・不拡散イニシアチブ外相会合(11、12日)で採択された
「広島宣言」は、核兵器保有国に対し定期報告など透明性の向上を求めた。
それにとどまらず、朝鮮の核開発の即時停止をわざわざ求めた。
南朝鮮駐留米軍の千発以上の核兵器と向き合い、
人類史上最悪の核の脅威に晒されている朝鮮に対するこうした要求は、
一方的な武装解除を求めるに等しい。
日本はその核の傘の下にいることを忘れてはならない

▼7日に行われた国連軍縮委員会で朝鮮の代表は、
地球上に存在するすべての核兵器の廃絶を一貫して主張。
それは、世界最大の核保有国が核開発とミサイル防衛システムの展開をやめ、
核軍縮で先頭に立ち実践的な模範を示すときにだけ実現すると強調した

▼紛争や対立の火種を取り除く必要がある。
朝鮮半島や日本を含む東アジアの平和は、地域から海外武力を駆逐することから始まる。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/04/il-250/
------------------------------------------------------(引用終わり)

「北朝鮮の手先」と散々、人権活動家or人権団体から非難されている
 総連の機関紙、朝鮮新報。サイトから日本語で読める。


北朝鮮の手先は日本国民がノーベル平和賞候補になることを
喜ばしく思っているようだ(私はやめたほうがいいと思うけど)。

また、北朝鮮本国も、核廃絶に非常に積極的な姿勢を見せている。
そればかりでなく、韓国や日本を中心とした米軍基地の撤廃を主張している。

以上の主張を北朝鮮が行ったというこの意味は大きいのだが、
この点はスルーされて核を持つ危ない国だという宣伝ばかり流されている。



辛淑玉氏や有田芳生氏などの反北朝鮮の人権派、
及び沖縄の米軍基地や核武装論に批判的な左翼(共産党も含む)は、
北朝鮮の反核論を一切無視したまま、
同国の核保有を糾弾することに情熱を燃やしてきた。


そういう態度がどれほど保守派に対して
心強い声援かを考えたことがあるのだろうか?

(実際、彼ら左翼の承認を得ながら、北朝鮮への強硬な制裁は実行された。)


先日、NHKスペシャルで北朝鮮特集があったが、
相変わらずのバッシングするための報道だった。

お約束の90年代半ばに撮られた痩せ細った子供が
たたずむ病院の映像。元幹部による体制批判。

ネットで検索をかければ、すぐ読めるような内容だった。
当然、次のような米韓軍の挑発的な軍事行為には一切言及がなかった。




------------(朝鮮新報の記事を抜粋)---------------------------


朝鮮平和擁護全国民族委員会のスポークスマンは12日に声明を発表し、
朝鮮への先制攻撃を狙った北侵戦争演習である
「マックス・サンダー」空中総合演習が
11日から25日まで歴代最大規模で行われる
ことについて糾弾した。

声明は、米・南がこれまで5月に実施していた
「マックス・サンダー」演習を、今年は「フォール・イーグル」
合同軍事演習期間中である4月中旬に繰り上げて大々的に行うことを指摘し、
今回の訓練の挑発的性格を実証していると強調した。

また、米・南が朝鮮の通常のロケット発射訓練と
自衛的な核抑止力強化の措置に言い掛かりをつけて、
国連の「制裁」を云々し、謀略的な無人機騒動を起こしている
タイミングに合わせて、「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」演習、
「平壌占領」を狙った「双龍」連合上陸訓練とともに
大規模な「マックス・サンダー」空中戦争演習を行っているのは、
北侵戦争の導火線に火をつけるためであると指摘した。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/04/20140414riyo-3/

----------------------------------------------(引用終わり)

キー・リゾルブとフォール・イーグルは知っていたが、
マックス・サンダーや双龍作戦については知らなかった。


ピョンヤン占領・先制攻撃を想定した軍事訓練が
毎年、行われているというこの異常事態を
米韓日の知識人、人権団体は一切、民衆に教えようとしない。



よく北朝鮮には言論の自由がない、反論する自由がないと言われる。
だが、思想・表現の自由が守られているはずの民主主義国では、
民主主義者たちが自発的に特定の情報を秘匿して正義を語っている。

私には、そちらのほうが異様に見えるのである。

悲しみのウクライナ(第5回)

