時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

珍妙な中国批判をする反共左翼

2014-11-20 19:10:51 | 反共左翼
「日本共産党、最近おかしくないですか?」というサイトがある。

正直、紹介するまでもないサイトなのだが、
中国批判の論調が色んな意味で凄いので、突っ込みを入れようと思う。


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中国は昨年来、東シナ海で独自の防空識別権を設定し、
南シナ海ではベトナム沖での石油探索作業を強めている。海洋進出の動きを強めている。

これも既存の国際秩序や国際法に挑戦するような行動だ。

習近平中国国家主席はオバマ米大統領に「新型大国関係」の構築を提唱している。
対等な大国として渡り合いたいという自尊心も背景にあるのだろう。

しかし、派遣を争うような姿勢は「新型」とはほど遠い。
米中だけで世界を仕切ろうとするG2論が通用しないことも自覚すべきだ。と書いている。

これこそが「米中首脳会談のキモ」である。

習近平主席は「二大国関係」という言葉を共同記者会見で9回も連呼した。

中国の狙いは、「太平洋は中米両国の発展を収められるほど大きい」などと発言して、
この地域の利権を中国と米国で分け合おうと呼びかけている。



(中略)

この中国の「あたらしいタイプの大国関係」に反対することは重要であり、
共産党は、尖閣列島は日本のものだと声を上げているが、
それよりも重大なのはこの中国とアメリカで太平洋を分割統治していくことが
現実の問題となれば、尖閣列島などは完全に中国の支配下に置かれる。

反対すべきは、「二大国関係」という中国の国家戦略である。
米中首脳会談ではこれが中心的論議となり、
中国はアメリカにこれを認めさせようと必死にしがみついている。

アメリカは今のところそれを認めていないが、
今後中国がさらに台頭すれば、アメリカもこれを受け入れるかも知れない

http://egalite65.com/99_blank186.html
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これまでの記事でも述べたが、中国は現在、アジア諸国との対話を密にし、
東アジア一帯に一つのNATOに対抗する政治経済圏を確立しようとしている。

そのさい、強力なパートナーとして想定しているのはロシアであり、
米国ではない。つまり、アジアをアメリカと分割統治する意図はない。

あくまで、中米は互いに仮想敵国なのである。
今回の対談は、その緊張の緩和を目的としたものでもあった。


次の記事をご覧いただきたい。

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両訪問、両会談で、中国側は
「太平洋には中米両国を収めるに十分な広さがある」と繰り返し強調。

米側は「平和で、繁栄、安定し、国際的にさらに大きな役割を
発揮する中国を歓迎し、支持する」と繰り返し強調した。

双方が相手国に対して
このような姿勢を繰り返し表明したのは、
互いの戦略への疑念や懸念を減らすためだ。


中米両大国間には「信頼赤字」が存在するとよく言われる。



近年両国のパワーバランスが変化していることから、
双方は相手国の戦略の意図に対して高度に敏感になり、
自国は十分に合理的だと思う行為でも、相手国からは「居丈高」なもので、
自国に対する牽制、排斥だと受け止められてきた。


中国側が提唱した新型の大国関係の構築という考えに対してすらも、
米側はためらいを見せた。中米首脳会談がこれほど多くの合意と成果を上げられたことで、
両国間に基本的相互信頼があることがはっきりと示された。

だが、互いの戦略に対する疑念の解消にはほど遠い。

http://j.people.com.cn/n/2014/1114/c94474-8809177.html
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この中米会談では、具体的に以下の合意がされた。


1・ビザ発給要件の相互緩和(人材の交流)

2・BIT交渉の加速(投資の活性化)

3・気候変動声明の発表(環境対策)

4・逃亡犯逮捕・不法取得資産没収協力を展開(犯罪対策)



要するに、両国間での経済・環境問題・犯罪への協力体制を宣言したのである

どこをどう読めば、アジアを米中で支配しようとする宣言になるのだろうか?
確かに外交問題にも言及しているが、それはチベットや台湾に対する双方の
見解の違いを認め合いましょうといったもので、尖閣などは話にすら挙がっていない。


この共産党の批判者、中国を危険視した挙句、次のようにコメントしている。

「「大国」とは何かその定義はむつかしいが、少なくとも大国は
  世界の模範となるような国家作りを行う必要がある。
  
  小笠原諸島に見られる200隻を超える中国漁船の赤珊瑚を狙った
  違法操業を阻止できないような国は大国と呼ぶことはできない。
  
  大国には模範となる物がなければならない。

  一党独裁で言論の自由もなく、民主主義が定着していない。
  国の富の多くを共産党の幹部が不当に詐取するような国には、大国という称号には値しない」

右翼サイトの記事でもコピペしたのだろうか?


中国は確かに過度な近代化で格差が拡大しているが、
その場合、不当に搾取しているのは新興財閥であって、党ではない。


また、中国にも選挙制度は存在し、それを否定して
実力行使に走ったのが「雨傘革命」であり、ウィグル地区でのテロだった。
民主主義を否定して、暴力に依存しているのはどちらなのやら。


13億の人口を抱えているこの国では、当然ながら外交や経済政策に対する論争もある。
それは向こうの人間が書いた本の翻訳書を読むとよくわかる。

『さぁ、資本論を読んでみよう』や『中国外交の新思考』などを読めばわかる。


日本で天皇批判や北朝鮮バッシング、領土問題への批判がタブー視されているように、
中国にも批判できないことがある。だが、それをもって欧米より劣っているとは言えない。


ちなみに、アメリカとカナダ、オーストラリアは
中国の汚職官僚の逃亡先として筆頭に挙がる国であり、
今回の会談は中国の政治改革のためにも必要なものだった。


氏が批判している中国国内の汚職について、
すでに改革の動きは見えているのだ。それが失敗するかどうかは別として、
停滞社会のように決めつけて、国内における変化を無視すべきではない。


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