時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

北朝鮮の水爆実験について1

2016-01-07 00:30:08 | 北朝鮮
私のスタンス上、絶対にコメントすべき事件だが、時間がないので、
とりあえず今回は朝鮮新報とイランラジオの関連記事を紹介する程度に留めたい。

また、端的に自分の見解を述べると、北朝鮮の水爆所有は12月の時点で
本人たちの口から語られていたことで、また個人的には、今回の実験は
先月ワシントンで開かれた北朝鮮の核に関する米韓会合へのカウンターではなかったかと思う。


ワシントンで開かれる北朝鮮の核問題に関する会合は北朝鮮を怒らせるか?

上のスプートニク紙の記事は先月(12月)の3日に書かれたものだが、
その1ヵ月後に北朝鮮が水爆実験を行った(本人たちが言うには12月中旬から準備していたらしい)

北朝鮮の核実験は、決まって事前の北朝鮮側からの対話による問題解決の呼びかけが
無視された際に行われてきた。その法則にあてはまれば、事前で北朝鮮を怒らせたものは
ワシントンの会合以外にない。もっとも、まだ情報不足で推量の段階に留まっているが。

ロシア下院議員であり防衛委員会の第一副委員長であるセルゲイ・ジガレフ氏は
北朝鮮を孤立化させたり制裁を加えることは状況を悪化させるだけだと述べているが、
これには私も同意する。北朝鮮が述べるように水爆のターゲットはアメリカであり、
それもアメリカが北朝鮮に対して何らかの侵攻作戦を行わない限り使われる事はない。

その上、水爆は威嚇・抑止が目的のものであり、実際に使用される可能性は極めて低いわけで、
北朝鮮という国がどこぞの国のように他国を空爆したり、テロを育成・支援しているわけでもなく、
防衛に重点を置く現在の北朝鮮の軍事政策を踏まえれば、この国が日本を攻撃することはない。
(あるとすれば、横田などの米軍基地がターゲットになるだろう。)

水爆実験に対して批判を行ったのは私の知る限り、米・仏・露・中・日・韓。

予想通り、核保有国とその手下どもから非難がされてきた。
私は基本的にはロシアや中国に好意的な立場だが、それでも、
自国の核保有を棚に挙げた核批判にはなんともいえないものを感じる。


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朝鮮が初の水爆実験/朝鮮政府が声明発表

朝鮮中央通信によると、朝鮮政府は6日に声明を発表し、
同日午前10時、初の水素爆弾実験が成功裏に行われたと伝えた。

声明は、「われわれの技術、われわれの力に100%依拠した今回の実験を通じて、
われわれは新たに開発した実験用水素爆弾の技術的諸元が正確であるということを
完全に確認し、小型化された水素爆弾の威力を科学的に解明した」と指摘した。

声明は、今回の水素爆弾実験について、
米国をはじめとする敵対勢力による核威嚇と恐喝から国の自主権と民族の生存権を守り、
朝鮮半島の平和と地域の安定を担保するための自衛的措置であると指摘した。

そのうえで、朝鮮は責任ある核保有国として、侵略的な敵対勢力が
朝鮮の自主権を侵害しない限り、すでに明らかにしてきた通り、
先に核兵器を使用せず、どのような場合にも関連手段と技術を移転することはないと述べた。

また、米国の対朝鮮敵視政策が根絶されない限り、
朝鮮の核開発中断や核放棄は絶対にありえないと強調。
正義の核抑止力を質、量ともに絶え間なく強化していくと明らかにした。

朝鮮中央通信は同日、金正恩第1書記が昨年12月15日、
朝鮮労働党を代表して初の水素爆弾実験を行うことに関する命令を下し、
今年1月3日に最終命令書にサインしたと伝えた。

また、今回の核実験が朝鮮労働党の戦略的決心に沿って行われたと指摘した。

http://chosonsinbo.com/jp/2016/01/20160106riyo/
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北朝鮮の水爆実験

北朝鮮のメディアが、北朝鮮は6日水曜、水爆実験に成功したと発表しました。
この発表の前には、韓国の気象庁が、北朝鮮北部、咸鏡北道吉州(ハムギョンブクトキルジュ)
郡から49キロの地点で マグニチュード4.1の人工地震を感知していました。
この北朝鮮の水爆実験は、地域、世界、国連安保理で多くの反応を引き起こしました。