2014-04-14 21:46:03 | リビア・ウクライナ・南米・中東
ロシアの国営ラジオ局「ロシアの声」のサイト記事より

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ロシアのチュルキン国連大使は、ウクライナ東部の一連の都市では、
治安機関職員が抗議運動側に移ったと述べた。


チュルキン国連大使は14日、国連安全保障理事会で、
「ウクライナ最高会議によって大統領代行に任命されたトゥルチノフ氏は、
 ウクライナ国家安全保障国防会議が軍と共に大規模な対テロ作戦を
 開始すること決めた
と発表した。
 だが、デモの参加者たちは、マイダンの人々とは異なり
 テロで脅したり、ブルドーザーで治安機関職員を轢こうとしたり、
 石や火炎瓶を治安職員に投げつけたりはしていない。
 そのような人は誰もいない。

 一連の都市で治安機関職員が抗議運動側に移ったのは偶然ではない」と語った。

http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_14/271165207/
-------------------------------------------------------(引用終わり)


三日前の時事通信社の記事ではこのように書かれていました。


ウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相は
11日、親ロシア派デモ隊が州政府庁舎を占拠しているドネツク市を訪問、
行政・治安当局者と協議した。同首相はこの中で、
デモ隊が要求する地方自治権拡大を目指す住民投票を容認、歩み寄る姿勢を示した


しかしデモ隊は、11日の退去期限後も建物の占拠を続けており、
事態打開につながるかどうかは不透明だ。

http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-140411X012.html



ドネツク市に到着したヤツェニク首相(時事通信)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-140411X012.html


このテリー伊藤がさらにヤバくなったような方が
現ウクライナ暫定政権の首相。


・・・歩み寄る姿勢を示した?
その数日後に大規模な「対テロ作戦」を開始することを
決定したことを知った今となっては、何とこの言葉のうすら寒いことか。


私がテレビでこのニュースを見た時にも同じように
「ウクライナ暫定政権は歩み寄る姿勢を見せた」と
 肯定的に表現されていました。それがどうです?
 一週間も経たないうちに掃討作戦を開始すると宣言したではありませんか。



メディアは、どうにかウクライナ暫定政権に正当性を付与しようとして、
クリミア自治共和国の動きをロシアに軍事占領されたための
やむを得ない行動とみなしていましたが、とうとうクリミア以外の
ロシア軍に「占領」されていないはずの地域で反対運動が激化してきました。


内戦というものは、双方、過激な行動をするもので、
どちらが正しいか間違いかはっきりしないものですが、
少なくとも今回は、ネオナチが参加し、かつ外国勢の支援を受けて
起こしたクーデターが発端であり、正当性が現暫定政権にはないのは明らかです。
次の記事を読んでみてください。


------------------------------------------------------

ウクライナのコレスニチェンコ地域党議員は、
同国で起こっている出来事について、
「外国のスパイ」から資金援助を受けていると述べた。

コレスニチェンコ氏は、「キエフの状況は1年以上かけて準備された。
外国のスパイたちは、クーデターを起こすために、最近数年間で
100億ドル以上の資金を提供した。スパイたちは、
非政府組織を装って最高会議で活動している
」と述べた。


コレスニチェンコ氏はこれより先、ウクライナで起こっている出来事は、
欧州と米国が計画したクーデターだ」と述べている。

http://japanese.ruvr.ru/2014_02_23/129063937/
------------------------------------------------------(引用終わり)

グルジアやウクライナなどの最近の民衆運動の先導者は、
アメリカが派遣した役人や人権団体の指導・訓練を受けていました。


コレスニチェンコ氏の言葉は、さもありなんといったところです。

こういう傀儡政権が、IMFの「勧告」に従い、
国内の社会保障を脆弱化させてまで、先進諸国に都合の良い
途上国へと改造しようとしている。これこそが今回の内乱の
根本の原因です。今、ウクライナで戦っている人たちは、
何も前の政権の支持者だというわけではなく、もっと単純に
現暫定政権を信用できないから行動を起こしています。

こういう事情を知らせないままで、この問題を語ることは
現実を無視した結論へ到達してしまうのではないでしょうか?

拉致問題と在日北朝鮮人差別

2014-04-09 00:14:37 | 北朝鮮
朝鮮新報の記事より。

----------------------------------------------------------
赤十字会談に続き、朝・日政府間の協議が再開した。

日本の政府、マスコミは、朝鮮との対話が行われる間、
拉致問題に焦点を合わせた情報を流し続ける。


その結果、協議の実像が歪められ、世論のミスリードが繰り返されてきた

~中略~

これまで両国は、中断されていた協議を再開する際、
「平壌宣言に従い不幸な過去を清算し、懸案問題を解決するために
『双方の関心事項』を議論する」というコンセンサスを図るのが常であった。
今回の協議再開も同様のプロセスを踏んだはずだ。

拉致問題も「双方の関心事項」のひとつとして議論される。
しかし、協議の最終目的が国交正常化にあるという指針は変わらない。
協議に参加した日本外務省の関係者も、これについて朝鮮側に異論を述べたことはない。

ところが、日本のマスコミが伝える情報だけに接していると、
拉致問題が朝・日間で交わされた議論の全てであるかのような錯覚に陥る

会談で、朝鮮側の「関心事項」も取り上げられるという当たり前のことに関心が向かない

~中略~

実際のところ、協議の場で朝鮮側は多くの事案を主張し、要求している。
むしろ拉致問題に固執する日本よりも、提起するテーマの幅は広いといえるだろう。


~中略~

朝鮮側は、過去清算と関連して
◇日本の植民地支配によって朝鮮人民が被った
 人的、物的、精神的被害に対する補償
◇在日朝鮮人の地位問題
◇文化財の返還問題

などを取り上げてきた。


在日朝鮮人の存在は、日本の植民地支配に連なる。

朝鮮政府は、在日朝鮮人の問題を
必ず実現すべき過去清算の重要項目
(外務省関係者)として捉えている。


3月30、31日に北京で開かれた会談で、
朝鮮会館の強制競売問題を提起したのは、その延長線上にある。

日本では、対朝鮮外交に関する情報が、
拉致問題をとりまく状況に迎合する形で操作されてきた

世論操作の典型的手法は、日本の責任回避の合理化だ。

(以下、文章続く)

http://chosonsinbo.com/jp/2014/04/47sk-5/
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第3世界の意見を第1世界の人間が如何に無視しているのかが、よくわかる記事だと思います。


日朝会談というと、テレビも新聞も
拉致問題の解決ばかりクローズアップされて語られますが、
実のところ、在日北朝鮮人へ対する差別も議論されていたわけです。

この事実を知っている日本人が何人いるでしょうか?


拉致問題を解決するには、北朝鮮との国交回復が必要です。
国交回復するためには、在日北朝鮮人の社会的地位向上が求められる。

にも関わらず、在日北朝鮮人の差別に対して真剣にノーを叩きつけた
メディアや知識人がどれほどいたでしょうか?


ここ10年以上に渡って、我々が行ってきたことは、
北朝鮮に対する経済制裁とネガティブ・キャンペーンだけで、
ちっとも関係改善に向かって歩み寄ろうとしてこなかった。

むしろ、人権侵害を口実に言いたい放題をしてきた。
北朝鮮の対話よりも同国の崩壊を望んできた。


そのため、対話のためにすべきこと、つまり、
在日北朝鮮人への差別から目を背けてきても誰も不思議に思わなかった。


そういう当たり前と思われていることに
疑いを持つことはとても大事なことだと思います。
(この問題に限った話ではないけれど)

ひょっとしてウチのブログか?

2014-04-07 23:14:23 | 浅学なる道(コラム)
いつも読んでいる翻訳サイトの記事より。

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最近『日本の社会主義』という本を買った。
「読んだ」というより「買った」という表現が適切だろう。

「日本の社会主義」について知りたいと思ったのではな。

書名の横に小さな文字で「原爆反対・原発反対の論理」とあるのが気になって、
ほとんど読んだことのない著者の本を買ってみたのだった。
案の定、違和感が強くて、読み進めない。
飛ばし読みしながら、違和感に、閉じること再三。