日本はすぐさま、この北朝鮮の行動に反応を示しました。
これに順じて、韓国の国防省も、直ちに北朝鮮の水爆実験の実施を確認し、
それを危険で緊張を生じさせる行為だとしました。アメリカも国連安保理の関係者に対して、
緊急会議を開催することでこの問題に対応するよう求めました。

北朝鮮は2006年、2009年、2013年に核実験を行っており、
その後、5つの核弾頭が発射準備を整えていると発表しました。

北朝鮮のキム・ジョンウン第1書記は、
ここ数ヶ月、水爆実験に歩みを進めると表明していました。

西側に近い核兵器に関する一部アナリストは、2週間前、
北朝鮮は核兵器製造技術を保有していることから、
アメリカなど近隣諸国を脅迫するために虚言を吐いていると述べていましたが、
今回の水爆実験は北朝鮮が有言実行したことを示しています。

明らかに北朝鮮の反対者は、この国に制裁を加えるため、
安保理で新しい隊列を作ることになるでしょう。とはいえ、
かつての安保理とアメリカの北朝鮮への圧力行使は、期待ほど効力を発揮しませんでした。

実際、大量破壊兵器は支持されるものではありません。

なぜなら、その製造と使用は人道的に反する行為だからです。
評論家の多くは、北朝鮮の水爆実験は安全をもたらす以上に安全を脅かすものだと考えています。

こうした中、キムジョンウン第1書記を、
21世紀の核の緊張を激化させている要因と見なすことはできないのでしょうか?

アメリカのロバート・オッペンハイマーだけが核爆弾製造の道に足を踏み入れたのではなく、
北朝鮮も核技術と爆弾製造の道で歩みを進める可能性がある、という理解もなされています。

一方で、北朝鮮の指導者はアメリカとの朝鮮半島での争いを終わらせるために
核爆弾を使用しようとしているようです。キムジョンウン第1書記は何度となく、
「アメリカはあらゆる契約に違反しており、自らが言ったことや書いたことも守っていない。
 このため、核の抑止力は、アメリカの敵対政策や脅迫の継続に対して、
 北朝鮮が存続する唯一の道だ」と述べています。

歴史によれば、オッペンハイマーはアメリカで2つの核爆弾を製造しましたが、
彼の一番の理解者であった妻は、「広島と長崎への原爆投下の後、彼はひどく落ち込んでいた」
と述べています。彼の妻は、「日本で起こった出来事の大きさは、オッペンハイマーに
深い影響を及ぼした」と証言しています。

北朝鮮は自分たちの行動はすべて、アメリカの行動に対する反応であり、
それはアメリカが世界での軍国主義的、覇権主義的な政策を改めようとしていないばかりか、
世界の独立した主権を奪おうとしているからだ、と述べています。

一部の政治問題の専門家は、アメリカにもし北朝鮮に歩み寄ろうという気があったのなら、
2007年2月の合意を遵守していただろうとしています。

しかしながらアメリカは北朝鮮の政治体制の転覆を狙っているようです。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/61274
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本気で北朝鮮から核をなくしたいなら北朝鮮の安全を他国が保障すること、
つまり、アメリカが攻めてこないという保障を得させることが必要になるだろう。

北朝鮮の核だけを戒め、自国の軍拡や他国への武器売買、核保有を不問とする
六カ国協議形式が功を奏するとは思えない。実際、北朝鮮は今も核を放棄しようとはしない。

北朝鮮には一時期、本気で核を放棄しようとしていた時期があり、
その条件の中には米韓の軍事演習の中止が含まれていた。これは今も変わらない。

それを思えば、朝鮮半島から核を追い出すには、在韓米軍基地や在日米軍基地、
米韓合同軍事演習など、実のところ、制裁や孤立化よりも軍縮のほうが効果が期待される。

その意味では北朝鮮の非核化など、その気になればいつでも容易に達成できるが、
その気になることが永遠に来そうもないために、ここまでややこしいことになっていると言えよう。


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