不思議に思ってネット検索し、
著者を強烈に批判しているブログを読んで納得

『日本の社会主義』の著者、こういう文章を書いておられる。
チョスドフスキー教授の記事をお読みではないようだ。
全く賛成できないご意見。


チュニジアのジャスミン革命に始まり、
エジプトの若者たちに受け継がれ民衆革命を達成した
ソーシャル・ネットワークの波は、リビアのカダフィ独裁を崩壊寸前まで追い込み、
バーレーンやイエメンでもデモは続いています。
権力が揺らぎ崩壊して、独裁者たちの莫大な蓄財や
海外資産が明らかになりました。中国や北朝鮮の政府は、
そうした情報を封じ込め、言論の自由を暴力で抑えるのに必死で、
「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対的に腐敗する」という
ジョン・アクトンのテーゼを、自らの行動で実証しています。

「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、
「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。とある

したがって、著者名を明記しなければならない。
加藤哲郎:一橋大学名誉教授

このジャスミン革命賛美記事を知っていたら、
『日本の社会主義』という本、購入しなかったと思え残念。
大学名の肩書で、うっかり購入してしまったことを恥ずかしく思っている。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-6687.html
--------------------------------------------(抜粋終わり)

著者を強烈に批判しているブログ・・・ひょっとしてウチか?と思いました。


正直、第3者から見ればドン引きされるであろう勢いで
同氏を批判しているのは、ここぐらいだと思うので。


このサイトは、
レーガン政権時代に、事実上のCIAの引き継ぎ機関として設立された
アメリカの人権団体、米国民主主義基金(NED)の支援を受けて
活動している、北朝鮮の人権侵害を告発する団体、アジアプレスの
代表者である石丸次郎氏によって閉鎖させられたZED氏の北朝鮮情報サイト、
『Super Games Work Shop Entertainment』を参考にして作ったものです(※1)。


「第3世界の視点から国際政治を眺める」、ゆえに
「日本の左翼の中でも超マイノリティな意見、
 換言すれば、日本の左翼すら書くのを躊躇う事実を指摘する」ことを
 念頭に記事を書いています。


「戦後日本の左翼は戦前の反共主義から脱却することが出来なかった」

「それゆえに、冷戦時は共産党の政敵として保守派に利用され、
 冷戦終結後は利用価値がなくなり、あっという間に解散、雲散霧消した」

「というよりも、役目を果たした彼ら戦後左翼の主流、
 反共左翼は近年、続々と右傾化し、もはや中道右派と
 何ら変わらないスタンスまでスライドしている」


これらの仮説は、到底、今の日本の文壇では許容できないものですが、
アラブの春に対する評価や、リビア、北朝鮮、そしてウクライナと
人権や民主主義の名の下に他国への武力侵攻、かいらい政権樹立の
動きを礼賛している
現状を見る限り、やはりおかしいと思うわけです。


また、ソ連や東欧など、民主化の名の下、西側に経済侵略され、
新自由主義の実験場にされた事実がいまだに軽視されており、
さらにはキューバやベネズエラなど、社会主義を基調としながら
福祉や医療に力を入れ、国内の経済格差の解消に励み、国連や
先進諸国の暴走に異を唱えている国があるにも関わらず、
共産主義国を地獄のように描写する今の左翼の態度は、
中東やアフリカのように政情が不安定な地域を侵略したがっている国に
結果的に手を貸しているようなものじゃないか
という不安もあります。

本来、こういう文章は、もっと推敲を重ねながら
ちゃんとした論文や評論の形で世に出すべきなのでしょうが…
まぁ、イラク戦争やアフガン戦争を支持する学者が
東大をはじめとした有名大学の政治学の授業で教壇に立っている
のが現在の日本なわけで…まず無視されるでしょう。


そういえば、加藤哲郎氏も一橋大学の名誉教授ですが、
彼もまた政治学者です。本来、政治学者ってイラクやアフガン、
リビア、北朝鮮のようにアメリカ・イギリスをはじめとする
侵略国家の主張に対してノーを叩きつけるために存在すると
思う
のですが、現実では彼らに何だかんだでOKサインを送っている
わけで・・・天動説がまかり通っている今、地動説を説く者は
こういうサイトでこっそり書くしかないのかなと思います。


未だ論文としてまとめるには漠然としているのですが、
状況証拠としては十分かと思うので、また、この「左翼が
右翼と一緒になって強国の後押しをしている」という現状を
憂う人間として書かずにはいられないので、不十分ながらも
ネットに発表している次第です。当然、荒削りな論ですから
読者の方には、これをたたき台として、例えば
ミシェル・チョスドフスキー氏の『貧困の世界化』などの著作を読み、
より洗練された意見へと昇華して頂ければと思います。


※1 なお、このサイトは現在、別のページで移転・再開しています。
   とはいえ、結果的に2012年~2013年前半の記事は消えてしまいました。
   北朝鮮での人権侵害に胸を痛めるという社会運動家(石丸次郎氏)が
   同国へのバッシングに抗議するサイトを、内容に問題ありとみなして
   プロバイダーに連絡、強制的に凍結させる。これは凄いことです。
 
   また、石丸氏によると、金を受け取っているのは韓国のほうの
   アジアプレスで自分とは無関係だそうです。普段、民族差別や
   人権を掲げる割には、いざとなると韓国のパートナーに
   責任をなすりつける。これが右翼ではなく左翼に属する人間、
   それも北朝鮮人権問題の専門家として、他の左翼の面々からも
   評価されている人物が行ったというのは、非常に問題で、
   いかに今の主流左翼が右翼と大して変わらないかを
   如実に示したものではないかと思います。

   詳しくは以下のサイトを参照。
   http://roodevil.blog.shinobi.jp/

四たび、悲しみのウクライナ

2014-04-07 22:08:33 | リビア・ウクライナ・南米・中東
朝鮮新報の記事より

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クリミア半島のロシア連邦編入を巡って、欧米メディアは
ロシアを「悪」に仕立て上げ、米国はEUなどを取り込んで
対ロ制裁を発動、G8からの永久追放を示唆するなど、
反ロシアキャンペーンに躍起になっている。


●何が起きているのか

昨年末、ウクライナのヤヌコビッチ大統領が、
予定されていたEUとの自由貿易協定を柱とした連合協定の調印を見送ったことから
「抗議デモ」が発生、後に外部から武器が持ち込まれ銃撃戦にまで発展した

反乱側は、ヤヌコビッチ大統領を追放、メディアを乗っ取り、
市議会を襲撃、議会を占拠
してついに政権を奪取した。

欧米メディアはこれを「市民のデモ」によって腐敗した政権が
倒された「市民革命」であるかのように報じたが、
実際には米国がウクライナの極右勢力を操って起こしたクーデターだった

米国がウクライナで親ロ政権を転覆させ親欧米傀儡政権を
発足させたのは2004年の「オレンジ革命」に続いて2度目。

これに関与しているのはCIA、ジョージ・ソロス(財団)、
NGOの看板を掲げた様々な謀略機関、軍産複合体とつながっている
超タカ派のジョン・マケイン上院議員(元大統領候補)などの人物である。

自国の利益にそぐわない政権を転覆させるのは米国の常套手段。
取って代わる親米政権を担うのはどんな人物、勢力でも構わない。


●新政権の本質

米国にとって、ウクライナはロシアを封じ込めるための
戦略的要衝地の一つ。だが、新政権の要となる
「スヴォボダ(自由)」は実は欧米にとっても両刃の剣だ。
というのは、この集団が反ロシアだけでなく、反ユダヤ主義、ネオナチだからだ


注目すべきは、ウクライナの現実だ。この国は東西で民族、
政党構成がはっきり区別される。西はウクライナ人が多数で、
東はロシア系が多数派。西はユダヤ人大量虐殺という負の歴史的遺産を負っている。
また、原発事故で有名な「チェルノブイリ」がある。
一方、東は穀倉地帯、資源に恵まれている。

「西」に属する超保守勢力がEU、NATOに取り込まれれば、
いずれウクライナがギリシャのような存在になるのは目に見えている。
「東」はそうなることを拒否し、ロシアが関与しなくても
分離独立の動きが表面化するものと思われる。

「西」の首都・キエフの新政権が、大統領選挙を経て、
ウクライナ人だけのための極端な国粋主義政策を取れば内戦になる可能性が高い。
「親ロか親欧米か」は虚構なのだ。そのことを西側は隠している。


●クリミア独立、ロシア併合

欧米側は、クリミア自治共和国で行われた分離独立を問う住民投票自体を無効とし、
ロシア編入を「侵略」「泥棒」と猛攻撃している。だが、これは有効であり合法である。

というのも、この半島に住むロシア系(58.32%)ウクライナ人(24.32%)
タタール人12.1%、その他(6%)の有権者の83.1%が投票し、
96.77%が賛成(反対は2.51%)したからだ。欧米メディアは、
タタール人もウクライナ住民もロシア連邦編入に反対していると強調しているが嘘である。

欧米諸国は、東チモール、南スーダン、コソボの分離独立を支持し後押ししたが、
これはそれぞれ、イスラム国家、反米的国家、親ロ国家の分断、弱体化が目的だった。
典型的な二重基準だ。ロシアをいわゆる「自由主義」陣営に取り組み解体すべく
G7をG8に拡大したものの、その目論見は外れた。
そもそも、G7もG8も時代遅れの遺物であることが奇しくも再証明される事態となった。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/04/47sk-3/
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当サイトではウクライナ情勢について、何度か取り上げてきましたが、
そのまとめとも言える記事が朝鮮新報にアップされました。

ここ数カ月の状況を簡潔にまとめた良い記事だと思います。
これをなぜ朝日や週刊金曜日、赤旗ができないのか……


追加してコメントするならば、実はウクライナのここ最近の民主化運動は、
アメリカの国防省やCIA、これらと関係が深い人権団体に支援されている
ということです。

例えば、フリーダムハウスという人権団体。
この団体の会長は2004年のオレンジ革命当時、
元CIA長官のジェームズ・ウールジー、その理事や支援者には
クリントンやオバマ、ブレジンスキーと大物政治家、官僚がいます。

このフリーダム・ハウスをはじめとしたアメリカ政府が用意した
人権団体が現地の反政府運動を支援・訓練し……つまるところ、
アメリカ政府に誘導される形式で「民主化」運動が進んだわけです。


現在のアメリカは、CIAのようなテロに武器や戦闘技術を与える北風の方式
ではなく、人権団体を通じて現地の民族主義者に非暴力的な暴動を起こす
手段を教え、また促す太陽方式へと路線を変えて工作を行っています。


日本でも維新の会に属する議員がチベットやウイグルの民族主義者と
結託して中国をバッシングするキャンペーンを行っていますが、
それがもっと本格的に行われているものと思ってください。

私は、人権という思想は現代のキリスト教だと捉えていますが、
それは大航海時代、南米のインディオの暮らしを「野蛮」と称し、
キリスト教に帰依させ、「文明」化させていった西洋人の独善的な行為と同じことが
今、民主主義や人権擁護の名の下に行われているから
です。
(イラク、アフガニスタン、リビア、そしてウクライナへの侵略行為を見よ)

この手の民主主義者や人権思想家がいかに弱国にとって有害かは
言うまでもありません。そして、そういう輩の筆頭に挙がるのが
アラブの春を先導したジーン・シャープ(米国の政治学者)ですが、
彼は、なんとノーベル平和賞の候補者にも上っているのです。


なぜか彼が批判する国は、ことごとく同時期にアメリカ国務省が
政権交代を望んでいる国と一致している
のですが、
こういう方がノーベル平和賞を取れるかもしれないという時点で、
どこの国にとっての平和なのかは一目瞭然なのかもしれません。


ちなみに、過去のノーベル平和賞受賞者。

セオドア・ルーズベルト→棍棒外交で有名な大統領。
            南米にとっては恐ろしい征服者だった。

ウッドロー・ウィルソン→国際連盟の提唱者。
            同じく、南米にとっては(以下略

バラク・オバマ→NATOによるリビア空爆の張本人。アフガン派兵を遂行中。


面積の点でも、人口の点でも、世界の大部分は第3諸国が占めています。
彼らをないがしろにする平和。それは、はたして本当の平和と言えるのでしょうか?

南極海での捕鯨禁止について

2014-04-07 00:57:03 | 国際政治
グリーンピースからの記事。

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1、低迷する鯨肉需要

南極海での調査捕鯨のクジラ捕獲枠は、合計で約1000頭程度。
国の委託を受ける財団法人 「日本鯨類研究所(以下、鯨研)」が、
クジラを南極海の船上で解体・商品用に箱詰めし、
日本に帰港後にそのまま食肉として販売し、次年の捕鯨の財源にしている。

これが国際的に「商業捕鯨だ」と批判される理由だ


しかし、鯨肉の需要は低迷し、2012年9月末の段階で在庫は5637トンまで膨れ上がった。
年間3000トン前後が国内の鯨肉消費量とされているため、
在庫が年間消費量の約2倍近くまで増えたことがわかる。

この在庫が、鯨研の資金繰りを悪化させ、2011年9月末、
鯨研は8.7億円の債務超過に陥った
。これは1987年の鯨研設立以降初めてのことだった。


2、現実的ではない商業捕鯨再開と補助金50億円依存

もともと「商業捕鯨の再開」を目指して開始されたのが南極の調査捕鯨事業だ。

しかし、30年近くが経ち、鯨肉の国内需要が下がり続ける中、
南極海まで大型船団を送るという莫大な経費を伴う捕鯨が商業的に成り立つことはなくなった。

実際、鯨研は年間50億円程度の予算を組んで調査捕鯨を行ってきたが、
これまで毎年受けてきた7億円~10億円程度の国庫補助金に加えて、
2012年度からは約45億円(鯨類捕獲調査改革推進集中プロジェクト)
という多額の補助金を追加で受けることで事業を維持しているという。

補助金を投じて「調査捕鯨」を維持し続けることで
逆に「商業捕鯨の再開」が不可能であることを証明してしまったというわけだ。
今では、「調査捕鯨を維持すること」が目的となっている。

2012年には、大震災の復興のために使われるべき23億円もの税金が
鯨研の借金返済に使われていた
ことをIKANやグリーンピースが暴露して
会計審査院へ告発した。会計検査院は2013年に
その使途が不適切であったと結論付けている。

それ以前にも調査捕鯨には、天下り、不正な鯨肉流通など
様々な問題が指摘されてきた
。その度に「捕鯨は伝統だ」という
プロパガンダで何とかその批判を避けることに成功してきた経緯がある。

しかし、補助金依存が高まり、復興予算まで食い潰す調査捕鯨を
「純粋な科学」というのは国際的にも、国内的にも無理がでてきた。

そもそも、南極海で日本が捕鯨を始めたのは1930年代で、
当初は戦費をかせぐために鯨油をヨーロッパに販売することを
目的としていたのだから、伝統とは程遠い



3、国際情勢と日豪関係

これまでの日本政府は、捕鯨は日本の伝統文化であり、
南極の調査捕鯨は国際法に違反していないという主張に固執してきた。
その挑発的な発言のたびに、南極海に近いオーストラリアや
ニュージーランドだけではなく欧米諸国との外交問題となっていた。

そして、2010年にオーストラリアが国際司法裁判所に
日本の捕鯨が違法であると訴えるところまでエスカレートしたというわけだ。


http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/blog/48718/
------------------------------------------------------(引用終わり)

少々、古いニュースになりましたが、一応コメントを。

グリーンピースが指摘しているように、日本の捕鯨が批判されているのは、
捕鯨禁止区域である南極で調査のためと称して捕鯨を行い、
あまつさえ、その肉を商品として販売しているから
です。

歴史的には、クジラ肉が食用として全国的に利用され始めたのは、
戦後まもない食料が不足していた1940年代からであり、
実はクジラ肉の歴史は思ったより浅い
(どちらかというと、クジラは工芸品や油の原料として捕られていた)

また、クジラを神聖な動物として殺傷を禁じた地域も存在しており、
日本文化=捕鯨文化とみなすのは早計です。


結論を述べれば、確かにクジラは日本で捕獲されてはいたが、
それは非常に限定された地域であったということです。


この点でいえば、捕鯨を食文化の視点から擁護するのは
かなり無理がある
と言わざるを得ません。


また、鯨研は研究機関でありながら、クジラ肉を販売する企業でもあり、
その経営陣には農水省のお役人が天下りをしている。図に表わすとこうです。


捕鯨の利権構造

農水省→天下り先の確保
研究者→研究費の確保
自治体→補助金の確保



この官僚と研究者と自治体がグルになって
利益を貪る構造というのは、実は原発と同一のものです。



原発の利権構造

経産省→天下り先の確保
研究者→研究費の確保
自治体→補助金の確保



原発は安全神話を振りまいた挙句、あの事故を起こしましたが、
捕鯨も「クジラは、たくさんいるから乱獲ではない」と主張しています。


私は、熱烈な反捕鯨論者というわけでもありませんが、
日本の捕鯨が上手くいかないのは、真剣に乱獲を防ぐ努力を放棄し、
日本の利益のみを追求してきたからだと思います。


クジラに限らず、イルカ、ウナギ、クロマグロと、
漁業における日本の乱獲主義は歯止めがかからない状態です。

必要最低限の量を捕り、かつ永続的に捕獲できるだけの
生態系の保護を同時に行わなければなりませんが、
それを真面目に行ってこなかったツケが今になって表れている。

このままでは、放っておいても
捕鯨はいずれできなくなると思います。

歴史的にいえば、シロナガスクジラがそれで、
日本も含めた各国が手当たり次第に殺すものだから、
今では絶滅危惧種となって捕鯨が禁止されています。


シロナガスクジラが取れなくなったから、
ミンククジラを取るというのが今の日本のスタンスです。

鯨研をはじめとして捕鯨論者は現在、捕獲している
ミンククジラは数がたくさんいると称していますが、
実は科学的な根拠はありません。

このままで行けば、ミンククジラが少なくなれば、
また別のクジラを取ればいいとなってしまうのではないでしょうか?
(現にウナギはそういう路線になっている)

今回の判決をきっかけに、もう少し冷静に生態系を壊さない漁業を
考えていくように変わってほしいのですが…まぁ多分無理でしょう。

植民地と化したリビア

2014-04-03 21:52:09 | リビア・ウクライナ・南米・中東
最近のアフガンやリビアは、まるで満州国のようです。


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リビア・トリポリ(CNN)

リビア最高指導者だった故カダフィ大佐の息子
サアディ・カダフィ容疑者が、囚人服姿で国民に謝罪する
映像がリビア国営テレビで放送された。

映像ではサアディ容疑者が青い囚人服姿でカメラに向かい、
「私がリビアで引き起こした混乱や騒乱について国民に謝罪する。
私は犯してはならない過ちを犯した」と語った。

さらに「武器を持つすべての人々に対し、
武器を捨てるよう呼びかける。武器は国家のみが持つべきものだ」
と呼びかけ、リビア政府や議会に許しを乞うている。


サアディ容疑者はカダフィ大佐の7人の息子の1人で、
2011年のカダフィ政権崩壊後、国境を越えてニジェールに逃走。
今月に入って隣国ニジェールから身柄を引き渡され、リビアで勾留されている。


同容疑者に対する罪状などは発表されておらず、公判も始まっていない。
しかし同国政府は、リビア南部で最近起きた事件に
サアディ容疑者が関与していることを裏付ける証拠があるとしている。



サアディ容疑者の姿が放映された経緯は不明だが、
国営テレビは、同氏が勾留中に暴行を受けたとの報道に反論するため、
検察の許可を得て放送したと説明している。

この放送の前日、リビアのゼイダン前首相は英紙に対し、
サアディ容疑者が勾留中に暴行を受けていると聞いたと語っていた。

これに対して同容疑者は、自分が骨折したといううわさは
真実ではないと話し、両腕を動かして笑って見せた。

同容疑者に直接面会して処遇について確認することは誰もできていない。

http://www.cnn.co.jp/world/35045875.html
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現在のリビア(仮)は、内乱状態から回復しておらず、
各部族が武器を所持し、戦闘を行っています。


この状態から回復するために、カダフィの息子を捕縛し、
命の保証と引き換えに停戦を呼びかけさせたといったところでしょう。

CNNは保守的なメディアではありますが、それでもなお、
サアディ氏が一体なんの罪で捕らえられたのかを
確かにすることが出来ませんでした。

そもそも、罪人であるかどうかも政府が証拠を握っていると
話すだけで、非常に疑わしい。冤罪の可能性が濃厚です。

これほど醜悪な見せしめもないと思います。

アメリカや、それに支援を受けた武装勢力が打ち立てた現政権。
「我々に逆らえば、こうなるんだぞ」というわけです。


間違ってほしくないのが、この政権が生まれる際に、
カダフィが裁判もなしに武装勢力によって惨殺されたということ。
その息子も拘束され、政府に逆らえない状態です。


イメージしやすいように例えると、
安倍首相がアメリカによって訓練された武装組織に惨殺され、
そいつらが政権を握り、逆らう人間を撃ち殺し、
安倍の息子を不確かな理由で捕らえ、囚人服を着せ、
「パパや僕が悪かった!みんな言うことを聞いて」と言わせる。

これが今のリビア政府が行っていることです。



征服された国家とはかくも無残なものなのかと唖然としました。